ワンダーエッグプライオリティを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
奇跡を求める少女たちの闘争は、様相を変えてくる。
嫉心に牙剥くアンチに対するべく、ポマンダーから生まれる新たな力。
一方アイを取り巻く現実も、変化にひび割れ形を変えてきた。
殻の中から顔を出すのは、美しい花か、醜い怪物か。
雛は、卵には還らない。
そんな感じの、ワンプラ新章折り返しである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
四人の主役が全員顔を揃え、戦う理由も問いただし、ひとしきり状況が整ったところで、幻想の闘いも現実の状況も変化を迎える。
それがロクでもない方向に進むのはまぁ間違いないっぽいが、孵ろうとする卵を止める手立てはない。
玄関に突っ込まれた革靴の主は、幸福な夢を食いつぶすワンダーキラーか、見た目通りの素敵な王子か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
沢木担任という卵の中身も、踏み出し走り手を触れて割ってみなければ、確認することは叶わない。
願わくば、孵卵するのが悪夢でないことを祈りたいが、おそらくは叶わぬ望みであろう。
アイちゃんは瞳から涙を、血の雫を、降り注ぐ雨を濡らしながら走っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
その疾走を、未来へと突き進む歩みを止めることは出来ない。
物語は否応なく変化と終局に向かって滑り落ちていって、その渦中で少女は傷と強さを手に入れていく。
動かぬまま変わらぬことは、主役ならば許されない。
どうあれ、卵は孵っていく。状況は変わり、見えないものは形を得ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
何も知らなかった時代に戻ることも、殻の中の未分化な幼さに帰ることも出来ないのだから、卵は割るしか無いのだ。
それがオムレツになるのか、誰が食べるかは…最後まで行き着かねば判らない。怖い話だよ…。
というわけで、アイちゃんを追うミテミヌフリは仮面を捨てて、新しい仮面を手に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
傍観と窃視よりも牙の鋭い、匿名の有象無象。積極的に噛みつき、血を求める嫉心の怪物たち。
アンチ。
その狙いは亡霊の少女ではなく、それを守る戦士にある。
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不思議な卵(ワンダーエッグ)の闘争には、優先順位(プライオリティ)がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
最重要は時間制限まで卵を守り切ること。
可能であれば勝利すること。
アカは安全圏から子供たちを見守り、環境の変化に示唆を与える。
あるいは、その闘争を窃盗する。どっちも、大人の特権か。
卵を巡る闘争に勝ちきり、戻るはずのない時間を巻き戻して、死者ともう一度語り合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
そんな奇跡を引き寄せるための闘いで、アイちゃんは亡霊の傷を、やっぱり手当してしまう。
勝っても塵に帰るだけ。それを知りつつ、流れる赤い血を他人事とは思えない。
優先順位は、常に混乱している。
例えば、復活の奇跡が何処にもなかったら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
あるいは、同じ願いを背負う戦友を蹴落とさなければ、掴めないものだとしたら。
世界が全てを叶えてくれない、残酷なものだからこそ優先順位はつく。
嫌な想像ばかりが脳裏をよぎるが、最悪への備えくらいはしておきたい。俺は…弱いアニオタだッ!!
さておき、アイちゃんとママの食卓はあくまで優しく、殻の中に踏み込みすぎずに過ぎていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
携帯見ながら食べてもOK、あくまで可愛い娘優先。
そんな大戸家の当たり前に、罅が入っている気配をアイちゃんは、いつもと違うスキヤキから敏感に感じ取る。
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ここまで幾度も重ねられてきた、いつの間にか玄関に入っている革靴のメタファー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
自分が安住できる子宮に分け入って、ママを(あるいは親友)を追い出していくファロスの暗喩。
それを嫌悪しつつ、何処かで向かい入れるような…自分の内側にある、見えない怪物。
”枕営業”の意味も知らない、ひよこのアイちゃんの荒れっぷりは、そんなものへの不器用な闘争だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
後にヤエちゃんの世界で展開される、亡霊との闘いとも似た反抗を、仲間たちはボンヤリと優しく見守る。
目に見えない、言葉にならないからこそ、思春期闘争は厄介極まる。
まぁ、そういう事もあるよね。
アンチを退ける特別な力として、アカから授けられたポマンダー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
麝香や竜涎香を身につけるための、金属の殻。魔除けの力を期待された、美しい卵。
それは魔法の言葉とともに形を得て、少女たちを親にする。生まれるのは、あんま可愛くない爬虫類たち。アイちゃん変な顔可愛い!(発作)
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差し出されたものがどんな装身具なのか、即座にわかるのが桃恵なあたり、彼女の興味傾向が見えて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
己を飾るもの…女の属性を帯びる(と、世間一般に扱われるもの)が、彼女は好きなのだ。それなのに、女からラブレターを貰って泣かせ、ため息もつく。
なかなか、ままならない。
ポマンダーの奥には、魔除けの香気が宿っている。そこから孵化した存在は、エッグの少女たちを擬似的な親へと、半ば強制的に成熟させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
おままごとめいた、命との秘密のふれあい。
己を頼り助けるものを身近に置くことで、少女たちはどう変わっていくのか。
それも、今回多数刻まれる変化の一つだ。
夢の中で子トカゲはアンチを食う獣となって、アイの闘いを助けてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
どす黒い感情を好む存在は、ムスク香る守護獣なのか、はたまた同根だからこそ厄を集める荒神か。
解らぬまま、一瞬生まれた平穏に身を寄せて、アイはヤエちゃんと話していく。
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逃げ隠れたトイレの中の、更に閉ざされた場所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
卵の中の卵で、ヤエちゃんとアイちゃんは相互理解を深め…られない。
見えない亡霊に怯え、たった一人孤独に闘って死んだ少女の世界は、鏡にも目にも映らない。
しかし怪物はそこにいて、無形の暴力でアイちゃんを打ちのめす。
見えないものに打ちのめされ、フラフラと酔っ払うパンチドランク・デイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
思えば思春期(あるいは人生)とは大概そんなものかもしれないが、卵の少女たちを取り巻くサイダーは常に致死性である。
『そこにいる!』という叫びとともに、混濁した記憶が呼び覚ますのは、一匹の侵入者。
それは正体も定かならぬまま、怪物めいていつの間にかそこにいて、勝手に卵を割っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
自分だけを守り、愛してくれる母親を”女”にしていく、革靴の侵食者。
自分の心の見えない部分に、卵を割って滑り込んでくる異質なる性。
微笑みの奥にあるのは、恋か呪いか。
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アイちゃんの言葉にできない思いを反射する卵は、ネトネトと生々しい肉の侵食を受けて潰れ、混ざってしまう。それはもう、元には戻らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
それは、ママと私の世界を壊す。
小糸ちゃんと私の世界を乱す。
それだけで終わらない無防備な卵を、アイちゃんは抱えていると自認しない。
不定形の亡霊のように、形なく侵入しかき乱す存在。それに否応なく、不可逆に変化させられる私。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
鏡に写った己という、見えない怪物もまた、生死のかかった闘い以上に少女をかき乱す。
それは常に、殻の中にあってよく見えない。確かめるためには、殻を割らなければいけない。
そして割れば、元には戻らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
フードを外し、いらだちの理由を話したアイ。
彼女に視線を合わした桃恵は、冷たい怒りを込めて去っていく。写り込むゴミ達が、四人の関係に入った罅を、その生々しさを上手く反射する。
小糸の死。母との関係。複雑怪奇なノイズの奥。
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そこに、卓越した知性を持つネイルはオッカムの剃刀を携え、スルリと切り込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
必要以上に複雑な仮定を、すっぱりと切り落とす残酷な刃。
それを振るわれることで、アイちゃんは自分が気づいていない状況因子を可視化していく。
見えない怪物に、形と名前を与えていく。
先生が好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
この一項を状況に加えるだけで、モヤモヤと形にならない殻の中の幻は、確かに鮮明に変わっていく。
だがアイちゃんは、恋する自分をまだ知らない。
彼女が頑是ない子供であり、だからこそ正しく強いことは、ここまでたっぷりと描写されてきた。
アイちゃんはねいるが切り裂いた怪物を、ありえないと否定し暴れる。しかしそれは、確かにそれがそこにいるからこその、反射的な拒絶にも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
恋の卵の殻を割って、中身が溢れ出した時。
真っ直ぐな純粋さだけでは、どうしても答えがでないものを引き受けた時。
はたして何が生まれ、何が損なわれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
それは誰にも判らない。
割りたくないと思っていようが、それは孵化し素敵な輝きを、泥のような思いを撒き散らしていくだろう。
その流れは、もう止められない。怪物は元々、確かにそこにいたのだ。
羊水に微睡む赤児の時間が終わり、アイちゃんは戦場に目覚める。産み落とされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
目の前には、ミテミヌフリは出来ない犠牲者。便所の殻からはもう身を乗り出して、厳しい外気に身を晒している。
ならば、闘わなければいけない。
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暴力の残滓しかその存在を証明しないような、見えない怪物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
居るのに見て見ぬ振りをしているわけではなく、見ようと目を凝らしているのに見えない存在。
それは、今までのワンダーキラーとは少し、様相が変わっている。悪意を押付け、エゴを垂れ流しに子供を食う怪物とは。
アイちゃんは見定められない怪物に、それでも逃げずに立ち向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
殴られ、吹き飛ばされ、傷つくその姿に、ヤエちゃんは恐れて狂う以外の道を選び取る。怯えるだけの被害者ではなく、共に戦う同士になる。
やはり、エッグの少女たちが戦士に託すものが、戦況を決める。
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数珠。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
祈りの回数を数える道具、震える心を落ち着けるお守りが、アイちゃんに見えなかったものに形を与えていく。
先生に携わる、私の大事な人達。
先生を見つめる、他でもない私。
透明に荒れ狂うものは形を得て、きれいなモノと汚いモノが重なっていく。fair is foul, and foul is fair…。
痛みに涙を流し、血みどろに吠え叫びながら、アイちゃんは暴力に耐え、立ち上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
戦う力を手に入れ直し、誰にも認識されなかった怪物を、誰にも理解されなかった少女の苦しみを、見つめて抱きしめて…あるいは殴り飛ばしていく。
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怪物少女は、自分を認識するアイちゃんを認識した時、一瞬動きを止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
そこにどんな発見があったか、語られることはない。
『見つけられることを望んでいた少女』という属性は、エッグの子供たちと同じなのに、怪物となって少女を食らう存在。
それが、異質な他者なのか、鏡に写った同志なのか。
今はわからない。アイちゃんは、怪物と友達になることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
何かが変わりつつあって、しかしそれが何か、不鮮明なまま変化は積み重なる。
ミテミヌフリがアンチに変質したように、ワンダーキラーとの闘争、卵の少女への救済もまた、形を変えつつある…様に思う。
変わらぬものも勿論あって、アイちゃんはヤエが見ていたものを(ヤエが闘争の叫びとともに投げ預けたものを力に変えて)認識し、その孤独を抱きしめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
大変だったね、辛かったね。
お人好しに許してしまえる靭やかさは、ねいるが言っていたようにやはり、大事な救いだ。
チャイムがなり、闘争は終わる。今までのワンダーキラーが垂れ流していた鮮血を撒き散らさないまま、怪物少女は光に消え、ヤエは塵へと帰っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
許しと共感が与えられた時、ヤエの顔にかかっていた影が消えるのが、鮮烈な表現である。
確かに、抱擁は救いなのだ。
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夢の中、見えないものに形を与える闘争を終えたアイちゃんは、母が用意してくれた食事を拒み、羊水の中のまどろみから豁然と走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
涙の方に頬を伝う雨は、ヤコブの梯子が幾つも伸びる不可思議な空から、アイちゃんの情熱を濡らす。
©WEP PROJECT pic.twitter.com/va5Vmvp098
夢の中、見えないものに形を与える闘争を終えたアイちゃんは、母が用意してくれた食事を拒み、羊水の中のまどろみから豁然と走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
涙の方に頬を伝う雨は、ヤコブの梯子が幾つも伸びる不可思議な空から、アイちゃんの情熱を濡らす。
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それは卵の時代からの決別、見守られ方向づけられ支配される季節の終わりに、ひた走る疾走なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
エッグの世界で見つけ、勝った怪物が自分の中にも確かにあることに、アイちゃんは多分気づいてしまった。
ならば、止まることは出来ない。オムレツを卵に戻すことは出来ないのだ。
両手をしっかりと振って、背筋を伸ばして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
アイちゃんが晴れと雨の境界線をひた走る姿が、美少年の颯爽を宿しているのが好きだ。
そこに性の別はなく、全ては曖昧に未分化で、何もかもが混ざり合い、形を持たない季節。
それは、必ず終わる。
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雨と晴れの入り交じる時間は終わり、アイちゃんは答えを見つけてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
怪物に形を与えてしまう。
卵の殻を割り、その中にあるものに手を伸ばしてしまう。
不可逆の変化が、透明で見えないものに形を与えていく。そうでなければ戦えず、生き残ることも出来ない。
大人は分別よく空を見上げ、何もかもがあやふやだった時代に”天気雨”という名前をつけてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
アイちゃんは上記した表情で、自分の心の中を見つめていく。
卵が還り、光が射す。
オッドアイを隠す覆いを、引っ剥がす一つの決意。
アイちゃんは、学校に帰る。
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それが完璧な祝福たり得ないことは、彼女の戦場もまた”学校”であることから学び取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
それでも彼女は、自分の心の中に、雨と光が入り交じる場所に、見えないものが鮮烈な形を手に入れる場所に駆け出して、掴んでしまったのだ。
それを、止めることは出来ない。オムレツは卵には戻らないのだ。
卵が孵るのは、未分化な胚が定められた刺激を受け、様々な組織…恒常星を守る殻の中ではなく、刺激に満ちた外界に対応する器官を生み出した時だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
曖昧なものに形が与えられたときこそ、卵は割れる。
アンチは明確な敵としてエッグの戦士たちを認識し、見えない亡霊は見えるようになる。
そしてオッカムの剃刀が、否定し得ない思いを捕まえて、少女は光の中に走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
その強すぎる輝きに込められた禍々しさに震えながら、ただただ、生き延びることを望む。
それが幸福な恋であることなど、期待も推測も出来ようはずがない。
ただ、卵から這い出した怪物に、君が喰われないことを。
遠くから祈りながら、卵の中の物語を来週も待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
変化、分割、鮮明、孵卵。
否応なく訪れる不可逆な時の流れが、様々なものを生み出しながら突き進む。
その激流が生み出す呪いを、ポマンダーの怪物達が守ってくれますように。
次回も楽しみですね。
追記 一つ積んでは友のため、一つ積んでは死者のため。その果てにあるのは、おそらく救いではない。それでも、祈りの数を数えずにはいられないのだ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
アイちゃんはエッグの世界から、ポマンダー(に込められた、小さな命)だけでなくヤエの遺品も持ち帰る。
それは世界の形を決定的に、不可逆に変えてしまう決断にひた走る時に、お守りとして握りしめられ寄り添う。
彼女は夢の異界から、形のあるものを現実に持ち帰るようになる。
©WEP PROJECT pic.twitter.com/xAIuhvbjly
それがどんな作用と変化から生まれ、何をもたらすかは判らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
数珠は祈りの数を数える道具だ。
今後もたくさんのエッグの少女たちを救い、無念を出きしめていくだろうアイちゃんが、求める奇跡のカタチ。
一人救うほどに、小糸ちゃんとの再開が近づくのだと、縋る血みどろの連祷。
それを刻む道具を掴んで、アイちゃんが駆けていく演出には、躍動する力強さと、美しくおぞましい不安と、微かな祝福が入り混じっているように感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
無形の混沌を名付けた後で、どんな戦いが待っているのか。怪物は祈りの中にいるのか、呪いの形で外を彷徨くのか。
物語はまだ、形を見せきらない。
あと決定的な変化が刻まれる今回、エッグの少女が片目を眼帯で隠した、ある意味アイちゃんと鏡合わせのオッドアイ持ちだったのは、エグいキャラデザだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
彼女は彼女だけに見えるものに怯え、潰されて死んだ。それがアイちゃんの未来図なのかは、卵を割った先にしか見えないのだ。
追記 卵を割ると、中に新しい卵がある。積層卵の無限構造。
ワンエグ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
縁が深くなった四人だが、誰かが夢での死を現実に反射させて倒れた時、残りは今戦ってる理由を投げ捨てて、戦友の蘇生を求める事になりゃしないかと、余計な心配をする。
奇跡を求める戦いが、否応なく犠牲を生み、それを反転させるためにまた奇跡を求める。果て無い沼だな…
闘う理由と、闘いの渦中で出会った大事な人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月17日
どっちに奇跡を願うのか、という優先順位は、この座組だと顔出してきそうな気もすんだよなぁ…。
卵の話だけに、ミステリーの奥にあるものが何か、自然手を伸ばし探らせる作り、殻に魅力的な絵を書く手法が鋭い。アイちゃんの真意も、未だ殻の中だし。
追記 Eureka!
ワンプラ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月21日
アイちゃんが風呂場で豁然と悟り、見つけた真理のためになりふり構わず突っ走るところは、浮力の法則を発見したアルキメデスなんかなー、と思う。
彼女のエウレカが何に繋がっているかは、読みきれない伏せ札だが。恋よりも、小糸ちゃんの死の真実かなー…。