ひそねとまそたんを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
嵐は外からやって来る。
三白眼の視線恐怖症! ゆるふわな外見をしたどう見ても元ヤン! 意識高い系を気取る限界女!!
これに口から暴力を無意識に吐き出すクソアマが合わさって、我々Dパイです!!!!! というお話。
というわけで、EDでゴキゲンに踊り狂ってた愉快な仲間たちが、ドシドシ舞台に上がる第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
想定二割増しで限界人間力が強く、選りすぐりのクズ人間を一箇所に寄せ集める流れ…ではあるんだが、相変わらず変に喉越しが良い。ひそねの正論も、クズに飛ぶと時に気持ちがいいな…。
今回は『Dパイ全員、問題大いにアリ!』という部分を見せる話なので、ストレスはドコドコ貯まる。ここで溜め込んだ貯金を切り崩していくことで、今後の話が進むのだから、大いに貯めればいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
欠点が見えやすいということは、解決策も見えやすい。話とキャラが、素直にそれに乗るかは別として。
みんな問題アリアリだが、わかり易く爆弾担当したのは築上から飛来した核弾頭、星野絵瑠。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
過剰な真面目さで他人も自分も雁字搦めに縛り付ける、面倒くせー女だった。『戦闘機乗りかく在るべし』というイメージが強すぎて、自分も同僚もドラゴンも、ありのまま見れない感じ。
星野の頑なさには一理あって、自衛隊が運用している以上Dパイは空軍人、ドラゴンは戦闘兵器である。そこには規律と実力が求められ、必要な時に必要な運用が果たされるよう、マシーンの如き自律が大事になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
しかし、ドラゴンも人間も感情のない心ではない。ロジックだけじゃ、何も動かない。
星野が抱え込んでいる『機械の如き戦闘組織』『その一員たる自分とドラゴン』というイメージは、生物としてのF-2、生き物としての自分自身を大事に扱えない振る舞いに直結してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
過剰に攻撃的なのに、上手く飛べない。ドラゴンは常に、Dパイを写す鏡である。
僕はこのアニメの、ドラゴンを動物としてちゃんと見ているところが好きなので、星野の情のない対応はとても悲しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
しかしそういう視野の狭さは、星野自身にも及んでいて、自分が何をしたいのか、何をするべきなのかはさっぱり見えない。確信がないから、状況の圧力が高まると即座にテンパる。
そういう視野の狭さは、TACネームの捉え方にも現れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
星野は『ペンギン』を、勇気を持って危険に飛び込む『ファーストペンギン』だと捉えたがっている。しかし実際のところ、『ファーストペンギン』は生存の圧力に押されて、冷たい海に突き落とされる生贄の側面も持っている。
そもそも『ペンギン』は、鳥類でありながら飛ぶことが出来ない、本来の仕事を果たせない生き物でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
それでも必死に、ペンギンなりに海を泳ぐんだと開き直る所まで行けばいいが、星野は飛べない自分を肯定も出来ず、有りもしない翼に相棒を推し固めて、無言で我慢させている。結果暴走もする。
F-2をガチガチに固める外装は、星野自身を押し固めているイメージそのものだ。人間らしい名前も自分で選択できず、他人に与えることも出来ず、高い意識がブースターではなく檻になってしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
その血まみれの奮闘は、なんとも痛ましい。あと見ててイラつく。このアニメのキャラ全部そうだけど。
F-2に名前を与え、ドラゴンとしての素肌を開放させ、自由に飛ばせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
なかなか正解にたどり着けない根性曲がりが勢揃いしてるこのアニメでは、そういう望ましい結論はなかなか遠い。
しかしなんとかそこにたどり着かないと、星野もドラゴンも可哀想だ。F-2くんは忠義者やで…。
ドラゴンという異物、人間という異物を鏡にして、根性曲がり共がちっとはマシな自分に辿り着く迷路を追うのが、このアニメの軸足なのかもなぁと、五話にして思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
Dパイとドラゴンが鏡写しになってる構図が、数が増えたことでより鮮明になった気がする。DパイとDパイも。
操縦資格は『根性曲がりの処女』なんじゃと思うくらい、軒並み地獄絵図なメンバー。初顔合わせはなかなか最悪に終わったが、さてこっからどうなるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
主人公も…というかひそねこそが最強の根性ドブゲロ人間なので、やるせなさの逃しどころがあんまねぇんだよな…名緒くらい?
ひそねは露骨”CanCam”パロディな雑誌を鵜呑みにして、『共感力』で状況を渡ろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
しかし借り物のツールでどうにかなるほど、人間と人間の間合いは甘くはなく、そもそもひそねの魂自体が根っこからネジ曲がっている。最悪の鸚鵡返しが事態をどんどん悪化させ、地獄が加速する。
ひそねは最悪な自分の説明書、世界や他人とのアダプターを自分で開発していくしかない。こんだけクセの強い、ノーマルから外れちゃった人格してるんだから、飛び方はマニュアル化ではなく独自開発になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
ここら辺の異物性が、自衛隊内部でのOTF運用と重なってるのはとても好き。
甘粕ひそね運用マニュアルは、おそらくアニメ全体を通して開発していくものだろう。そう覚悟するくらい、ひそねの空気読めなさ、優しくなさは致命的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
今回ラストで、その最悪さをようやく自覚した…のかなぁ。マジレスをブスブス差し込む凶悪さ、ほんとヒドい(褒め言葉)
それをノホホンとした反応でひそねに教えたのが、情報戦を主戦場とするE-2Cのパイロット・絹番莉々子なのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
レドームの影に隠れてはいるが、莉々子は情報や感情を見る『目』に優れていて、それがひそねに己の最悪さを教えるわけだ。やっぱり、ドラゴンはDパイの鏡である。
レドームが三度笠っぽくなるあけみ君のデザインはマジ最高で、ニヒルな外見も超キュートで素晴らしい。フトモモCHANGのやんちゃな顔立ちもグッドナイスだし、ドラゴン君達はやっぱり最高に可愛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
だから上手く労って欲しいわけだが、自分をうまく見つけられないDパイに、そういう余裕はあんまない。
ドラゴン機械主義者の星野に対置されているのは、ゆるふわヤンキー日登美真弓さん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
ゆったりしたキャラかぶりつつ、煮えたぎる感情と暴力性が、手羽先とアロマに襲いかかる!
小林寛コンテは、鮮明なカット作るの巧いねやっぱ。
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フトモモは大きな体をした輸送機…を装いつつ、その中身にはみっしり肉が詰まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
彼もまた、外見と中身が食い違っている『ペンギン』の一人であり、その相棒である真弓もまた、ホワッとした外見と匂い立つ暴力性の間に、大きなギャップがある。
兵器と動物。ドラゴンが抱え込む矛盾のうち、『動物』に共感しているのが真弓で、『兵器』として扱っているのが星野という感じか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
ここまで三話、まそたんの動物的可愛らしさ、一生物として生きている尊厳を見せられているので、視聴者(というか僕)としては真弓に共感してしまう。
しかしドラゴンが『兵器』でもあるのは事実で、今後物語が呑気な表情を投げ捨てた時に、そういう責務が前に出てくる展開はありそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
その時、真弓が持つ『動物』への過剰な共感は爆弾になるかもしれない。傷つくことだけに拘泥していたら、兵士の任務は達成できないのだ。
ここでもドラゴンとDパイの照応関係は生きていて、くっそ面倒くさい人格と個性を持った兵士たちは、有事においては戦闘機械を構成する一パーツとして、有用に機能しなければならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
今回見せたような噛み合わなさを戦場で見せれば、生まれるのは仲間と自分、守るべき国民の死である。
感情無き機械と、感情に溢れすぎた動物。その矛盾を乗り越え、あるいは開き直り、お互いの良い部分を混ぜ合わせていくことが、Dパイとドラゴン、一個人と組織を巡る物語の、大きなシャフトになる…んじゃないかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
パーツを素直に読むとそういう配置なんだが、素直に走らなそうなクセも見えてねぇ…。
その読み切れなさが面白いアニメでもあるので、『機械をまとった生物』としてのドラゴンは、今後も良き隣人として、同時に不穏なる異物として、丁寧に描いていって欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
その姿はファンタジックな幻獣なんだが、同時にすごくありふれた人間像でもあると思うし。
しかしまぁ、自分ではなくフトモモのために涙を流せる真弓の情には、やっぱり肩入してしまう。限界人間ばっか集まっているので、何らか出口になりそうな要素があると、ホッとすんのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
涙に先行してアロマを落とす絵の作り、本当グッド
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基本問題しかない凸凹人間どもを、Dパイでくくって一つにまとめる。地獄みたいな状況をスケッチする回であったが、そっから何らか変化があるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
自分が最悪であることに、E-2Cあけみの分析で気づけたひそねは、自分なりの取扱説明書を確保できるのか。
期待と不安が入り交じる、良い新章開幕でした
クロスレンジでDパイを切り取るカメラも熱量があったが、遠景から状況をスケッチする筆も冴えていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
パーシモンと司令が話すシーンのビッとした構図、本当に良い。旗を使って柔らかく縦線を入れるセンスに惚れ惚れ。
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尖った個性を盲目にぶつけ合い、加熱していくDパイ。それを承知であえて同じ籠に入れる司令と教官。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
立ち位置の遠近法は更に引いていって、OTF問題全体を管轄する事務次官の鵜飼い船まで視野に収める。謎まみれのドラゴン運用、その水源地といったところか。
飲み込み、吐き出す。鵜飼の『鵜』が、鳥類の特徴を大きく持った『ドラゴン』の暗喩であるのは、おそらく間違いがないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
岐阜に集ったドラゴンは四匹、川面に浮かぶ鵜飼い船も四隻。薄暗い闇の中で、妖しく篝火に照らされる。
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Dパイは鵜飼なのか、飲み込まれる魚なのか。ドラゴンを運用し達成したい目標…『魚』はなにか。なかなか色んなものを読ませるシーンだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
とりあえずの眼目は、幾度も繰り返し強調される『Dパイの資格』か。ドラゴンが飲み込みたくなる巫女は、一体どんな共通項を持つのか?
それはあまりにもバランバランなDパイ達が、お互いを、そしてノーマルにはなれない歪な自分自身を受け入れ、なんらか安定した自己像を手に入れるときの眼目にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
どっかで似てる部分を見つけないと、ずっとバラバラなまんまなわけで。
名緒相手、あるいはまそたん相手にひそねが確認した、バラバラだけどもどっかで近づける引っかかり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
そこにもやいを結わって、お互いの船を近づけぶつけて大きくなっていく物語は、今回確認した感情地獄絵図から始まる…のかなぁ? 始まると良いなぁ…。
財投さんの露悪的セクシャルハラスメント描写もそうなんだけども、とにかく毒の濃い作風で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
それを人間のリアルとしてうまく使いつつ、それに自家中毒せず、自分なりの綺麗事を堂々と言える展開にたどり着けると、パワーと説得力があっていいかな、と思います。なんだかんだ、イイハナシが好き。
まずはひそねがたどり着いた最悪の自覚を、どう転がしていくか。今回露呈した星野の限界っぷりと、どう向き合うか。他の限界人間が、そこにどう絡むか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
ポップな外装に苦い毒を溜め込んだ限界人間フライトレコードは、まだまだ迷い路絡み道。今後どういう地獄が見れるか、来週も楽しみですね。
追記 空気穴としての青い空、ドラマを補助するアクション。このバランス感覚は、えぐい話を飲み込ませる巧い使いこなしなんだと思う。
ひそまそ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
新機体追加回ということで、空戦シーンが量もたっぷり、質も極上だったのは、今回すごく良かったところです。
青空に引かれるトレイル、機械を超越した怪物的な機動。ズバッと広い空のキャンバスに、心地よく機体が舞うシンプルな強さが、ネトネトした物語を上手く逃していた。
人間どもの地上のゴタゴタとはあまり関わりなく、空は高くて綺麗なのが結構好きで。そういう青い空に、何のわだかまりもなくクソアマとドラゴンが舞える日が来ることを願ってます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
…まぁそれまでは、遠くて厄介な道のりだとは思うが。ほんっと、問題が多くて解決が遠いッ!
空戦シーンの広さが、現状の重たさから視界を引き上げるパワー持ってるのは、ドラマの構成として強いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月3日
アガるシーンの即物性に乗っけられてる感じもあるが、巧くノセれているならそれは腕前なのだ。そういう気持ちよさと予感を、泥臭い状況とどう噛み合わせて推進力に変えるかも見どころか