KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
スタァは皆、ヒミツの仮面をかぶっている。
エーデルローズの鬼札、お調子者のプレイボーイ。高田馬場ジョージとそのシャドウ、池袋エイスの物語が、思わぬ過去の来訪で動き出す。
悪役軍団は、その仮面の奥に何を隠しているか。郷愁よ、想いを照らせ。
そんな感じのエデロおもしろ凸凹軍団、まとめて掘り下げちゃいましょう! というお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
道化師の仮面に隠された、チャラ男のマジ顔に死ぬほど弱い人間としては、非常に満足の行くお話でした。故郷の思い出だけでなく、スタァとしてのプロ意識、偶像を演じる気概を感じ取れた。
今回の英字サブタイは”Fatal? Attraction”であり、”?”を抜くと87年の洋画”危険な情事”の原題となる。シリアスなラブ・サスペンスになりきれないから『キケン?なジョージ』と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
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高田馬場ジョージは危険なプレイボーイを演じつつ、魂の奥底には”ノリくん”がどっしり根を下ろしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
ど田舎で法月仁のジャンプに魅せられ、体型をリシェイプして上京、歌唱担当という”影”を背負ってでも、トップアイドルで在り続ける。
お調子者で、女好きで、金遣いの荒いスーパースタァ。
そんなパブリックイメージはかつて見た夢であり、誰もが求める虚像であり、ジョージはそこに結構満足している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
それはエイスを表に出さないことで成立する、嘘の上の嘘…なんだが、ジョージはそんな嘘に誇りをもって、堂々やりきってる…という所まで、思い出を振り切って飛ぶのが、今回のお話。
ヒロイン役のミヨちゃんが素朴に可愛らしく、芯の強さもあるいいキャラだったのが、この話の背骨になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
彼女が魅力的なのだ、エイスが惹かれる(”本体”であるジョージと対立する)展開にも納得がいくし、ジョージが後ろ髪を引かれる気持ちもすんなり入ってくるわけだ。
エイスは歌担当ってだけじゃなく、”高田馬場ジョージ”であることを選んだノリくんが、置き去りにした気持ちでもある。
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表舞台に立たない(立てない)エイスは、ジョージが演じ続けている仮面をかぶる必要がない。
アイドルはみんなの王子様だから、特定の誰かに愛を捧げたら終わり。そういう危険もない
エイスの振る舞いは、ジョージが押し込めているもう一つの気持ちを背負っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
そういう目線で見ると、今回の話は二人で一つの”高田馬場ジョージ”…虚像と実像が複雑なダンスを踊る”アイドル”についての物語であることが、よく解ってくる。
ジョージは故郷に”ノリくん”を置き去りにし、スタァになった。
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先週カケルが唾棄していた、薄汚いビジネスとしてのプリズムライブ。それを一つの現実と思い切り飲み込んで、というかそういう部分も背負って飛んだ法月仁に憧れて、必死に努力して飛んだ。
それでも、歌には才能がないから外付けだ。
嘘に嘘を重ねてでも、飛びたい。”高田馬場ジョージ”というイメージを、どんな手段を使ってでも現実にしたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
圧倒的な才能に恵まれ、望みのまま素直に飛べば未来がやってくる。そんな主役特権を持ち得なかった凡人のジャンプは、法月仁(あるいはADの天宮りずむ)にも共鳴していく。
今回エーデルローズにカメラが写ったことで、仁が結構掘り下げられたのは嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
お笑い担当ヒステリー芸人扱いされがちな仁だけども、母親との関係、異母兄弟との桎梏に雁字搦めで、幻覚まで見てしまっている。はよう通院したほうが良いで…(プリズムメンタルケア)
ルヰくんに”母”を見る視線は、ジュネに”母”を見た聖そっくりで、『お前らホンマに似たモン同志やな…』とも思った。
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ジュネは結局聖のものになっちゃって、焦げ付いた慕情を仁は抱え続けるわけだけど。『鏡合わせの自分と、異性を取り合う』て構図は、ジョージとエイス、ミヨちゃんとも重なるね。
凡人たる仁はそれでもスタァになりたくて、現役時代に道を違え、誰も正してくれないまま爆走している。
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そんなジャンプでも、とある少年の心を打ち、故郷から飛び出す夢の燃料になった。プリズムスタァとしての法月仁を、一人でも見てくれていた。
そこが、今回の話の有り難いところだ。
仁のコンプレックスが解消するのは、彼が”悪役”から降りる時…つまりキンプリに一つの終止符が打たれるときだと思うので、完全な解決はまだ先だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
今回の主役は”高田馬場ジョージ”。
ノリくんとエイスとアイドル。複雑怪奇な複合体(キメラ)に、男達がどう納得するか、という話である。
ジョージは”女性の求める男”を演じ続けることで、スタァたり得ている存在だ。その虚像はノリくんに染み込んで、結構面倒見が良く、ジェントルで魅力的な実像を生み出している。
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気になるあの子相手にキメるところなんだから、二人きりでムード作ればいいのに。
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”高田馬場ジョージ”はシャッフルを後ろに従え、エイスをミヨちゃんとの間に置く。ラーメン屋にも、エイスを連れて行く。
グダグダ突っ付き合いつつ、存外いい関係なのだ。
そういう面倒見の良さ、他人を大事にできる気持ちはノリくんが元々もってた(だから、ミヨちゃんも惹かれた)部分であるし、”高田馬場ジョージ”を演じるうち、本当になった部分でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
ジョージは後輩の面倒をよく見る。
そうあって欲しいというファンの願いを、ジョージは裏切らない。
身勝手だろうが嘘っぱちだろうが、自分を支えるファンの思いを、ジョージはしっかり見据え、吸い上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
それは元々法月仁に魅せられ、たぶん今でも好きだから暴虐にも耐えてる”ファン”だからこそ、クリアに見通せる部分なのだと思う。
エデロ勢にはない、ファン目線の強みだ。
しかしキメッキメの衣装を脱がない(脱げない)ジョージは、置き去りにした過去、アイドルではない自分になかなか向き合えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
虚飾は”高田馬場ジョージ”を強くする、重い荷物なのだ
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そういう虚飾に支配されない(できない)エイスは、ザラッとした私服、ひと目の届かない場所でミヨちゃんの手を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
しかしミヨちゃんは彼女の夢を背負う”高田馬場ジョージ”に向かって進み…”高田馬場ジョージ”もミヨちゃんを得ることはない。
彼女の隣りにいるのは、”ノリくん”の面影を残した他人。
あり得たかもしれない未来。掴めなかった夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
そんなものに直面しながら、二面一身の美獣(アイドル)は自分を見据えていく。
もう”高田馬場ジョージになるしか、ノリくんにもエイスにも道はないのだ。歪んでいるとしても、それが選び取った道なら、胸を張って飛べ!
3Dモデルはないが、”高田馬場ジョージ”のジャンプは立派だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
ファンの期待を裏切らぬよう、仮面を崩さず演じ続けるプライドが、エイスの企みを粉砕する。影として、影を超えて飛ぶ。
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マイク(”高田馬場ジョージ”とエイスが繋がる、唯一の線)を殺そうとした生徒は、エイス自体のシャドウなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
影にもまた影があり、それは時に実体を持つ。”高田馬場ジョージ”を掘り下げる今回、エイスは”池袋エイス”になれた。だから、隠した心が実体化する特権も持ちうる。
浮かれ帽子屋の道化じみた衣装を、胸を張って着る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
一回のジャンプでボロボロになってしまう自分を、観客の前に問う。
捻れに捻れた”高田馬場ジョージ”との関係を、慕情と失恋を通じて是正し、”池袋エイス”としてザ・シャッフルの真ん中に立つまでの物語。
ジョージの過去と内面だけでなく、シャドウたるエイスのお話もしっかり進め、決着させたのがとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
素朴さ、実直さ、報われなさ。
エイスのキャラクター性は、故郷に置いてきた”ノリくん”に通じるものが多々あり、しかし人の良さはスタァを生み出さない。
ミヨちゃんは”高田馬場ジョージ”にかっさらわれ…”高田馬場ジョージ”はアイドルであるが故に、愛する人の手を取れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
スタァを希う気持ちと、日常を一歩ずつ進む歩みは別のもの。綺羅びやかな嘘を己の運命と定めた”高田馬場ジョージ”には、素朴な幸福は高望みなのだ。
かくして二人の”高田馬場ジョージ”は、スタァではない故に、またスタァであるが故に同じ女を取りこぼす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
残ったのはステージだけ。そこで二心一体、演じきる輝く嘘だけ。
自分が目指した唯一の星に向けて、男達は華やかな嘘を踊る。その輝きが、人々を魅了する。
真っ直ぐ突き進むエデロでは、この虚実の輝き、嘘を堂々演じきるプライドは描きにくかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
”悪役”だからこそ、逆向きから物語を照らし、作品に立体感を出す。幾重にも重なるシャドウを暑かったエピソードに、相応しい仕事だった。
というわけで、嘘っぱちスタァの仮面の奥に深く切り込む、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
ジョージとエイス、”高田馬場ジョージ”を構成する2つのペルソナに、”ノリくん”を加えることでより深く切り込んでいく。
アイドルの虚実にも踏み込む、良いエピソードでした。ミヨちゃん可愛いし。
今回影の側から照らされた物語を、またエデロが引き受けて次回、ミナトのお話。ユキ様といいカケルといい、年上勢の掘り下げがかなりいい角度なんで、期待が高まります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
書き割りに立体感を与え、人として立たせる。スッスッスのテーマはそこにあると思うので、次回ミナト、どう書くか。楽しみです。
しかしあんだけ”高田馬場ジョージ”の虚像にプライドもってるジョージが、それを危うくすると解ってミヨちゃんと本気交際願ったところに、男の純情、失った過去を取り戻す野望を感じ、ジンワリ来てしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
脇目も振らず、偽りの鎧を作って高いところに登らなきゃ、好きな人の手も取れない。
プライドまみれのクソガキから、ジョージは一歩も出てない。そうやって鎧を作る間に、ミヨちゃんは自分の人生をジョージ抜きで歩き、道を決めていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
でも本気だったからこそ、それが砕けてめっちゃヘコむし、同じ人に恋したエイスの発破に、奮起もする。甘酸っぱくて苦いお話よね…オレンジの味…。
あと自分は都会の虚像そのものになったジョージが、田舎むき出しのミヨちゃんをそのまま対応する所がとっても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
もっとこー『俺色に染めてやるぜ…!』でもイイじゃん、ジョージのキャラなら。でもミヨちゃんの素朴さは、ジョージにとってもノリくんにとっても聖域なのよね…純情ボーイじゃん!
でもその聖なる無垢は、全てを犠牲にして”高田馬場ジョージ”になった男にはもう掴めない。そんな事実に打ちのめされても、”高田馬場ジョージ”を演じ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月13日
ヒロより”絶対アイドル!愛・N・G”しとるなジョージくん…茨の道だが、頑張って貫いて欲しい。