イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ルパン三世:第2話『偽りのファンタジスタ』感想

四度目のTVルパン、二話目は小粋な人情話。
出だしが伝奇色強め、アクション多めの派手な感じだったわけですが、今回は事件の規模も小さく、落ち着いた感じのお話。
『今回のシリーズはハードなKOフックも、細かいジャブも両方やれますよ』という意思表明として、なかなか良かったです。

『イタリアといえばサッカー!!』とか安直かよ! と思わせておいて、最下層から這い上がってきたファンタジスタの意地を軸に据え、『三』の報酬の小粋なオチでまとめ上げる展開が、とっても綺麗だった。
きっちりトトで儲けている所、そのための伏線をアバンの頭に張ってある所もひっくるめて、ルパンのロマンチストな部分と現実主義者な側面両方が出る、凄くスマートな展開。
前回のミス・ルパンといい、ゲストキャラクターにルパンと共通する部分を持たせて、共感の足場にするのは良いなぁ。

小粋だったのは台詞のやり取りとかもで、「俺が悪いのかよ!」「ああ、アンタは運が悪い」とか、「俺はガンマンで、侍の心はわからねぇ」からの「親分さんに恨みはありませんが……」とか、巧く余韻を引き継いで膨らませるセリフ回しが良かった。
こういう所で小気味良くやってくれると、やっぱりルパンを見ているなぁという実感が強く生まれる。
イタリアの庶民的な町並みを舞台にしたり、地味な飯をバクバク喰うシーンをしっかり入れたりして、渋くて苦めの空気をちゃんと醸造してたのはグッドでナイスだ。


今回はどう見てもダニエル・クレイグなMI6のエージェント、ニクスのお目見え回でもありました。
チェス盤を効果的に使ってルパンとの差し合いを魅せ、クレバーなキャラクターを印象づけていたのは良かった。
次元が気にしていたMI6のデータ、もしかすっと意図的にリークされた情報かもなぁ……。

いつものルパン一味のお話は面白いわけですが、同時にどうしても見慣れたお話でもあって、魅力的なシリーズゲストがいてくれるのは有り難い。
ルパンのシャドウであるレベッカと同じように、ニクスは銭形のシャドウでもあると思うので、今後の絡みが気になります。
来週早速、ニクスのメイン回だしな。

色んな所に目配せの行き届いた、コンパクトで綺麗なお話でした。
伝奇色バリバリでド派手にやらかすお話も面白いけど、こういうミニマルな人情噺の切れ味もある。
ルパン新シリーズ、とっても良いですね。