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イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第136話『3年目のテッパン』感想

最後の戦場を前に、少女たちは友情を語る。
プリパラ第136話は非常に穏やかな、これまでの六人を振り返るお話となりました。
第132話からぶっ続けて戦ってきた物語を、(それこそ冒頭のらぁらが言うように)一息つかせる意味合いもあるし、過去を振り返り関係性を再確認することで次回への期待を高める効果もあるでしょう。
ここで一拍置けるシリーズ構成の豊かさを強く感じるし、そういう話を決戦の前にちゃんと挟める三年間の積み重ねも確認できる。
勝負を前に、カウントを整える丁寧な球がミットに収まった印象です。

今回のお話は一対一の関係性を3つ(マネジまで含めれば4つ)作って、対話の中で過去を振り返り、未来を思う構成になっています。
いきなり六人全員集まると結構ワチャワチャになるし、対面で語り合うことでディープな話もできるしで、良い構図だと思います。
2×3で終わらせずに、お好み焼きパーティーという『場』に六人がまとまるよう、早い段階で導線引いているところも見事。

そういう構図に助けられながら、ドロシーとらぁら、みれぃとシオン、そふぃとレオナがお互い闘志をぶつけ合う……というには、ちょっと穏やかな話。
いざ決戦が始まってしまうと『トモダチ』より『ライバル』を強調しなきゃいけなくなるだろうし、三年間『トモダチ』であり続けた彼女たち(そして彼女たちを見守ってきた僕ら)には、振り返りたい名シーンがたくさんあります。
半分総集編にすることで、カロリー控えめにも出来るしな!
こういう計算をしっかりやりつつ、物語の食べごたえは一切かさが減っていないのは流石だと思います。


個別の組み合わせを見ていきますと、まずはらぁドロ。
普段の毒舌を一時的にデトックスし、良い話の邪魔をしないよう調整を施してあるのは第87話におけるあじみとおなじですが、キレイになりつついつものクソガキっぷりもちゃんと残っていて、ドロシーらしいブレーキのかけ方だったと思います。
らぁらを前にするとドロシーはとたんにお姉ちゃんっぽくなって、でも気の置けない仲間同士でもあってと、肩の力の抜けた良い関係が二人の魅力。
そこを強調してくれる、いい組み合わせでした。

そしてシオみれ。
三期でも屈指の傑作、第110話『水泳大会ぷり!イゴ!』の伏線を最大限活かして、出会いからのライバル関係をしっかり掘り下げる描写でした。
らぁドロの気さくな感じとも、そふぃレオのふわっとした心地よさとも違った、ちょっとバチバチぶつかり合って、だからこそお互いリスペクトしあっている同い年のライバル。
爽やかさに少しだけウェットな感じが詰まっている二人の距離感がうまく描かれていて、好きな描写でしたね。

そふぃレオがプリパラの外側で出会うのも、リアルワールドの虚弱な身体と三年間向き合ってきたそふぃをリスペクトした運び方で、とても良かったです。
先週あたりからバイオレンスそふぃの可愛らしさが限界を突破していて、へにゃへにゃな声で「ぶっとばぁすぞ~!」と闘志を燃やす姿が、非常に良い。
それは似合わないからこそ可愛い光景ではあるんだけど、彼女が今持っていて、過去培ってきた闘志というのは本物です。
似たもの同士だからこそ馬が合うレオナと、笑顔で可愛く拳を突き上げ合う光景は、そふぃが代表する『本気』をしっかり拾い上げた、素晴らしい描写でした。

全ての組み合わせがそうなんですが、今回の話は過去資産を有効活用して、『これから戦う女の子たちは、一体どういう感情を共有して、何に立ち向かってきたのか』を的確に回想していきます。
これをやることで、『ああ、たしかにそういう大事なことがあった』と思い出させ、次回行われる勝負に少女たちが何を賭けるのか、その重さを再確認させる意味があります。
この他イミングで三年間の積み重ねをちゃんと確認することで、戦いが秘めているポテンシャルを最大限に引き出し、盛り上がりとテーマ性を高めてくれるのは、非常に大事なことですね。

あと、三年頑張ってドタバタ場を盛り上げ、女の子たちを見守ってくれたマスコットにもちゃんと尺を回して、道化なりの決意と覚悟を楽しく見せてくれたのも、非常に良かった。
あいつらがアホバカをしっかりやって来れなきゃ、逃しきれなかった重たい空気ってのはたくさんあったし、暴走する時もありつつ、アイドルたちを見守り導いてくれたマスコット同士の友情をちゃんと描いてくれたことには、自分たちが積み上げたものへの敬意を感じます。
いい話とアホバカがラッシュを仕掛けつつ、最後は腹殴り合って『らしく』終わる塩梅の付け方も、俺好き。


そして六人での会食になるわけですが、そふぃとシオン、ひびきに見出された天才二人をしっかり会話させて、掘りきれなかった伏線を回収しにかかったのは良かったです。
二人の天才のすれ違いも、二期の他の要素のように魅力を感じさせながら掘りきれなかった要素だったと思うので、ここでコンパクトながらちゃんと会話で取り上げ、あの時何を考えていたのか語らせたのは、二期の語り直しという側面もある三期らしい運びでした。
メインの組み合わせ以外にも、こういう美味しい交流があって、それを振り返るタイミングもちゃんと合ってってのは、三年やってきた故の強さだなと思う。

六人ステージへの展開の作り方も好きで、いつも先頭を切って正しいことをしてきたらぁらが、『ライバル』であり『トモダチ』でもある六人の思い出の曲を、今だからこそやろう! と言い出す流れが素晴らしかった。
この積極性と迷いのなさををエンジンにしてプリパラは進んできたわけで、回想シーンじゃないのに『ああ、こういうことがあった』と噛みしめることが出来ました。
ホント、アイドルタイムを前にすべての燃料を一旦使い切る勢いで、的確に燃やしてきてるな……。

らぁら絡みでいうと、のんちゃんが『姉が好きすぎて姉より姉のことを知り尽くしてるガール』の本領を発揮して良いこという(そして、らぁらが真顔で膝カックンする)展開も、『ああ、こういうことがあった』でした。
一期でファルルと会話してた頃から、のんちゃんはずっとそういう女の子で、早く走れるがゆえに足元がお留守な姉の、ロジックの部分をよく補ってくれたなぁ。
メイン六人だけではなく、大事な助演女優にもしっかり見せ場を用意して、感慨を深めてくれるのはありがたい。

全体的に過去への述懐にあふれているエピソードなんですが、掃除をし続けるジュリィとジャニスの会話は、未だ定かならぬ未来に向けて投射されていました。
『天界にもホコリは貯まるのねぇ』という台詞は天人五衰の運命を思わざるをえないものですが、それを避けるために決戦に赴き、今を精一杯楽しむらぁらの姿も切り取られていたので、良い結果がかならず来ると信じています。
ジャニスの『ママってどんな存在ですか? 私はずっと大人だったから、教えてください』というトス上げが完璧すぎて、神のまま死のうとしているジュリィの柔らかい部分をさらけ出さざるをえない、見事な水の向け方でした。
感極まったジュリィ表情をカメラが切り取らず、ジャニスも追いかけない節度が好き。


というわけで、気のいい友達とぶらぶら歩いて、ご飯食べて、一緒にステージするだけの話でした。
しかし、三年分の物語が一つを終わりを迎えようとする今、感情と状況を整理するためには絶対に必要な話でもある。
この穏やかな話がズパッと刺さるのも、第130話でトーメント全体のモチベーションを確認・統一仕切った手際あってのことだなぁ……終盤戦で話数に余裕があるのは大事だし、強い。

『トモダチ』として三年間積み上げてきたものは、今回見事に確認仕切りました。
最終決戦後半戦になる来週は、『ライバル』としての六人が見事に輝き、物語が一つの階段を上るでしょう。
期待に答え、予測を上回るだろう来週のお話、非常に楽しみです。