イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

影鰐 -KAGEWANI- 承:第8話『記憶』感想

人間の愚かしさが時代を飛び越え復讐に来る教訓譚、遂にKAGEWANI ZERO。
佐藤聡美声の萌え萌えヒロインであるナギの過去に、熟睡ヒーロー番場先生がダイブする話でした。
ここで掘り下げ話が来るってことは、ナギはガチで承のヒロインってことか……三日間番場先生が起きるの待ってた木村と、良い勝負だな……。

お話としては一期10話&11話を合わせたようなオリジン話で、呪術兵器影鰐の誕生と復讐者ナギの期限を語っていました。
ナギのおとんを地下送りにしたせいで蠱毒の壺に知性が入り、人間の欲望が悲劇を完成させる皮肉は、猿楽のバイオハザードと全く同じ構図ですな。
話の軸が木村 VS 本間に移りつつある中で、四度目の悲劇を回避するのか否かは気になるところです。
……まぁどう考えても、最強に強まった影鰐が大暴れして猿楽が炎上する未来しか見えないけども、光と影の中間点にいる木村がどう立ち回るかが注目ポイントよね。

ナギは番場先生と同じように、家族に命を救われ奇獣と因縁を持った過去ありつーのが解った。
番場は自分自身が影鰐と同一化したけど、ナギの場合は父親が影鰐になってしまい、母親がそれに殺されるというダークな経験を持つ。
家族の平穏を影鰐にぶっ壊されたという共通の原点から出発して、今いる場所は敵味方という対比はライバルらしくて良い。
ここで番場先生にナギの個人的情報を握らせたのは、復讐鬼と化した彼女の人間性回復イベントが待っているからだと思うけど……その前に起きなきゃな。
二期の先生は決める所は決める人なので、この後待ってるだろうナギイベントも格好良くこなしてくれると信じてます、ええ信じてます。

番場先生は傍観者の幽霊、ナギはアヴェンジャーと化す前なので、今回はメインの超人強度が低く、スプラッタホラーとして演出されていました。
現場を直接描かず、枚数も節約しつつ凄惨さを上げていく方法論は、いかにも影鰐だなぁと思う。
規制を回避する意味合いもあるんだろうけど、見せないことで想像力を上げていくスタイルは、ホラーやサスペンスのみならずスプラッタのジャンルでも有効だ。
恐怖も興奮も、見ている側の想像力を補助エンジンとして加速するわけだなぁ。

猿楽と二つの部族、番場先生とナギ、現在と過去を綺麗に対比させるオリジン話でした。
過去話の配置としては結構ベタなんだけど、そういう所をしっかり踏まえることで、物語の速度は確実にアガる。
ベタな速球をためらわず投げるが故に、色んな変化球でストライクが取れるという、影鰐の強さを確認する回でしたね。

来週は現代に戻ってようやく番場先生……かと思いきや、猿楽野望篇。
なまじっか強くなったばっかりに、ホラージャンルを維持するべく無双とか出来ない立場になった番場先生の受難はもう少し続きそうです。
このアニメ結構倫理観がしっかりしているので、番場先生がすっきり人間に戻ってエンド、つーことはなさそうだなぁ……それはそれで奥行きがあって好きな展開なんだけどね。