カードキャプターさくら クリアカード編を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
香港より嵐来るッ! アニメ史に残る大成功アニオリキャラ、メイリンちゃんを招いてのガールズトーク回。
クリアカード編初の『カードを捕獲しない回』であるが、メイリン独自の立ち位置とキャラ性がお話を駆動させて、緩やかな満足感があった。
というわけで、OP/EDも切り替わっての後半クールである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
全22話なので、後8話しかないのか…終わりを見据えると寂しくもあり、先が楽しくもあり。
さておき、OPは『薔薇迷宮のアリス』というモチーフが全面に出されて、綺麗で不穏でなかなか素敵であった。
EDもケモナー歓喜のケロスピいちゃこらであり、本編でもケロちゃんいい感じのマスコットしていて、カワイイ多重摂取で中毒なりそうだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
モモちゃんが本格始動するのは次回以降かなぁ…素直になれないボーイ達をアシストする姉さんって感じで、貫禄あったなEDで。
…OPもEDもワルキューレかそういや
秋穂の持つ『時計の国のアリス』がクリアカード事変とシンクロしていることが今回明示されたが、眠りと物語、白兎に時計と、”不思議の国”ベースで事件が進行しているのは間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
男衆が軒並み真相を察しつつ隠しているので、なかなか全体像が明らかにならないのは歯がゆいところだ。
今回はメイリンちゃんを切り込み隊長に、待たされる側の表情を切り取っていく回。知世ちゃんは超絶スペックと仕上がった人格が邪魔をして、さくらの家に上がり込む感じではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
ので、元気で賢く優しいメイリンが、さくらのプライベートを共有する立場になるのは適材適所といえよう。
つうかまぁメイリンは、アニメでアクティブに話を回転させ、事件を起こす上で非常に有用なキャラとして製造されておるわけで、すっと懐に入って本音を聞き出し、体重を預けさせる今回の仕事は、本領発揮ともいえるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
お話を引っ張る最大のエンジン『主役の気持ち』を言語化する壁役、けっこう大変ね
こう書くとなんか大仰な感じだが、あくまで物語自体は静かな滑り出しというか、穏やかな日常の延長線上にある。カードも出てこないし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
ライトを強く当て、細い線でキャラを描く筆致がなんだか独特で、清潔感と浮遊感が同居していた。目が醒めてるのに夢の中っぽい絵作りだったなぁ。
クリアカード編はかなり日常描写、そこに流れる独特のテンポを重視し『日常系』として描いていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
ハイクオリティで思いやりに満ちた、柔らかく流れる日々。春という季節に相応しい、棘のない時間の触感。当たり前の幸福。そういうものを大事に大事に積んで、さくらの日常に分け入っていく。
今回も餃子作りが非常に細やかに描かれていて、身を養う『食』のクオリティで、キャラを取り巻く世界の暖かさ、栄養価の高さを確認する文法を、しっかり継承していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
小学生時代もそうだったが、CCさくらはメシのシーン大事に積むよねぇ…コミュニケーションツールとして巧く使っている印象。
今回は餃子を『食べる』シーンより『一緒に作る』シーンが長く取られている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
元恋敵、さくらの魔術師としての事情もしっかり知ってるメイリン相手に、小狼や事件のことを吐き出し、自分と視聴者に向かって整理し、今後の希望をまとめていくエピソード。
重視されるのは肉体ではなく精神の栄養補給だ。
それは『話す』ことで成し遂げられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
構えず、濡れ髪を無防備に預けられる相手に、気持ちを見せること。自分が把握している世界をどうしたいか、語りながら確認していくこと。
これは物語の全体像をシェイプしていくし、さくら自身の認識も整理していく。
そういう『壁役』の重要性をしっかり認識して、メイリンちゃんは程よくはしゃぎ、適切に礼を尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
藤孝さんとの会話シーンで、しっかり背筋を伸ばした対応ができていたのは、クリアカード編らしい描写だった。
騒がしかった少年期はだんだん遠くなり、みな礼節を知る『良い大人』に近づいてきている
恋、未来、成長。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
このアニメが大事なものを語る口調はあくまで穏やかで、全ては日常と混じり合いながら存在している。
食べて、話して、笑う。積み上げた日常の中の実感だけが、強い光に意味を与える。そういう信念が、このアニメの日常描写にはみっしり詰まってる感じがする。
しかし語法自体は穏やかで、そのまま流すと場面が静かになりすぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
ところどころ凄いピーキーな絵を持ってきて、視覚方面から揺すぶってくるのも、クリアカード編の面白いところである。
いわゆる『日常モノ』だとあんま見ないような、バロックな画角や構図がひょいと顔出すのよね。そこが面白い。
例えばカメラを横に据えつつ、キャラクターを遮るようにモノを置いたり。二重の縁取り線で男衆を切り取ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
すごくクセの強い絵をすっと差し込むことが、魔術と日常の入り混じった作品世界の空気を、色濃く立ち上がらせている印象がある。
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そういうアクセントがあればこそ、ゆったりとした日常の豊かさ、言葉を受け取ってくれる相手がいる喜びを素直に飲み込めもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
すごく素直なものを作るために、様々な技芸と考えを動員してアニメ作ってる感じで、俺やっぱこのアニメ好きだな。(使える武器フル動員なのは、どの創作物も同じだが)
さて、さくらはメイリンを、桃矢はユエを壁役にそれぞれの心情を語るが、開示される情報と心には温度差がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
どーも桃矢くんはさくらほど素直には、魔術的非日常に心開いていない感じあるな。妹に悪態ついてからかって、まったりバイトできる時間が好きなんだろうな。だから、壊れるのが怖い。
非日常の持つ危うさを、冒険として楽しめる心持ち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
それは『子供』の特権で、よくも悪くも全体像が見えてしまう『大人』は安全距離を保ってしまう、ということかもしれん。
全体的にしっかりしてきてるけど、まだまださくらちゃん怪獣力高いからなぁ…背びれも光るし。
桃矢くんが秘匿することで守ろうとするものを、さくらは当事者として切り込んでいくことで解決していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
主役と保護者、妹と兄。それぞれの立場の違いが、真実や魔術とどう向き合うかの変化を生む。それを見せる触媒として、今回のユエとメイリンはいい仕事をしていた。
男たちが愛ゆえに隠すものを、少女がどう見るか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
明瞭に自分の意志を保って事件に飛び込むさくらと、物語の微睡みの中で全体像を把握できない秋穂。よく似た二人の立場も、微妙に食い違っている。
これが噛み合ったとき、事変は真相へ至り解決されるのだろう。
その為の事前準備として、少女の心、それを取り巻く人々との現状を、柔らかにスケッチする回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日
そんなハードコアな事件を起こさない正統派魔法少女物語であることが、じっくりキャラの気持ちに分け入り、世界を描画するきめ細かさに繋がっていて、ゆったりした気分で見れますね。
あんまりまったりし過ぎて眠ってしまわぬよう、適度に揺らしてくる心配りもあって。猫耳幻影の謎は次回に持ち越しですが、さてはてどうなるか。第2クール目のクリアカード編も、非常に楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月9日