イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 16/09/04 AKG『黒き檻』

新作ラッシュの9月、初プレイとなったのはエースキラージーンでした。田中くんがオリジナルシナリオをやってくれたよ。

シナリオタイトル:黒き檻 システム:エースキラージーン GM:田中くん

新米くん:常磐槐:25歳女性:アーバンレンジャー:常磐巴 かつて凄腕のエースキラーだったが、エースとの激戦の果てに姉でもあるプロデューサーとエースキラー因子を失い、プロデューサーに転身した。今は姉の忘れ形見である巴の面倒を見つつ、取り戻せない後悔の居場所を探している。

コバヤシ:"方舟の鳩(アーク・アリストクラート)"蓼蔵みこ:13歳女性:コマンダー:マリー・マトルーム ミッション系の名門にて、敬虔で控えめな暮らしをしている少女。その実政財界に影響力を持つ名家の当主であり、聖書研究会を隠れ蓑にした学内カルトを運営するカリスマ。家族を奪ったエースを『悪魔』、それを打ち倒すエースキラーを『天使』と捉え、事件後のケアまで含めた対エース戦略を包括的に実行する司令塔。

つーわけで、ろくでもない世界で美少女にろくでもない殺しをさせるゲームを遊んできました。システムのベースはガーデンオーダーと共通でして、100%の個別技能型。全体的に数字の取り回しは結構面倒ですね、相変わらず。分割判定だのプラス修正だのが入り乱れ、そこら辺の処理にはやっぱ手間取る印象です。

シナリオの構造をシステムでサポートしているのは非常に良く、情報収集が数字的リソースに直結する所、突入作戦がマップ化されて手際よく、そしてイメージ豊かにプレイできるのは素晴らしい。シナリオ構造をシステムのデフォルトでマップ化し、取り回しとイメージ喚起力を両立させるのはここ最近のトレンドだよなぁ。

悪逆なエースの根城を時間制限を受けつつ突破してクライマックスに繋ぐアンチエースオペレーションは、取り回しが軽いのになんかミリタリっぽいことをやった気になれる、非常に良いシステムでした。抽象化の思い切りが良く、行動が結果に直結するのが手応えあって素晴らしい。

最初から少人数システムと見切って成立させているせいか、1PLが2キャラクターを受け持つ重た目のシステムでも、負担少なく遊ぶことが出来ました。エースキラーはややキャラが薄めで、エースに対する価値観つうキャラの根っこが見えづらいので、もうちょっと濃い目のアペンドがほしいですね。自作ルールなりエースキラー反応表なり。

戦闘バランスは当たるときゃ当たるデッドリーなバランスで、ろくでもない世界観を反映して、美少女が平田弘史漫画みたいな無残な姿になります。スクエアコンバットに『場外』の概念を加える事で、遠距離指揮や狙撃が手軽に処理できるシステムは非常に良いですね。

世界観は全体的にダークで重たく、非常にろくでもない。紙幅が限られいるせいもあって、いろいろ疑問が湧いてくる部分もありますが、そこら辺は今後のサポートを期待したいところです。『美少女だけを戦わせる必殺仕事人』という時点でかなりエグいんだけど、それに加えてエースに残ってる人間性とか、信奉者達が基本犠牲者であるところとか、色んな部分が苦いよね。そのビターテイストを積極的に楽しみつつ、あまり露悪的になり過ぎないようキャラやシナリオを仕上げると、みんなで楽しく遊べんじゃないかなと思いました。

参考資料にしようと七月鏡一の漫画を読み返した結果、毒をもって毒を制する苛烈な絶滅主義者のロリをやることになりましたが、適度に良い人で適度に狂人な、わりかしいいバランスでロールできた気がする。重たくて暗い話なんで、キャラにもある程度の毒があったほうが俺はロールしやすいなぁ……基本どんなシステムでも毒混ぜるけどさ僕は。

セッションは田中くんのどっしりとしたマスタリングと、安定感のあるシナリオに助けられ、非常に楽しく進みました。槐ともいろいろ掛け合いが出来て、少人数推奨システムの強みが生きた感じだったな。人数が多くて画面がうるさくなりがちな所を、『声援』をシステム化することでロールタイミングを縛り、コントロール可能にしているところは非常に上手いですね。

つうわけで、色々無骨なところもあるものの、魅力もたくさんあるシステムでした。荒や不足分は今後のサポートで補うことが出来ますが、コンセプトやシステムの根本的な魅力は跡付けできないものであり、『このシステムでしかできないこと』『このシステムだから感じるプレイフィール』をしっかり持った、楽しいシステムだと思います。

新しいシステムを初プレイしましたが、非常に楽しくロール・プレイし、シナリオを走り切ることが出来ました。同卓していただいた方、ありがとうございました。良いセッションだった。