アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
第4の女、早乙女あこの勝負回。
これまであまり良いお話をもらえず、どういう女の子なのか見えなかったあこ。
S4戦に挑む直前、立て直すならギリギリのタイミングで、ホームラン級のエピソードが飛び込んできた。彼女らしさを活かして走りきる見事なエピソード。
あこはこれまで賑やかしというか潤滑剤というか、『ツンデレ』と『計算キャラ』『すばるきゅんLOVE』という記号を便利に使いすぎて、人間としてどういう生物なのかが見えない印象だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
劇場版では小春とコンビ打ちして良い存在感だったけども、その小春ももういないし。
そういう状況で選択されたのは、周囲の助けを描きつつも、あこが個人で悩み、選ぶソロの見せ場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
ここ最近はユニットやコンビ単位での話が多かったので、個人に深く切り込んでいく展開は新鮮でもある。色んな意味で、いいタイミングでドンピシャの球が来たと思う。
あこらしさを見せる今回はスターズらしい話でもあって、ファンの期待に答える小さなステージの精神性の尊さを理解しつつも、目の前のビッグチャンスに揺れもする展開。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
『普通』の人間の弱さと強さに焦点を合わせてきた、シリーズ全体の強さが巧く個別のキャラエピソードに乗っている感じだ。
あこはすばるきゅんに舞い上がり、チャンスに揺らぐ俗な部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
無条件の正しさを即座につかめない弱さを、すぐさま強くしてしまうのではなく、何度も弱さの中で悩ませながら正しい選択肢を選び取らせる(そしてもう一回、弱さがぶり返して悩む)展開は、あこに足らなかったキャラの体温を補った
ただ感情の揺れに翻弄されるだけではなくて、すばるのファンである自分自身を鑑みながら、目の前の小さなファンに報いるべく自分で決断するところが、『あこもまた、夢に向かって進む戦士なのだ』と実感できて、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
やっぱこういう至誠の姿勢は、ちゃんと受け取りたい。
ここまでディープに、あこらしさを切り取ることができたのは、サポートキャラとしても他者の出番を少なめに抑え、あくまであこが自分で悩む姿を真ん中に据えたバランスゆえだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
二人だからできることもあるし、一人だから見つかるものもある。両方大事だ、というのはリッチな結論であり描写だ。
無論、あこが孤独に弱かったり強かったりするだけでは、お話としても広がりがないし、何より寂しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
ゆめに子供たちにゆりちゃん先輩にM4の眼鏡…いや、かなたイケメン大先生と、勇気と知恵を与えてくれる他者との関わりをちゃんと描いたからこそ、あこの輝きはより強く見える。
サポーターとしてのゆめの健気なところを見せつつ、一旦決意を込めてあこから遠ざけさせ、下した判断に悩むあこの正しさを親友としてしっかり補助する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
これまで描写の濃かったゆめの資産を巧く活かす形で、主役と脇役両方が輝く運びを作ったのは、非常に上手かった。あそこでもう一回悩むの、良い。
プラスの方向から支えるゆめや子供たちに比べ、ゆりちゃんは『断るべき選択肢を押すことで話の振幅を作り、主役の決断をマイナス方向から後押しする』という結構難しいポジションから、良いトス上げていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
カウンターを当てることで、選び取った選択肢の値段をハッキリさせるのは好きな手管だな。
『勝負時、グリッターを掴めサクセス!』というアドバイスはともすれば俗っぽくなってしまうのだが、チュートリアルでコーデづくりのスペシャリストであることをキャラ性にし、デビュー以来凸凹道を歩んできたことも描写されてきたので、ゆりちゃんしか出来ない、彼女らしいアドバイスになっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
そして圧倒的な人間力であこを支えきった、かなたの存在感。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
アイドルの先達として、好意を寄せる男として、憎まれ口で適切な間合いを取りつつ最善手を撃ちまくり、現場を欠かさず目に焼き付ける男の勇姿は、あまりにも圧倒的だった。湘北戦の牧くらい、圧倒的に本物(唐突なSLAM DUNK比喩)
あこの孤独で、何にも結びつかなくて、だからこそ輝く決断を、かなたが見届けてくれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
それだけではなく、あこが一番喜び、一番届くだろうすばるとのラジオで『俺は見てるよ』というメッセージを投げかける奥ゆかしさが、あまりに健気だ。『俺が褒めても喜ばないからな』とか思ってんのか!
あこもかなたも、もしかしたら形にはならないかもしれない幽き願いを胸に秘めて、ひっそりと輝く星だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
それが二つあることで、テーマの響き合いが発生して、お話に奥行きが出たと思う。主星たるあこの輝きに奥行きがあるなら、それは伴星たるかなたの立ち回りから生まれているのだろう。
この健気な正しさを抱えたまま、あこS4戦トップバッターとしてステージに立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
物質化された選ばれた者の証がない状態での勝負をどう落とすかは、今回見せた尊さを作品がどう扱うのかと、直接結びつく。かなり扱いが難しい勝負になると思うが、巧く運んでほしいものだ。
それにしたって、『特別なグリードアップグリッター』は何度もいうには長過ぎる言葉で、なんか特別な呼び名付けても良かったん違うかなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月23日
『あの力』もそうだが、スターズは簡勁に重要アイテムをネーミングすることは、あんましないねぇ。わかりやすく言語化されるのって大事だと思うけど。
さておき、あこもまた主役として作品を背負うに足りる、弱さと強さ、熱さと尊さを兼ね備えたキャラなのだと判る、見事な主役回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月24日
スターズ後半戦は『ギリギリだが、なんとか武器が揃った!』と思えるエピソードが並んで、S4戦への温度がちゃんと上がっている感じがする。どうなるか楽しみだ。