うたプリを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
デュオエピソードも残り三回、今回は那月とナギのお話…と思っていたが、実質那月と砂月の話だった。
多重人格という那月のキャラ性に思い切って切り込んできたのは四期っぽいなぁと思うが、料理の仕方がそれでよかったのか、個人的には引っかかる点がいくつかある。
お話の大筋としては、トラウマからの自己防衛装置として捏造された砂月が、アイドル活動を通じて成熟した那月を認めて消えていく、親離れ/子離れの物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
分裂していた自我が統一され、『私は私』というセルフ・イメージを強化する『成長』のお話だといえる。
それ自体は分裂していたキャラがいつか通らなければいけない物語なのだが、これまで那月を守ってくれた砂月を『意固地で無理解で過保護な親』というポジションに置きすぎ、『融和する』のではなく『消える』という結末に見えてしまっているのは、砂月が好きな視聴者としては少しさみしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
無論、イメージの泉の中での対話シーンを見ても二人が『融和した』のは判るのだが、砂月が象徴していた攻撃的な防御能力が那月に宿った描写が薄いので、今回の話しが『那月/砂月を那月=砂月にする』というより、『那月という主人格に一本化する』話に見えてしまったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
二人の融合をもう少しぶっ刺さるイメージで叩きつけてくれれば、お話が目指しているところもすんなり飲み込めたと思うが、デュオノルマを果たす意味合いもあって物語の枠が窮屈で、那月と砂月の物語に一本化できなかったのが、どうにも惜しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
ナギが那月/砂月のシャドウとしてもう少し踏み込んだ役割を果たしたのなら、ナギに尺を回しつつ二人の融和に説得力を埋めたとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
しかし今回のナギは問題提起はするものの問題解決に直接はかかわらず、ともすれば『ただのイヤな奴』としか受け取れない立ち回りから脱却できていない。
今回のお話、那月の成長を認め暖かく包み込むスターリッシュの仲間だけでは絶対転がらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
ナギがハードにあたってくれればこそ、那月と砂月の間の乖離、成長した現在と砂月を生み出した過去とのギャップが顕在化し、そこを乗り越えることで砂月と那月が和解するのだから、ナギは大事だ。
そういう大事な仕事を担うからこそ、もっと露骨に点数を稼がせ、厳しくも優しいメンターとしてナギを使ってくれても、個人的な好みとしては良かったかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
これまでのヘヴンズと違い、一応描写の蓄積=動かせないキャラ性が既に存在しているため、あまり優しくはできなかった、ということかな
それにしたって、これまで『敵役』として流通していたイメージを少しはみ出す魅力を掘り出し、意外な一面で『結構好きになれるやつだな』と思わせるタイミングは、個別エピソードである今回しか無いだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
那月の話であると同時にナギの話でもある今回、あと一歩練ってくれてたら……と思ってしまう
ナギが机叩く刑事をやってくれている分、他メンバーはカツ丼出す刑事の役を存分に堪能できて、『みんな仲良し、暖かスターリッシュ』という空気はまぁまぁ出せていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
認め守ることだけが優しさではないという物語で、スタリがまさにそれだけの役割になってしまっていたのは、ちと不徹底とも思うが。
僕は一期六話で砂月が「なぜ偽りの歌を歌うッ!」と吠えた時、半笑いで見ていたうたプリに背筋を伸ばす気持ちが出来た視聴者だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
彼の荒々しい本気は、『歌』というこのアニメの根っこに激しくコネクトする、凄く強くて好きな表現だった。そんな彼の退場(?)が寂しいというのは、当然ある。
それを差っ引いても、看板として何がやりたいかはだいたい理解できる分、それを納得させるキャラの配置、仕事のさせ方にもう半歩踏み込んでくれていたら……と思ってしまうエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
やりたいことは判るが、実感を持って飲み込みきれない感じは、長期シリーズゆえの疲弊を強く感じさせた。
物語の燃料は、続けば必ず減少する。いつか見た物語は、初めてであった時の輝きを必ず失う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年11月13日
シリーズが長く続く幸運は、その法則とどう付き合っていくかという方法論と常に隣り合わせだと思う。うたプリアニメが物語のエントロピーとどう向き合うつもりなのか、それは常に物語の中にしか無いのだろう