からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
人の中には獣が眠る。憎悪の狼、傲慢の獅子、怠惰の熊、奸智の狐。
暗闇の中、闘争の果て、義人の中で叫び牙をむく怪物。
天を行く大天使の城の中で、鏡合わせの強敵に少年は、少女は己の姿を見る。
心を閉ざしたヤツは、暴かれた時もろいよ…。
そんな感じのVS機械人間O、VS獣使いの自動人形エピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
デウス・エクス・マキナ編入ってから特に、主役のシャドウとして敵役を使うエピソードが多い。
フェイスレスのスペアである勝には、己の肉体を秘した機械人間を。
獣使いには獣使いを。鏡に写った醜さを、少年たちは己と受け止めていく
保存された機械人間の本体を見て、勝は凶暴に憤る。やっぱコロンビーヌが良い触媒になって、勝ちゃんのどす黒い部分もモリモリ見えるのは良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
そして闘いが終わった時、勝は壊れゆく機械人間に憐れみを感じる。同情ではない。共感でもない。同じ苦しみを抱え、それに溺れたもう一人の自分への視線。
自分も老いを畏れ、死を恐れる。ただの人間で居続ける恐怖、復讐と死の只中に居続ける恐ろしさに、歯を食いしばり向き合わなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
ルシールは最後まで、見事に走りきった。サハラで散っていった戦士たちも。しかし、ナイアはそう出来なかった。怖さに負け、嘘に溺れ、弱さを隠した。
カプセルの奥に秘した、生身の肉体。人類超越のフルボーグを謳っても、己の起源からは逃れられない。”本体”と”スペア”に分類しなかれば、機械人間Oはまだ成立できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
それはカルマを超越した超人ではなく、業と向き合えなかった弱虫の人形でしかなかった。
彼らが自滅するのは、そういう弱さを突きつけられ、エゴが崩壊した結果だ。閉じ込めていたもの、目を向けなかったものを閉じ込めても、それは獣となって己を食い殺す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
勝もまた、そうなりかねない。勝が敬愛する鳴海兄ちゃんだって、復讐ニトリ疲れ記憶を失い、修羅に落ちつつある。
正しくあること、人として当たり前に生きることはとても苦しい。人間で居続けることが出来なかったOのように、主役もなってしまうかもしれない。安全圏はないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
だからこそ、勝は闘うことを決意する。運命に巻き込まれ、手に入れた闘いの記憶。仇敵の技術で、仇敵を討つ覚悟。
黒賀村修行編がぶっ飛んだので、ちと転生チートっぽさもある分解バトルであるが、目に力と賢さを宿して修羅場にツッコむ勝ちゃんは、やっぱりカッコ良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
やっぱこー、弱々な立場にいたキャラが背筋を伸ばし、キツいバトルに挑む瞬間の輝きは良い。素晴らしい。
勝もリーゼも、辛さや醜さから目を背け、一人だけ安全圏に逃げる”敵”を指弾する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
しかしただ糾弾するだけでなく、そこに自分の姿をどこか見つけて、やるせなさや『ああはなるまい』という決意を込められるのが、ジュビロ漫画の主役の主役たる所以なのだろう。
遺産争いやらクソ人間のクソ因縁やら、色んな事に巻き込まれ呑気な子供ではいられなくなった勝。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
彼は子供の無邪気さをどこかに残したまま、老いさらばえ死んでいく人の宿命、そこから逃れようとする弱さと醜さに対峙する。潰されることなく、前に出る。
その強く正しいあり方と同時に、業に押しつぶされて狂い滅ぶ機械人間たちに、どうしようもない軽蔑とシンパシーを、同時に抱いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
みんな”ああ”なのだ。放っておけば他人を踏みつけ、自分だけを安全圏に置いてしまう。死ぬのは怖い、老いるのも怖い。当たり前だ。
そのうえで、どうするか。
勝は哀れみの中に決意を込め、フェイスレスと出会った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
さすがの女の顔面迷わずボコボコマン、狂った好感度上げ計画でこっちの好感度は底の更に底である。ホント駄目だなオメーは…。
純度の高い憎しみを求めるなら求めるで筋も通るのに、それも甘ったるい愛を盗み取るための卑劣な計画、嘘だからな…
ナイアが隠していた嘘や弱さは、まんまフェイスレスの暗部でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
そこをかっぱいで押し付け、本音と対峙させるのは非常に大変である。伊達や酔狂で、体を乗り換え魂を腐らせ、狂ったエゴイズムと恋慕で長期計画立ててない。
しかし彼は獣ではなく、あくまで希望に満ちた人間、暗黒の太陽なのだ。
こっからがまー、また大変な勝ちゃんのバトルである。相手は自分のオリジナルであり、父であり、身勝手に運命を押し付けてきた造物主であり、恋敵でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
エディプス・コンプレックスの煮凝りみたいな闇を抱え、勝ちゃんはゴミクズ人間に挑む。それもまた、己の鏡を見る闘いだ。
リーゼはビーストエピが省略されたので、覚醒も復讐もちと唐突だったのは残念である。魔獣使いとしての活躍も、サーカスでの日常もアニメだと分厚さがないからなぁ…なかなか難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
おまけに生身の勝ちゃんの隣にはコロンビーヌ、自分はイマジナリー勝ちゃんで気合を入れての大覚醒である。
なかなか不遇であるが、身勝手に見捨てられた獣を力に変え、自分で血を流しながら闘うリーゼは、同時進行する勝の闘いの、良い鏡となっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
みな義憤に身を焦がし、赤い血を流す。己の業と向き合うことで、己の本性を見据え、力に変えていく。歪んだ鏡の中、シャドウを撃破していく。
しろがねOから人間に戻り、砕け散ったジョージのように。あるいは勝と行動する中で、恋と浪漫を学びつつあるコロンビーヌのように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
構成素材や年齢、過去の経験に関係なく、他人の顔と己の業を見れるものが、人の岸に足をつけて、前に進んでいく。そういう話なのだこのアニメ。
そしてもう一方に位置する、超越の岸辺。他人に共感せず、自分だけは特別だと思い上がりながら、弱く見にくい時分を隠蔽する者たちの王国。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月22日
その王が、ついに勝と対峙する。エレオノールの顔面もボッコにして、ヘイトアーツの暖気は十分だ!!
来週も楽しみですね。ホントフェイスレスは良い悪役だな…