エガオノダイカを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
蕾の開かぬ星に、墓標だけが艶然と咲き誇る。
揺り籠のように甘い夢可らはみ出せば、辺境は地獄。命をすり潰しての陣取りゲームが、政治と経済のリアルと一緒に押し寄せる。
飛ぶことを許されぬ鳥が、また一羽堕ちる。国家という装置は、若人の血を啜って回る。
そんな感じの、ダイカ回収回である。来るとは思ってたけども、はえーよタツノコ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
まぁふわふわ平和な雰囲気をひっくり返してドーン! って手法も、サプライズとしては古ぼけてきてるんで、とっととネタバラシして次のステップへ、てのは正しいと思う。複数視点、複数主人公だし。
つーわけで、ヨシュアが死んだ。このアニメに肩入れしてる理由の六割くらいは真っ直ぐな彼だったので、非常に辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
死に様まで真っ直ぐかつ英雄的で、しかしあの洞窟閉鎖は籠城戦を少し長引かせたくらいで、なんとも彼らしい死に様だなぁ、と思う。五日間、土手っ腹に鉄埋め込んで苦しんだのか…。
前回さんざん描いた、王都の虚栄。ユウキが身を浸すまどろみは、辺境を磨り潰すことでなんとか成立している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
そもそも地味に欠けた花の咲かない星、生存競争のためにヒトとヒトが殺し合うのは常態で、それでも12歳の女の子にきれいな夢を見せてあげたかった。だから嘘をついた。
その結果がこれである…という話でもなく。ユウキがお飾り以上の仕事を期待されず、おそらく出来もしないのも第1話で見えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
『身内を売れば平和が守れる』という、辺境伯のハンパなリアリズムでは状況は動かない。そこまで帝国との政治関係は悪化している。12歳には背負えぬ重荷。
そういう判断を臣下が下すのもまぁ妥当で、しかしヨシュアの死によって、嘘は破綻した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
『私の代わりに、広い世界を見てきてね』と手向けた言葉が、最悪の角度でユウキを突き刺す形になったわけだ。否応なく、ユウキは嫌いで良くわからない戦争に王として、遺族として身を投じることになる。
チェスのコマのように、あるいは第1話のVR戦のように、ユウキの中の戦争は痛みを伴わない。平和という揺りかごの中で甘い夢を見ているのは、彼女を頭に抱く王国そのものも同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
辺境が突破されたことで生存圏を求める帝国の存在、生きるか死ぬかの生々しさは、否定し得ない現実となって玉体に刺さる
そのための贄として、『なんでこの子が死なんといかんの…?』と思わず言いたくなる少年を狩り殺すのは、全く正しい人選である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
デカい正義を振りかざすでもなく、等身大の人間として恐怖に震え、しかし守りたい誰かと何かのために、決死に奮戦する。英雄かくあるべしという、鮮烈な生き方だった。
そのヒロイズムが命を繋がないのが、多分このアニメなのだろうと思う。嘘も、平和も、ヨシュアが守りたかったものは結局守れない。自分の死体でもって真実を告げ、捨て身で封じた侵攻ルート(帝国からすれば活路)も数で押し切られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
第1話で見せた砂糖菓子のような甘さが、ガラガラと崩れていく。
ここまでひっくるめて序章であり、あの絶叫の果てにユウキが何を見るかが本筋、なのかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
ヨシュアが守りたかったものは踏みにじられたけども、そうされていいほど無価値なものでもなかろう。崩すために描写を摘んだ第1話、そこで描かれたものを、今後どう扱っていくか。
それがヨシュアを二話でぶっ殺したこのアニメの、生き死にへの向き合い方を示すだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
泥まみれの現実を突きつけてハイおしまい、なのか。経済と政治の重たさを背負ってなお、エガオとダイカ両方を飲み込めるところまで王女を引っ張り上げるか。なかなか油断ができない。
VRでののんきな旗取り戦を第1話で描いたからこそ、雑草のように命が刈り取られ、ルール違反の謀略も当然横行する戦場は、いい感じに重くなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
それは悪い夢のように思えるけども、帝国から見ればそれこそが現実、ユウキのお花畑な生活は妄想でしかない…のだろう。
イカすロボアクションを可能にする超エネルギー源が、同時に自由を制限する楔でもあるのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
ヨシュアは新型のテストパイロットとして空に挑むが、後の展開を予言するかのように飛び立てはしない。それが、今のあの星の現状。枯れた大地を取り合って、真正面の潰し合いしかない。
地形を無視できる航空戦力がないので、天然のチェス盤が望むままのすり潰し合い以外のルールは適応できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
狭い峡谷は投入できる兵力を限定し、死体で谷を埋めてその上を押し切る以外の選択を帝国から奪う。徹底して不自由な状況の中で、それでも人々は活路を探す。そして失敗する。
飛行テスト…嘘っぱちの跳躍は爆薬の不発により現実となり、高く高く飛ぶことでヨシュアは英雄になった。その一瞬の夢のあと、五日間血を流し、綺麗な顔で死んでしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
彼の死と生は、枯れ果てた星に縛られる王国と帝国の未来を、静かに暗示もする。
現状そんな感じであるが、そこから脱却する手段はあるのか。ひまわりの花は死地に咲くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
かすかに見えている光をどうにか手繰り寄せてくれないと、ヨシュアくんも死に甲斐がない。嘘が破綻し、12歳の双肩にずっしり国家生存がのしかかる。正念場である。
この詰んだ状況を思い知らせる犠牲として、あえて死地に女王側近を放り込んだ…と言われても、納得できるくらいひどい状況でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
若かろうが親がいなかろうが戦争が嫌いだろうがお飾りだろうが、王女は王女、国体は国体。生き延びる可能性を上げるためなら、キツい洗礼くらい幾らでも用意する。
そう考えてる誰かが王国中枢にいるのか、はたまた残酷な運命のめぐり合わせか。そこら辺の答え合わせも、今後やるのかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
現状の印象だとレイラさんに視線誘導されてる感じだけど、さてはて。辺境伯の売国により、王国が一枚岩じゃないのは見えたしねぇ…。
スペックに劣る量産機を数で補い、血で大地を舗装しながら突き進んでくる帝国。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
第2話までだと王国=ユウキ≒その名代としてのヨシュア一本で進んでいたので、彼らは不気味な悪そのものだ。
しかしあっけなくぶっ散らばるロボには、ヨシュアと同じ命が乗っていて、死ぬたび誰かが泣いている。
大地を埋める墓標…悪趣味なひまわりの花を映してヒイた先には、帝国側の涙が待っているのだろう。どっちもどっちもろくでもなさそうなんだよなぁ…星の弱さ自体が、戦乱の足場だってのは今回見せられたわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
そこら辺を突破する王才が、ユウキにあるかないか。敵国の兵士は、どう影を伸ばすか。
今週自分でも言ってたけど、ユウキは臣民の血で戦場を描く才能に恵まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
気楽な遊びだった戦争ごっこは、女王に最終決定権と責任がのしかかるリアルに変わってしまった。なら、その才能を活かし、敵を殺してもらわにゃなるまい。…12歳の女の子に?
そういう残酷から主君を、大事な女の子を守ってあげたかった少年は、スゲーあっけなく死んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
臣民も王女を愛し、守ろうとするだろう。だが、ヨシュアくんほど真っ直ぐに愛し、純粋に己を捧げるものは、多分もう出てこない。
その欠落を作品とユウキがどう受け止め、どう埋める(あるいは埋めない)か
そこのところが気になる、ソレイユ序章後編でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月15日
向日葵は常に太陽(ソレイユ)の方を向く。花言葉は”憧れ””あなただけ見つめる””高貴””愛慕”
ヨシュアの血が染み込んだ大地に、サンフラワーは根付くのか、徒花と散るか。花を使ったイメージの焼付がかなり上手く、エグいなぁと思う。