読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第137話『決戦!神アイドル』感想

神への挑戦権をかけたアイドル頂上決戦もついに最終戦、プリパラ137話です。
先週じっくりと『トモダチ』の部分を振り返り、『アイドル』としての高みを比べ合う……と言うよりは、三年間積み上げ横に広げてきた世界全部を振り返るような、ゆったりとした最終決戦でした。
第135話に感じた圧倒的なロジックの積み重ね、勝敗と自己実現がバチバチ火花を散らす圧力はありませんでしたが、それを放棄したことで逆に六人がたどり着いた穏やかな境地を感じられる、結構面白いクライマックスになったと思います。

神アイドルGPに入ってからのプリパラは、『これまでやってきたこと』を確認する話と、『これまでやってこれなかったこと』を付け足していく話に分かれてきた気がします。
先述した第135話や第133話あたりはひびきというキャラクターで掘りきれなかった部分を、ラストチャンスでしっかり拾い切り、最後の最後で新しい可能性を見せてくれた、『動』のお話でした。
逆に第132話や第134話あたりは敗者となるユニット最後の見せ場として、これまで積み上げてきたものを確認し、あえて新しいことをやらずに『らしく』〆るという、『静』のお話だったと思います。
(積み上げてきたものに自覚的だからこそ、そこに足らないものがハッキリと見えるわけだし、これまで積み上げてきたものを使っていたとしても、そこで見せた輝きは新しい風を宿していたわけで、『動』と『静』は対立するものではないですが、『どっちかと言えば』という傾向はあると思います)

そういう目線で見ると、プリパラの真ん中で頑張ってきたi☆Risに報いるように二話使った今回の決戦は、時間的にもドラマの作り方的にも、余裕を感じさせる『静』のお話でした。
たくさんのキャラクターと触れ合い、世界中に広がったプリパラを確認させるように、馴染みの顔、懐かしい顔、見たことのない顔(そふぃママとか。濃口だったなぁ……)をじっくり映していく、今回のお話。
ソラミとドレパ個人の話は先週じっくり取り回したので、2ユニットの対決を通して、プリパラという世界の広さをじっくり再確認するような作りでした。

顔も名前も持たない『みんな』がここで真ん中に来るのは、『みんなトモダチ、みんなアイドル』を是としてきたプリパラらしい集大成だと思います。
メインステージは名前のあるキャラクターのもので、バーチャルな楽園には(基本)女の子しか入れないけど、老若男女、国籍人種関係なくアイドルを応援し、『みんな』になる。
そういうスケールが大きく平等な視野がプリパラには常に備わっていて、欠点ひっくるめて少女たちの個性がぶつかり合い、激しく燃え上がる個人の感情にクローズアップしていても風通しが良かったのは、それが理由だった気がします。
なので今回、とにかく観客席のリアクションを横に広げまくり、色んな人の『いいね』を集めていたのは、凄く良かった。(無論、プリズムシリーズらしい荒唐無稽な言いっ放し力でスケールを膨らませ、最終決戦に勢いをつける意味も大きいでしょうけど)


『横』の広さに重点した話だったので、『縦』への掘り下げはやや弱かった印象もありますが、そこら辺は先週たっっっぷりとやったし、第135話の深度がとんでもないことにもなったので、問題ないかな。
未熟で等身大な自分自身のまま、『神』の高みへと登ってしまったソラミスマイルも、ロックンローラーという原点に立ち返ってシオンを立てつつステージやりきったドレッシングパフェも、非常に『らしい』ステージングだったと思います。
両者とも思い出のアルバムを広げるメイキングドラマを選択し、三年分の時間という『奥行き』を勝負の最後に持ってきたのは、最終決戦っぽかったなぁ。

判定のシーケンスにあれだけ時間使ったのは、負けるドレシの株を下げすぎないためのクッションなんでしょうけども、個人的には選曲でソラミの勝ちだったかな、と思います。
『神アイドル』という物語上の頂点に指をかけたこの瞬間ですら、"完璧じゃないけどね 完璧目指す"と歌えるのは、『神』ならざる人間のあがきを愛情込めて見守ってきたこのアニメに相応しいチョイスでした。(ジュルルを見るだに、『神』すらも間違えるし悩むわけで)
ハングリーさともちょっと違う、幸せに満たされつつも向上したいと願う気持ちはアイドルみんなが持っている気持ちで、それをよりストレートに表現できる曲を武器庫に持ってた分が、三ミリの差なのかなぁ、などと思った。
"CHANGE! MY WORLD"もおんなじ気持ちを歌っている、とても良い曲なんだけどなぁ……なんか切れ味が違う気がするのだから、不思議なものだ。

今回の話はなんというか、『やるべきこと』を非常に順当にやった結果、サプライズのない穏やかなエピソードになったと思います。
それでも食い足りなさどころか、『あんなこともあった、ああいう人もいた』という思い出が僕の中にあふれてくるのは、やっぱ三年間という時間の強みであり、漫然と時間を垂れ流しにせず、テーマ性を濃厚に背負ってシリーズを回してきた帰結でもある。
そういうものを一番代表して、アイドルのてっぺんまで駆け上がった六人がどっしりステージを回す余裕があったのは、シリーズ全体が一つの終わりを迎えようとしているこのタイミングで、凄く良いことだと感じました。
『語るべきことは語ってあるんだから、それを再確認すればいい。余韻は視聴者が膨らませてくれる』という自信と信頼のある話だと思いました。


そういう風に順当に進めておいて、ラスボス戦はしっかりサプライズでぶっ込んでくるのがプリパラだとは思いますが。
やられてみると盤上この一手で、『神殺し』以上に『神』の資格として相応しい偉業もないわけですが、巧くそういう気配を消して進めて、驚きと納得を同居させてきたな。
神GPの過程で『トモダチ』であると同時に『ライバル』でもある関係性の良さをたっぷり確認したので、ジュリィと競い合うことで手に入るモノへの期待感も、ちゃんと高まっているし。

プリパラグナロク(勝手に命名)はツンデレ女神・ジャニスのデビュー戦にもなるので、その仕上がりも気になるところです。
ジャニスは『アイドルなんてくだらない。個性に意味なんてない』という立場にしがみつき、主役たちにカウンターを当てることでその主張を輝かせる敵役という、いい仕事をしてくれました。
彼女がガミガミやりつつ、可愛げや人情味がある部分を程よく見せ、主張と一緒に頑なな心も変化していく様子は、とても楽しかった。
ノンシュガーが三期後半を引っ張れたのも、ジャニスがいい塩梅にツンデレしてくれたおかげだと思うわけで、彼女の到達点になるだろう『アイドル・ジャニス』のデビューライブは、非常に楽しみです。
三期は時間配分をよく計算し、尺に余裕があるおかげか、物語進行に寄与したキャラクターに報いる見せ場がちゃんと用意されているのが、とてもありがたい。

らぁら達は神アイドルになることそれ自体が目的ではなく、神の領域にたどり着くことで起きる(かもしれない)奇跡でジュルルを救うために、神GPを戦ってきました。
その戦いは過程であると同時に、一戦一戦がこれまでのアイドルたちを映す総決算の場であり、プリパラというお話が何を描いてきたのか、何が足らなかったかを確認するクライマックスでもありました。
目的と手段が幸せな共犯関係を紡いできたトーナメントも、来週エクストラステージ。
どういう風に描くのか、そして奇跡のその先をどう見せてくるのか、非常に楽しみです。