アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
S4戦に向けてS4のお値段を上げていく月間、今月はゆず…とその相棒、リリィ。
天才ゆえの孤独すら乗り越えてしまうゆずの天才性と、その輝きに弱さを見せるリリィの対比が鮮烈かつ明瞭。他キャラの使い方も手際よく横幅広く。論理性が光るスマートな回だった。
二年なのにS4なゆずは、才覚において作中トップに居る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
努力をしないわけではなく、努力を努力と思わないメンタリティと、己の感性への揺るぎのない信頼。
とにかく強いし、その強さがアイドルとして他人を巻き込み、楽しませる結果に繋がる。陰りや弱さが少ない彼女を『太陽』に例えるのは妙手だ
しかし一点の曇りもないからこそ、凡人たちはその眩しさに焼かれ、あるものは倒れ、あるものは陰る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
今回はゆずの強さだけではなく、一年にエースが配置されていない舞組の層の薄さ、幹部の情けなさ(&それでも頑張る健気さ)、天才のとなりで己の影を見つめ続けていたリリィの闇が色濃く出てくる。
リリィはぶっ飛んだキャラと太い自信、マイナスはありつつ結果は逃さない勝負強さで、これまで『強さ』が強調されてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
しかし今回、ゆずの光を浴びることで病身の後ろめたさ、才能が隣で輝き続けるがゆえの脆さが明らかになり、『弱さ』を手に入れた。陰影両面を描くことで、キャラは立体的になる
このようにゆずの光を中心において、それが生み出す影を描いた今回だが、影の中の光を忘れることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
舞組たちはなんとかゆずの輝きに追いつこうとあがき、リリィは迷いつつも、幼い頃からの約束と誓いを果たすべく、己を構成する氷が溶けても構わず、太陽に向かい合う。貧者達の意地が輝く。
ゆずの根本である光をかげらせることなく、周囲のリアクションを巧く配置し『光そのものが影でもある』状況を活写したのも、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
ゆずは孤独を恐れない。誰も自分に並び立てない状況を悲しまないし、疑問にも思わない。
恵まれすぎているが故に、全てを踏み倒して前に進める強さがある。
それはデーブ先生が心配したように欠落でもあるのだが、その孤独は周囲の凡人たちが勝手に嘆いているものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
ゆずは揺るがない。後ろを振り返らないし、横も見ない。まっすぐ進むことが道を作り、周囲が勝手に道を整えてくれる圧倒的な天才こそが、ゆずらしさだからだ。そこには哀しみと尊さがある。
そういう孤高を痛いほど理解した上で、リリィは前に進む。それは二海堂ゆずに向かい合うだけではなく、己の弱さ、過去、原始衝動に立ち向かう歩みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
剥き出しの愛と本能と向かい合うステージが、猛獣たちを模したものなのはある意味当然とも言える。そこを超えた先に、真実がある。
リリィにとってゆずが熱く、痛く、輝く太陽だったように、ゆずにとってもまた、リリィは太陽だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
そこに痛みはないかもしれない。ゆずは天才だからだ。彼女がリリィのように嘆かないことは、今回幾度も重ねて描写されている。天才と凡人は根本的に違う。少なくとも、二階堂ゆずだけは。
それでも、非対称系の歪んだ輝きだったとしても、二人の瞳には太陽が宿っていて、それだけがアイドルの高みまで二人を引っ張り上げたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
唯一の輝きに痛みを堪え向かい合うリリィにも、孤高であっても孤独ではなかったゆずにも、太陽が道を示してくれる。これまでも、これからも、ずっと。
幼馴染の濃厚な関係をしっかり整理し、陰影濃く描く今回であったが、二人だけで関係が閉じていないことはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
太陽の輝きを前に足踏みするリリィを先に進めたのは、小春の思い出と後悔を身に刻んだ凡人・ゆめへの共感である。彼女ッ面で肩を抱くローラの『理解るよ……全部』オーラが良い
あそこでゆめが言葉を見つけられないのは、凄くスターズっぽいなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
あまりに的確な言葉を即座に見つけ、スムーズにスマートに進めていった前作に比べると、ゆめたちは迷い戸惑い一歩ずつ、泥臭く進んでいる。それが『普通』なのであり、地続きのリアリズムを生む。少なくとも、今回は。
リリィの噛ませ犬的立ち位置になってしまいそうな舞組幹部たちも、ゆずの天才を敬愛するがゆえに必死で食らいつき、頭ごなしに飛び越えていったリリィの勇姿に己の未熟を恥じるいじましさも見せ、非常に良い扱いだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
舞組は年功序列と実力がねじれているので、そこにちゃんと取り組んだのは良い。
リリィの唯一性を担保するために、並び立てそうなメンバーに片っ端から予定を立てて、『そいつが表に出てこない理由』をしっかり付けていたのも、目端が利いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
ここら辺ちゃんと均してくれると、物語を見ていて首をひねることが少なく、すんなり飲み込めるので楽だ。あこは整理役頑張ってたな。
今回はコーデとかパフォーマンスとか、何がどうすごいのかかなりセリフで説明していたが、わざとらしさよりもわかり易さが前に出ていると感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
女と女の陰影がしっかり描けていて、エピソードの叙情性が高かったから、ロジカルな説明をすんなり飲み込めたってことだろうか。
凄みをあえて説明せず、豊かな想像の余地を残して投げるか、ロジカルな説明でラインを引いて枠内に収めるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
非常に難しい判断だと思うが、今回くらいゆずの天才性をしっかり捉えていると、補足説明が余計には聞こえず、凄みを補う感じで使えるのだろう。話の方向性と噛み合った、良い使い方だった。
こうしてアイドルの天井であるS4、最強の天才たるゆずの凄さ、そこに追いつこうともがくリリィの奮闘は、非常に明瞭に描かれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
前回に引き続き、S4の値段を巧く上げて、今後のS4戦の温度をしっかりあげる仕事をしたと思う。
このくらい戦略的な運びのほうが、僕は安心してみていられるようだ
そしてそういう見取り図の中での仕事で終わらず、先を行く者、追いかけるもの、見上げるもの、それぞれの心にしっかり分け入り、今を生きる少女たちの鼓動が伝わる物語だったことが、何よりも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月2日
ゆずもリリィも他の子達も、さらに好きになれる名エピソードだったと思います。素晴らしい。
以下、追記。