ストライクウィッチーズ ROAD to BERLINを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
速さに賭ける破天荒・シャーリーと、彼女を慕う天然少女・ルッキーニ。
言わずと知れた501のお騒がせコンビは、ふとした事から思いをすれ違わせる。
時を同じくして襲来した、高速爆撃ネウロイ。
乱れた絆は、亜音速の悪魔を追い越せるのか。
そんな感じの国民の福祉、シャッキーニ供給のお時間です! RtB第四話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
既にキャラの関係も求められ間柄も、結構がっちり固まっているスト魔女。
既定路線を守りつつ新しい風を呼び込む努力が垣間見える”三期”だが、今回も安定しつつ新鮮味もあり。
楽しく見れる回だった。
ルッキーニとシャーリーの間柄は恋というには透明度が高く、幼子が母を求めるような、気さくな姉妹のような、悪戯好きの年の離れた悪友のような、湿り気の少ない距離感が魅力だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
ルッキーニの幼い純朴さを、八方破れながら器のデカいシャーリーが受け止め、遊び遊ばせる。
そんな”定番”が善意のすれ違いでブレ、バルクホルンの介入で落ち着き、一つの結末にたどり着く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
シャーリーの起源に関わるバイクが、確かめた思いを背負って最速を超え、大事な人を救って壊れる。
シャーロット・イエーガーの少女時代が終わったような、奇妙な寂しさと誇らしさを感じた。
対してルッキーニはあいも変わらず幼くて、あまり変化はない。シャーリーの”子供”として始まり、その場所に戻ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
そんな永遠の幼年期が眩しくもあり、キャラ記号からはみ出すことをなかなか許されないジャンルの檻、キャラクターの枷を少し感じさせて、勝手に哀しみなども憶えた。
戦争と紐付けられたコンテンツは産業が続く限り、平和にはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
永遠の少女時代が終わると、魔女は飛べなくなる。
坂本さんのように”あがり”にたどり着くものもいるし、永遠の中で微睡むものもいる。
今回のルッキーニは僕的に、このコンテンツが少女を描く多面性を感じるものだった。
自分を自分にしてくれたバイクにこだわり、それが壊れてもルッキーニを助けることで、超えられるはずのない壁を超えたシャーリー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
幼い子供だからシャーリーとぶつかり、真っ直ぐな思いで突き進む姿が眩しいルッキーニ。
二人の在り方は、重なりつつかなり違う。
ここに妹関連の因縁を超え、故国奪還の闘いにも道筋が見えてきたバルクホルンの、年長者としての頼もしさ、”リベリアン”との関係変化が重なってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
最速を巡る疾走感のあるエピソードでありながら、時と変化の中で様々に揺れる魔女たちの青春が、不思議なプリズムのように輝いて見えた。
そこら辺僕の身勝手な感傷として、物語はレコードブレークから始まる。侠気あふれるがに股座り、相変わらずパワフルだな、シャーロット・イエーガー…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
『戦時国債を買おう!』『次なる人類の反撃は?』
新聞記事に世相が見えて、なかなか面白い。
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シャーリーはあくまでオンボロバイクに拘り、世界最速に意地を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
世界最速であること。それがシャーロット・イエーガーのプライドであり、彼女を彼女たらしめる。
物言わぬ二輪車は様々に姿を変え、プロペラ付きの怪物になったり、最後は爆発し海中に去ることで、形にならない絆を護る。
それは物質を超えたシャーロット・イエーガーの個人史であり、心の大事な部分と直結したフェティッシュだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
そしてルッキーニは、そういう繊細さがわからない。子供らしく、ただ大好きなシャーリーと自分を繋いでくれるものとして、バイクを、そして”速さ”を見る。
成熟した複雑さは、彼女から遠い。
そんな彼女と呼応する子供っぽさがシャーリーの中にあるからこそ、二人は仲良しでいられたのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
過去があって、それを超えて今に辿り着いた大人のシャーリーと、常に現在進行系の子供なルッキーニのあいだにあった溝は、ふとしたきっかけで裂け目を見せてくる。
しかし、それは先の話である。
その衝突が表面化するのは、まだ先のこと。二人はいつでも仲良く、楽しい日々を送っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
他のつがいが何かと湿っぽい中、この二人のあっけらかんとした風通しの良さは魅力であり、個性でもあった。
そんな二人でも、常に心が通うわけじゃない。すれ違ってなお繋がる、そんな関係でもある。
シャッキーニの物語に寄り添う形で、先週クローズアップされたロートルとベテランの凸凹修行も元気に走る。やっぱここが、”三期”の背骨なんだろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
役に立つかは解らないけど、なにかせずにはいられない。
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情熱と焦燥が入り交じる素振りに、”姉”たるバルクホルンも気が気ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
ここの描写は、トゥルーデの芳佳LOVE、仲間思いがよく出てて好きな所だ。今回非常に大事な仕事をするキャラなので、ニンの良さをここで書くのは重要だろうしね。
『堅物ながら情のある人だったな…』と、思い出せて有り難い
記号の使い方ってなかなか加減が難しい所で、薄いとキャラが立たないし、濃いと胸焼けする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
バルクホルンの”姉”という記号は、今回とても良い味付けで調味された要素だと思った。
まぁ妹欠乏症でクレイジーになる話は、もう昔やって乗り越えたしな…昔の”姉”ではないのだよ!
まぁ堅物なのも変わりがなく、バイクに夢中の悪童にゲンコくれたりもするわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
スピードクイーンの意地に付き合うルッキーニは、いつでも明るくよく懐き、カッコいいシャーリーに瞳を輝かす。
この微笑ましい暖かさが、二人の距離だ。
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前回の芳リーネもそうなんだが、この”三期”は既存のキャラ像、つがいの関係性を大きく揺らすのではなく、自分たちが積み上げてきたものをどっしり再確認するような筆を選んでる感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
『ああ、たしかにこの子達はそうだったな…』と、懐かしく確かめ、頷けるような組み立て。
しかしノスタルジーを満たすべく縮小再生産に堕ちてる感じはあんまなく、自分たちが積んだものを再確認しながら、その先にあるものにそっと手を伸ばすような野心も、確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
このバランスがなかなか心地よくて、自分的に肌に合う”三期”である。欲をいえば、もうちょい崩しても良いけど。
今後501メンバー、それぞれのエピソードを追う形で話数は展開すると思う。一期も二期もそうだったし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
そこには過去を積んだからこそ見える、彼女たちの”今”が見える。
あんだけぶつかり合っていたシャーリーとバルクホルンが、時折ゲンコは飛びつつもお互いを尊重できるようになった様子。
ルッキーニの幼い善意が、シャーリーのプライドと衝突して生まれる火花と、それを超えて繋がる手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
そういうモノを一個ずつ確認しながら、ゆっくり積み上げていく仕草が僕は結構好きだ。
見てると、『作ってる人たちは”ストライクウィッチーズ”が好きなんだな』という気分になる。
そういう気持ちは定番とお約束を繰り返す自閉と裏腹だが、一個一個のシーン、そこに宿る感情を瑞々しく切り取ることで、RtBは閉じた停滞から上手く抜け出てる感じを受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
まぁここら辺は、どう収めるかまで見ないと判別しきれないところだけど。現状、なかなかいい感じだ。
頃合いを見計らって襲撃する高速爆撃ネウロイは、二人の揺りかごを壊す。体を張って爆炎からルッキーニを護るシャーリーの仕草が、優しくて好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
ここは戦場。バイク乗ってる場合じゃないと、残骸が教える。
それでも、奔りたい。
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そういう思いは扶桑組も共通で、魔女のほうきで基本の確認、ヘンテコ飛行でゆ~らゆらである。ここの作画が異常に良くて、思わず笑ってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
新参・服部静夏に隣を譲りつつ、後ろをガッチリ抑えるリーネの偉容。安定感あるなぁ…。
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リハビリ頑張る芳佳は一期の頃の新兵のようで、戦術級の活躍を見せる軍神の頼もしさはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
それが懐かしくもあり、とっととスーパー扶桑人に戻って欲しくもあり、ほうきの訓練シーンはなかなか味わい深かった。
あんだけ怪物めいた活躍しても、まだ瑞々しく”少女”なの凄いよね…。
ずぶ濡れになりつつも、復帰に向けて三人四脚、息のあった頑張りを見せる芳佳達に対し、ルッキーニはシャーリーのプライドを読みそこねる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
”速さ”に拘るリベリアンが、自分を見てくれないことに寂しさを憶えて、善意の怪物を作ってしまう。
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今回ルッキーニはとにかく真っ直ぐで、何も知らない純朴さを強調されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
子供という属性の微笑ましい光と、無知なる陰り。
それは今回のエピソードで”克服”はされない。ルッキーニはずっと、子供のままだ。
幼く危うい純朴を受け止める”大人”の仕事は、例えばバルクホルンの領分になる。
前半の明るく楽しいムードが、繊細な視線を積み重ねて変わっていく。細かい視線の芝居がなかなか良く、ルッキーニの、トゥルーデの心情をうまく伝えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
仲間の不和を、子供の哀しみを、見落とさない視野の広さ。
一期の頑なな姿からは想像で出来ないけど、こっちが”素”だよね、お姉ちゃん。
ルッキーニはずっと変わらず子供だから、シャーリーの大事なもの、難しいことを受け止められない。衝突は当然の結果だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
しかしバルクホルンは501の経験を経て、お軽いリベリアンと彼女な大事な少女を、大事な仲間だとも思っている。その不和を、見落とさない目を手に入れている。
今回のお話し、変化と不変にまつわるエピソードだと僕は受け止めたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
そのままだと仲直りできないルッキーニの、不変たる幼さを見つめるバルクホルンの視線でもって、”変化”を間接的に描く筆はなかなかに面白かった。
変われるもの、変わることを許されないもの。萌えキャラにも色々ある。
みんなで囲む食卓にも、芳佳中心のコミカルな空気と、ヒビの入ったモヤモヤが対比される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
いつもはいつでも隣同士、お腹いっぱい飲み込めるものが、今日は胸を通らない。ここでそれぞれのカップを写したことが、仲直りの後効いてくるのホント好き
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今回一番グッと来たのは、主役であるシャーリーとルッキーニの描写よりも、この砂浜の歩み寄りであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
バルクホルンもこういう柔らかな優しさを、カールスラントの同朋以外に分け与えられるようになったんだなぁ、みたいな感慨があった。
”お姉ちゃん”っていう、属性でまとめてもいいけども。
なんかそういう区切りから少しはみ出した、”501”であったことがトゥルーデに生み出した変化が、にじむ描写だなぁと感じたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
昔の彼女だったら、首都奪還にもっと焦って、身近な軋轢に目向かなかったと思うのよね。日々を暮らし、戦いに勝ったからこそ、生まれた変化だと思う。
幼い子供に目線を合わせ、自分の大事なものを通じて相手の大切を知る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
トゥルーデの助言に背中を押され、二人は仲良しに戻っていく。ここで謝るのがシャーリーなのが、ルッキーニの不変を象徴してる感じもある。
そこまで、大人にはなれないのだ。
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ワクワクに眠れないシャーリーを照らす、静かな月光。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
子供を相手に自分から謝れる”大人”のようで、胸の中に”速さ”を求めた瞬間をまだ、活かしている。
そんな彼女のこだわりが、今回は空中に爆散する回である。形がなくなるからこそ、変わるからこそ、永遠に残るものもある…という話か。
シャーリーが月光の中静かに収めるものを、芳佳はまだ制御できず、ルッキーニは溢れる思いを暴走させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
やはりここでも、ルッキーニの根っこはプロペラ付きバイクを造ったときと同じで、想いを上手く制御する方法を知らない。
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そういう凶暴な純朴さがルッキーニのキャラ性であり、それを受け止めるのがシャーリーの役目。二人まとめて支えれる所まで、トゥルーデも近づいてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
前半あれほどこだわっていた”バイク”という形を捨てて、三人は大事なものを手に掴む。
ちょっと”賢者の贈り物”テイストもあるわな。
感情面では完全に終わった雰囲気だったが、そういえばネウロイさん倒してない! ペリ公良いこと言った!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
まぁ”愛”を確かめたスピードクイーンに速さ勝負で勝てるはずもなく、ネウロイは爆発四散!
毎度空気を読んだピンチ演出、お疲れさまです!!
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赤い夕日の中、取り戻した微笑み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
時々ケンカもして、でもずっと笑顔で仲良しで。
そんな二人の日々に、もう愛機はいない。
でも、確かに限界は超えていた。全てを出し尽くして、まだまだ続く明日へと少女を送り出し、老兵は静かに眠る。
ラストカットは寂しくも美しく、大変良かった。
そんな感じの、シャッキーニ+トゥルーデの変化と不変でありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
ここまで衝突なく進んできたコンビが、”三期”になって当たり前のすれ違いと、だからこそ確認できる絆を受け取る回だったかなー…エイラーニャとかハルトマン姉妹とかが、既に済ませた部分。
そして時代遅れのバイクをフェティッシュに、二人のキャラクター性、幼さとこだわり、想いの力を上手くまとめたエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
バルクホルンも良い助演だったが、改造されプロペラ付けられ弾けて散った”彼”の、物言わぬ獅子奮迅が支える回でした。
”ストライクウィッチーズ”という形を大事にしつつ、変化するもの、変わらないものを追いかける三期。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月29日
次回は故国を開放し、すっかり聖女が板についたペリ公メインのお話です。
ぶっちゃけ変化の種が少ない、既に完成されたペリーヌをどう書くか。次回も楽しみですね。