3月のライオンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
先週緩急付いた前向きな話だったし、そろそろクリスマスだし、一発逃げ道のない重ッたい話でもぶっこんでやるかぁ!! というNHKの優しさが身に染みる回。
松永七段で油断させておいてコレというガードの揺さぶり方が、マジ殺しに来てる。
全身全霊を捧げ、将棋以外切り捨てた修羅になれたら楽なのは、零くんも香子も安井六段も幸田も皆同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
しかし家族と愛情の鎖は早々簡単に修羅になることを許してくれないし、修羅になったらなったで地獄が待っている。追い込んでも怠けても、三界まさに苦界なり。三姉妹が出ないと、そういうお話。
零くんは将棋で自分をくるまないと生きていけない子供であり、何もかも振り捨てて潜る生き方を幸か不幸か選択してしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
そういう目線から見れば、酒と暴力に逃げる幸田の生き方も、折れて嫌がらせばっかりしてくる香子の生き方も、大声で否定したくなる安らかな岸なのだろう。
とは言うものの、零くんは根本的に優しいので、姉の嫌がらせもクリスマスプレゼントという見えている地雷も、全部拾って受け止めてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
適当に距離を作って、適切に間合いを取ってという器用な生き方ができないからこそ、強くもあるししんどくもある。
安井さんは棋士をやるにはあまりに人間的な人で、帰り道でひょっこりと『お酒・おつまみ』の看板背負っている所とか、絶望的なダメっぷりがよく出ていた。対局で乱れていく様子を盆の上のペットボトルで見せるのも、なかなかに鋭い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
そして岩田のみっちゃん、三国一のクズ演技。グッド。
物語が始まる前、棋譜を静かに並べる音と、安井さんと別れた後だんだん早くなる靴音が零くんの心の乱れを上手く演出していたり、激情に流された後の公園の真っ赤な風景だったり、そこにたどり着くまでの黒い森だったり、今回はビジュアル面の演出が冴えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
だけに、BGMが強すぎたのが惜しい。
追っかけの演出という意味では、幸田家のしんどいクリスマスと、今現在のしんどいクリスマスがオーバーラップし、弱者を糾弾しつつ強くなりきれない零くんを強調する構成も、最高に性格悪い。(褒め言葉)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
幸田も相当な将棋修羅で、あそこであのプレゼントは確実に家庭壊れるだろオイ。
そんな複雑な家庭で愛憎入り混じりつつ育った零くんと香子は、今回もいい塩梅にアモラルだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
マフラー治してんだか首絞めてんだか、はたまたキスする直前なのか判別付かない対話シーンの緊張感とか、ホントアニメの香子はえっちで良い。零くんも香子好きすぎで良い。
シャガールのような青くて優しい夜もあれば、薄墨を血で染めたかのような攻撃的な夕暮れもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2016年12月18日
前回と合わせて見ることで、零くんを取り巻く複雑な世界が立体視出来る、キツくてよく出来たエピソードだったと思う。鋭い演出がよく刺さるんだが、シャフトらしい重さがちと出すぎな気もするね。