ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
名探偵が紐解く謎は、荒れ地に秘められた殺意を解体していく。襲い来る黒犬獣、迫りくる妖精界の門。
神槍がその軛を解かれる時、妖精に魅入られた男が決断を果たす。
黄金の季節よ、さらば。ただ、あるべき場所へ帰るだけさ…。
そんな感じの雷鳴邸事件後編ッ！ バトルと情と魔眼とミステリ、盛りだくさんでお送りします！！ っていうエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
会話多めの止まった話になりそうなジャンルで、毎回派手めなアクション入れて体温上げるのは偉いなぁ、と思う。グレイたんのミニスカコンバットも堪能できるしね！
さておき、超ろくでもない魔術世界の、超ろくでもない謎の真相暴くエルメロイ二世、今回もスッキリとしきらない結末であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
妖精にしろ英霊にしろ、あるいは救えなかった幼子への慚愧にしろ。男たちは皆去っていったものを追い求め、死者の声に呼ばれる。
魔術師を支配する根源への要求も、ウェルズを誘った妖精郷の扉も、ヒトならざる異界に魅入られたという意味では同じだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
それを直接見て取るのが”魔眼”であり、前回に引き続き今回もたくさん出てくる。妖精眼はさておき、化野の”眼”は何を見たんだろうね。
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荒野の魔術工房は、人間の死霊を人工妖精に変える。死人を食って駆動するフェアリーランド自体が引き起こした殺人を証明するべく、二世は死者の降霊…ではなく、妖精の可視化・可聴化で対応する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
ウェルズにしか見えなかったもの、彼でも聞けなかったものが実体化することで、事件は解体されていく
人工妖精自体が、死人を食う雷鳴邸の犠牲者であり、同時にトレヴァー卿殺害の加害者でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
声なき逢瀬の中で、彼はフェイに惹かれる。
綺麗なものに出会ってしまえば、もう正気ではいられない。一説にはFeyはFateと同根の言葉ともいうし、非常に”Fate的”な事件ではあるか。
加害者と被害者は密接に絡み合い、精義はどこにあるか判然とせず、討ち果たすべき敵はどこにもいなくて、アクションに勝ってもシステムは止まらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
名探偵は異界の存在に魅入られた依頼人を止め得ず、システムの歯車でもあるウィルズはこの世から消えることで、妖精界の現臨を止める。
タイトルにもある”魔眼蒐集列車”への導線だけを残し、怪し気な空は晴れ渡る。そして誰もいなくなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
スッキリしないような、妙に後味が良いような。なかなか楽しい読後感で、良いエピソードだと感じた。妖精の花婿に選ばれれば、もう人の生は望めんのだ。
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つーかあのもやしっ子、急に<クリエイトウェポン>から<アンビデクスタリティ>で二刀無双しだしてマジびっくりだよ。つえーじゃんお前…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
いつ”MELTY BLOOD”が来兎ボイスで流れ出してもおかしくない、魔眼+短刀の型月オーソドックス。TROYCAのアクションも味があって良いね。
動くシーンは大胆にうねらせ、黙って喋るシーンも退屈な画面にはしない。喋りが交錯するシーンが結構いたずらな”絵”になってて、なかなか面白かった。指が目立つ！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月3日
獅子劫さんとウェイバーくんの、交わるはずのない会話シーンとか良かったなぁ。実質シガーキス。
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獅子劫さんも二世と同じく、人間合格で魔術師失格の人情人間である。多人の事情を慮り、過去に囚われつつも現在を蔑ろにはせず、体を張って誰かを守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
魔術師やらせておくにはもったいない人格者であり、ワイルドで渋いキャラ性と相まって、いい感じの空気を作ってくれた。
モーさんもそうだけど、娘の面影が残る不憫っ子にとにかく弱い獅子劫さん。グレイちゃんとも積極的に仲良くして、どんどん間合いを詰めてくれて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
二世はウェイバー・ベルベットとしての幼さを残す関係上、完全な包容力は背負いきれんのよね。
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そこで一話限りのゲストの気楽さ、サングラスの奥で自分も同じものを見据えつつ、だからこそ判る死者の誘惑、憧れの危うさをグレイに伝えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
自分とどこか似たウィルズを追うために、獅子劫さんに愛弟子を預けちゃう二世のお人好し感ね…。善人は善人を知る。
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獅子劫さんは娘の犠牲を無駄にしないために、魔術師としては滅んだも同然の己の身を前に動かして、必死に戦っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
グレイの儚い雰囲気、フードに隠した哀しさに娘の残影を見てしまう所が、魔術師向いてない所以である。
息子を殺人屋敷の歯車にしたトレヴァー卿とは、正反対よね。
魔眼を人工的に埋め込まれ、妄念の歯車に落とされていたウィルズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
かつての王を人工的に作り出すべく、娘っ子をアルトリア顔にシェイプするグレイの一族。
人のあり方、家族の関係を犠牲に猛進する、魔術界の恐ろしさが通奏低音になってるエピソードであった。
この屋敷に刻まれているのはノンキなフェアリーテールなどではなく、人食いの妄執。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
化野を論破してく部屋のポジションは、それぞれの心理的距離感が立ち位置に反映されて面白い。
最終的に論を通した時、二世は立ち上がって化野を隠すのよね…彼女の思惑が無化された瞬間
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二世はグレイの後見であり、師匠として背中を守る立場にあるはずなんだが、直接戦闘においては頼り切りの弱い立場でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
魔術礼装の事情を語るときも、一人間として背負った哀しさ、歴史の重さをちゃんと見据えて、許可を取る。そういう人権尊重が魔術師っぽくないって言ってんだよ！ SUKI…。
今回の師匠は弟子と依頼人に構いきりなので、ライネスちゃんは触媒扱い。ぷっぷく膨れて可愛いねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
いっつも義兄の側にいるグレイに悪感情抱いても良さそうなのに、結構いい雰囲気で肩寄せてるシーンが多いのは好きなところだ。仲良きことは美しきかな。
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ウィルズが惹かれる妖精界（獅子劫さんにとっての娘の死霊、二世にとってのイスカンダル）がしっかり綺麗で、妖しげな美しさに満ちていたのはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
美術の良さが摩訶不思議な世界をしっかり支えて、展開に説得力を与えているのは好きだなぁ。
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獅子劫さんがグレイに伝えていた、”ここではないどこか”に引き寄せられる危うさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
二世は魔眼を持たないけども、あの時出会ってしまった憧れの巨大さ、無力への後悔は瞼に焼き付いて消えない。
なまじっか超常的実在ではなく、イデアにしか存在しない夢を見据えている分、こっちのほうが危ういか。
二世がウィルズを必死に止めたのは、自分自身過去と英雄の世界に引き寄せられる自分を自覚して、先に旅立ってしまうウィルズにある種の羨望があったかあらこそな気はする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
行ってしまえば、臣下の勤めは果たせない。あの背中に恥じない自分を作り上げたいけど、早く旅立ちたい気持ちもある。
そんな矛盾に引き裂かれているからこそ、異界の極に引き寄せられ、自分が父に愛されていた幻想に身を投げるウィルズ（に投影された、もう一人の自分）を止めたかったのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
そして二世は、どうやっても”そちら側”には行けない。何しろ魔眼も持たない凡人だからね！
そんな彼を引き止める楔に、グレイはなれるのか。まぁ声も上田麗奈だし可愛いから、全然大丈夫だとは思うが…でも相手も声明夫だしなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
死人も妖精も英霊も根源も、人の理を超えて不変だからこそ、あまりに強力な光を放つ。その輝きに身を投じれば、もう人ではいられない。
しかしそれでも、人は星を見上げて手を伸ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月4日
征服王の背中を追うウェイバーくんと、人工英霊として望まぬ夢を背負わされたグレイの物語は、まだまだ続く。不可思議な事件が、探偵と助手を待つ。
爽やかな読後感のある、良いエピソードでした。来週も楽しみ。
