Dr.STONEを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
科学文明再興、全人類救済ッ！
アホみたいにデカい目標に向けて、爆進する千空と大樹。しかしストーンワールドは剣呑な牙を向き、”武”なき二人は窮地に追い込まれる。
かくして蘇る人中の獅子王。穏やかな物腰に牙を秘めた男を前に、早くも科学救世計画、ピンチピンチのマジピンチ！
というわけでドンドコ進むストーンワールド科学無双、宿命のライバルっぽいのが蘇生する第二話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
マージで展開が早いッ！ 結構原作からシーンを足して、『司とまったり生活するのも悪くないかもな…』という”情”が濃くなったのは良いアレンジだった。
何しろ生き馬の目を抜く天下のジャンプ連載、最初の十週で読者をフックできるかどうかが全てなわけで。序盤は特にスピーディーに進むこのお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
同時に、物語と出会ったばかりの視聴者が作品世界とキャラを好きになれる足場も組み上げなきゃならんので、なかなか難しい。
加えて矢継ぎ早のピンチに科学無双の気持ちよさ、脳髄をガックンガックン揺さぶる振り幅でお話をツイストもさせなきゃならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
いろいろやることが多い中を、安定感ある超音速で駆け抜けていった原作を、しっかりアニメにしてる第二話、という印象でした。
冒頭軽いコントをした後、野生化したライオンが駆けつける大ピンチ。大樹は『体力あっても武力がない』という欠点を設定されているので、これを切り抜けるにはチートの種類が合わんのです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
専守防衛、クラフト特化な大樹の性能は、作品の根っこにある倫理観とか見合って面白いなぁ、と思う。
優しいだけでは生き延びれないし、強いだけでは危険すぎる。全体的に人の善性を信じるんだけども、悪の種子が人間と世界にばらまかれている事実は否定しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
むしろそれに追い込まれて、相当なピンチになったりもする。
けど、屈服はしない。知恵と勇気と友情で、ピンチに頑張って風穴を開ける。
後の物語も今回見せたレールに沿って展開するわけで、その最初となるライオンピンチ→司の復活はいろいろ面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
司が殺めた命に手を合わせているのも、お為ごかしの偽善ってわけではなく。復活ミスって死んだ遺骸に、ちゃんと手を合わせる大樹（と千空）と同じ物を見てはいるのだ。
ただ世界の善意を信じきれない司は、持ち前の武力を暴力に変えて、自分の望む世界を引き寄せることに躊躇いがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
これに対抗するには、大樹の無垢な体力だけでは足らず、千空の油断ならない冷静さ、科学力を武力に変換する悪賢さが必要になってくる。
千空はクールな態度の奥に熱い魂を隠している男で、例えば自分が死にかけてるピンチはニヒルに笑い飛ばしても、大樹が犠牲になって自分が生きる話になると、スゲーマジ顔になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
覚めた顔して、相当な友達大好き、人間大好き人間である。
©米スタジオ・Boichi／集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/oNdF586X4i
同時にその暑苦しさを強がりと軽口で鎧うスタンスが、司の秘めた凶暴さを見据え、油断せず対応を考える姿勢にも繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
大樹はお人好しのバカで、マイナスの部分をあんま考えられないので、千空が補うしかない。
『蘇らせたのが殺人鬼だったら、一体どうする？』
冒頭の軽口は露骨なフラグだね
考えることを止めない姿勢が、3200年ぶりの奇跡を生みもした。あらゆる状況を想定し、可能な限りの手を打つ。諦めず、安住せず、自分の手で奇跡を引き寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
そんな生き方の原動力が、根本的な世界への信頼、ワクワクする科学を生み出した人間への期待にあるところが、千空の魅力である。
大樹の真っ直ぐな生き方を非合理、非合理と煽るくせに、親友が自分を犠牲にするプランは真っ先に否定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
彼の中の”合理”は生存が第一条件にあって、殺して間引く司のスタイルとは完全に真逆なのだ。
尊大なように見えて、相当に謙虚よね千空くん…他人の可能性を、踏みつけに出来ない。
汚れた大人、綺麗な子供。それを選別する資格を、千空は自分に与えない。司は石化の裁きを天佑と捉え、凶暴な不遜を振り回す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
原始の世界に降り立った、2つの生き方。それがぶつかるしかない事実を、上手く一話に詰めたなぁ、と思う。
同時に、生き延びるには”武”が必要なことも。
矛を収めると書いて”武”。的確な倫理に方向づけされてこそ、武は武足り得る。ストイックな理想のために暴力と知力をぶん回す司は、そういう意味では”武人”なんだが…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
千空に欠けてるフィジカル、大樹に欠けてるインテリジェンス。両方持っていることが、不遜の足場かなぁ？
狩猟シーンがアニメらしい躍動と共に追補されてて、司のチートっぷりがよく判るようになっていたのはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
疾走する猪に追いつき、空を舞う鳥を素手で狩る。マジインチキだが、ひょろ蔵千空と殴れない大樹で、これに対抗しなきゃならんのだな。
頼もしい食料確保のシーンが、後々強敵となる男の実力を見せもする。後に繋がる描写でなかなか良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
炭酸カルシウム、4つ目の仕事。弱っちい人類が、霊長を気取ることが出来た最大の武器。それは未だ顕にならないが、必ず出番が来るのだ。
司が”暴”でもって過去を否定した楽園を作ろうとするのに対し、千空は”知”でもって過去を蘇らせようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
今回の出会いと対立は、二人が背負う救世の対立でもあるわけね。人の幸福はどこにあるのか。難しいネタだけども、楽しい冒険の下地として、やっぱしっかり掘り下げておる。
科学文明の弊害が目につく現代から見ると、千空の科学信奉はあまりに真っ直ぐすぎるようにも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
しかし世界を一回リセットすることで、科学と叡智が確かに積上げてきた美質が見えやすくなるのも事実だ。司が危惧する科学のドス黒さを、最終的に千空はどう受け取るか。
これは原作でも未だ明示されていないポイントで、物語がゴールに行き着いたときに答えるかもしれないし、最後まで扱わないかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
基本このお話にとって、科学知識は人類の光明、ピンチを脱する唯一の武器だ。そこがブレないことが、作品の安定感にも繋がっているのだろう。
科学は人を救いうる。エボラの調査に行ってた千空は、多分実地でそれを知っている。狭い海岸で悪意に塗りつぶされてしまった司の世界より、もうちょい広いものを見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
でも圧倒的な暴力はそんな正しさを、簡単に押し流す。そうならないために、智慧をどう武力に変えるか。今後の焦点はそこかな。
という感じで、第三の男にしてラスボスがヌッと顔を出す第二話でした。男三人の共同生活が結構楽しそうで、だからこそ相いれぬ信念が少し寂しくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月12日
暴と知。絶望と信頼。触れあえば爆発するニトロのように、才気は静かに爆発の時を待つ。遠未来サバイバルの行方、来週も楽しみですね。
