イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツ!:第149話『ふぞろいのカラーたち』感想

腹黒! 天才!! 駄犬!!!
バラッバラの女の子たちをどうにかユニットにまとめ上げるべく、駆け出しデザイナー・ムレータ淳郎くんが奮戦する話でした。
服のデザインだけやってれば良いはずなのに、初仕事でユニットの方向性まで考えさせられて、淳郎くんは大変だったね。

結成自体はかなりサラッとやって、いろいろ忙しかった第145話の伏線をザックリ使って、珠璃With一年のあまりものがまとまりました。
しかし接点はないわ個性は強いわ、ひなきみたいに珠璃を徹底的に立てる解消は一年にはないわで、まとめる取っ掛かりがない。
いろいろ考えた結果、んじゃあまとめなくても良いじゃない!! というのが今回の流れ。
しおんちゃんという堅物をおとめ色の甘い蜜で蕩かしたのとは、真逆のアプローチですね。

今回の話、半分以上淳郎くんの紹介&成長エピソードだったので、バニチリ(こう略すと、ペッパー成分皆無だな)は束で描写されていました。
まとまらないなりにひとまとまりというか、個々人の個性がにゅっと顔を出すシーンが少なめというか。
そんな状況でもあざといアピールをぜってぇ忘れないまどかや、後輩に押されて困惑顔の珠璃なんかも見れたのは、新ユニットが引っ張ってきた見せ場かな。
あと凛ちゃんがスミレちゃん以外の女の子と寝てて、流石駄犬だ居心地良けりゃどこでもOKだぜって感じ。


今回の主役は女の子ではなく、瀬名さんから一年立って登場した二人目の新米デザイナー、ムレータ淳郎くん。
第109話で女子中学生による接待を受けていた師匠と同じように、現役アイドルによる歌とダンスと食事で歓迎されてました。
サンガリアロッソ系列のブランドには、アイカツ・サービス・クーポンでも発行されてんのかな……。

『穏やかな風に安らぎを感じるセンスを殺し、師匠の熱さを追いかけていた淳郎くんが、アイドルたちと触れ合うことで自分らしさを取り戻し、デザイナーとして一歩を踏み出す』というお話は、まとまりが良かったと思います。
速攻結成して『まとまりに欠ける』という急増ユニットの問題点を指摘し、その解決手段として『ユニフォーム作ればまとまるだろう』というラインを引くまでが早かった分、淳郎パートにはそれなりに時間が使えていた印象。
アイドルたちだけで認識を深めていく話以外にも、外部の人間の視点を鏡にして答えに気づいていく展開も、アイカツらしい風通しの良さで良いかな。
来週がかえユリラストエピソードなんで、絶対湿度高くなるしな!!

反面、バニチリの強みと魅力がどこにあるのかを濃厚な説得力を込めて見せるには、ちょっと散漫なお話だった感じもある。
『不揃いな三人が服作って纏まった』というお話の中のロジックで、視聴者側の感情を動かしきれなかった印象というか。
何処においても浮かび上がっちゃう珠璃の濃厚なキャラとか、駄犬と飼い主の湿った関係に切り込んでいく二年生とか、そういう要素も見たかったというのは贅沢な願いかな。
学園祭が終わった後もバニチリが生きるかは分からんですが、一度アイドルだけの真っ向勝負でエピソードを見てみたいユニットではある。

新ユニットお披露目というよりは、新デザイナーお披露目という感じのお話になりました。
三年目の終わりが近づき、旧キャラの物語にエンドマークを付ける流れがきている中、次回は"トライスターの残党"かえユリなエピソードです。
名作『YES! ベストパートナー』の系譜を引き継ぐ完結編となるわけですが、さてはてどのような情念が渦巻くのか。
"アイカツの破壊者""踊る範馬勇次郎"神崎美月との復縁はあるのか。
"月を彩った女達"繋がりで、まさかのみくる現役復帰はどうなのか。
いろいろ楽しみですね。