グランベルム：第7話『ミス・ルサンチマン』感想ツイートまとめ

グランベルムを見る。
不死鳥は、炎の中から蘇る。焼け焦げた憎悪と愛情が、心にこびりついて執念を動かす。
アンナ・フーゴと新月・エルネスタ・深海。運命が結びつけ、切り裂いた義姉妹の旅路に決着が付く。
それは血と涙で書いた、凄絶のラブレター。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

そんな感じのアンナさんさようなら回である。日笠陽子の本気が唸り、余りにトンチキなセリフ群に多分笑ったほうが良いんだろうけども、イヤマジ、余りに悲惨すぎて笑えねぇっす…。
去るアンナも、残る新月もな～んも満たされなくて、情念の行き着く先は荒野だなぁ、とつくづく思わされる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

アンナさんは適度に負け役をやったり、グランベルムが飲み込む感情の強さを体現したり、儀式が生贄を必要とすることを身を持って教えてくれたり、非常に優秀で献身的なキャラでした。
ここで去ることが彼女最後の物語的貢献なんだろうけども、よくやった…と言いたいと同時に、あんまりにあんまりで…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

そんな彼女が末期に咲かせた花を見ていく前に、OPで既に描かれて気づいたところを。
魔石を通すと、魔術師は基本瞳を閉じる。陰湿極まる水晶ですらそうなんだけども、アンナだけ緑の瞳をカッと開くのよね…終わってみると、納得の差異であるけども…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

今回のお話は新月のアンナの話であり、他のメンバーは基本部外者。しかし外辺の落ち着きを描くことで、死に至る高熱がより顕にもなる。
寧々ちゃんの幸福なリタイア。砕けた石を置いて”お守り”を満月に託せる優しさ。
そういうモノわかりの良さは、アンナにはない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

外部から何かを見届ける。主人公もネトネトの家庭事情を前に傍観者であって、義姉妹が母を見守る最前線から距離を置かれている。
クレアの糾弾に助け舟を出そうとして、踏み込みを止められる。空疎な空白、根拠のない”大丈夫”は、余りに無力だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

逆光の濃い闇を背負いつつ、新月は義妹に視線を合わせ、自分に出来る限りの正しさで約束をする。
そうすることしか出来ない。正しくあること。当たり前に情が通う瞬間を夢見ながら、それが何もすくい取らない哀しさに身を浸すことしか、望まぬ才を刻まれた少女は掴めない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

その致命な空回りを、持てるものの傲慢だと罵れれば、アンナの憎悪だけが真実だと思えれば、見る側はある意味楽である。
が、この兄目はそういう風には書かない。新月も彼女なり、必死に家族を愛そうとして、それでも決定的に届かない。才が幸福に至る道を、徹底的に潰す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

一見隣り合っているように見える満月も、名前が示すように当然逆さ合わせで。
赤い水辺に踏み込んでいく歩み、才持つ苦しさを吐き出す新月の側に、主人公は寄れない。
石は落ちる。魔法は解ける。完璧に傷つかないものなど、何処にもありはしない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

決戦前夜の夜闇の中で、満月はやはりカツサンドを差し出す。”カツ/勝つ”に言霊を乗せた、語呂合わせも一種の魔術行使か。
思いのこもった食事を味わい、新月はいつものように『普通』と評する。そこに切実がこもっていることをもう知っているので、満月も微笑む。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

満月と新月を繋いだ、新月の清らかな人格。優しさも強さも、アンナにとっては憎悪の対象でしかない。
呪いのような赤い月に食われながら、クリムゾン・ウィッチの末裔は妹の涙を拭う。
多分それが、彼女が姉であった最後の瞬間。
家名、”普通”の人間としての幸福、魔術師の夢。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

今や全てがどうでも良いと、自分の中には愛を糧に燃える憎悪しか無いと、アンナは夜と同化しながら呟き、緑の光になって消える。
魔力そのものに圧縮され、赤子のように泣きながら消えた終末の、それは予言だったのだろう。最後に見る姉が”あれ”かよ…マジでクレアが悲惨。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

アンナ最後の晴れ舞台は、燃え盛る炎を宿した地獄の景色。亡者のように、何度砕かれても蘇りながら、ただただ憎悪を引きずって走る。
『頭は氷のように冷静に、心は炎のように熱く』
アンナも口にする慣用句だが、彼女を支配するのは茹で上がった理性と、劣等感に凍った心である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

凡人が神に愛された天才に食らいつくには、そこまでネジ曲がらなければいけないと、バトルが語っていく。
沢山のアイデアが投入された高速バトルシーンなんだけども、兎にも角にも悲惨で、アクションを楽しむ余裕がない。
多分、作ってる側の狙い通りだと思う。初めて死人が出る話だからね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

新月は持ち前の才能で、圧倒的なパワーを手に入れたアンナを翻弄する。
姉を傷つけたくなかった。思い出を守りたかった。
その優しさが、事態をここまで追い込んだ。ただしい指摘だろう。だがどうすればよかったのか？　優しい人に、優しくなくなれ、というのは難しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

何がどうなろうと、二人はもう行き着くところまで行くしか無いのだ。
高まりきった妄念は、手足を奪う程度では止まらない。不死鳥は、炎の中から何度でも蘇る。氷を砕き、刃に変える。その度に人形はおぞましく、強く姿を変えていく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

バトルが何度もあるのが、（新月の大好きな）『普通』じゃもう収まらない感情のこじれを強く印象づける。
悪鬼の王のように、沢山の使い魔を呼び出す凡人。たった一つ、圧倒的な才覚を精霊に宿し”質”で勝負できる天才。
バトルを構築するロジックが、冷静にキャラを捉えて容赦がない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

二度目の決戦でアンナが惑わされたのは、過剰な炎と氷が生み出した蜃気楼だった。
エルネスタへのコンプレックスを肥大化させ、惑わされきって道を違えた歩みと、戦いの軌跡はシンクロしていく。
正しく勝利を重ねても、新月が何も掴みきれないのも同じだ。勝っても勝っても、殺意は終わらない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

幾度目かの決着。『あなたは私に勝てない』という事実の確認。血の涙を流し、あるいは影に真意を隠す情念を、満月はぼーっと見守るしか無い。
やはりここでも、常人は超常から阻害される。魔法を手に入れても、巨大な感情に踏み込む権利は発行されない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

新月とアンナのコンプレックスは、年月を重ねたからこそ強靭である。偶然行きあって仲良くなったポッと出が、口を挟めない時間の蓄積。
それはどれだけ魔術の才能があっても埋められないし、世界から切り離された疎外感は満月の原風景でもある。
それを埋めるべく魔法を求めたのに、また無力を思い知る

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

あんま目立たんけども、満月にもキツいバトルだな、と思う。
エルネスタの魔術は時を巻き戻し、出会った時の氷の城を蘇らせる。想い出の原風景、お互いが姉妹になれそうだったあの時間。
でも、今更そんなの出されても、帰れるわけ無いじゃん。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

アンナの糸繰り場に、青い新月の幻影が立つ。高い位置から見下ろすポジションは、アンナの嫉心が生んだ妄想か、客観的な才能の格差か。
あるいはもう、思いと現実の区別はないのか。その境目をなくすのが、魔術の魔術たる由縁か。
因縁の処刑場たる雪の城は、あまりにも悲しい色をしている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

あの時、フーゴの一員として無邪気に受け止めてくれた手。氷の中を、温かい歓待を探してくれた姉。
それは不意打ちの炎となって吹き上がる。新月の糸繰り場で、アンナは両足で立つ。同じ目線、同じ才能、同じ立場に這い上がったのだと、殺意が昇る。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

差し出された善意を受け取ったのが悲劇の始まりだったのだとしたら、どうすれば良かったのか。
心を凍らせて、力は人を不幸にすると諦めて、誰とも触れ合わなければよかったのか。
それでも、私は触れ合いたい。普通に笑い合いたい。
新月の幼い願いが、ぶった切られ燃やされ凍りつかされていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

新月は朦朧とする意識の中で、アンナの殺意ではなくグランベルムの歯車を見る。
力そのものといえる圧倒的な才覚が、人としての不幸を呼ぶ。魔術師であることの末路が”ここ”なら、いらない、いらない、いらない。
殺傷の歓喜の中で、アンナもまた自分を見ない新月を、見ない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

涙は宝石。あの時手渡された可能性。家族になれる、幸福になれる約束と夢。
全ては砕けて散っていく。新月の”才”は、極限で姉を殺し、勝利を掴み取る。掴み取ってしまう。
背後の刃に気づかぬ非才。隠し通せてしまう天才。姉妹は、最期まですれ違う。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

バトルモノとして圧倒的なアドバンテージである『生き残る才能』『相手を殺す才能』が、新月が本当に欲しかったものをぶっ殺す展開は、余りに巧妙で残酷である。
その才能がアンナを引きつけ、燃え上がった愛が憎悪に変わり、冷たい離別を生んだことも含め、間違いきることしか許されなかった姉妹。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

雪が降る。涙は凍って、再び魔石になるのか。その瞳は、何を写すのか。
アンナを説得する時、新月の言葉の選択が決定的ずれているのが悲しかった。
母妹の愛は、もう彼女を現実に繋ぎ止めるアンカーにはなりえない。ありうるとしたら、それは新月自身がここ迄身を削り、救済しようとする理由だけ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

でも家族もなく、買える場所もないと思いつめている新月は、自分の言葉がそんな力を持つと信じられない。
今更『アイシテル』なんて言われても、アンナは戻ってこれなかっただろう。
でも燃え盛る氷と、凍てついた炎が一方通行ではなく、見上げるだけしかない星も自分を見ていたと知れたのなら。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

…仮定は虚しい。
新月はそういうクリティカルな”普通”を、絶対的に掴み取れない少女であるし、アンナもまた圧倒的に間違いきった。
この結末は必然。幸福な出会いが、家名と才覚に捻れきり、バラバラに砕けた果ての景色である。
それでも、余りに悲痛である。死んだアンナも、生き延びる新月も。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

それを傍観するしかなかった、空白の主人公も。
少女が魔力に食われても、世界は続く、月は満ちて欠け、再び満ちる。グランベルムは続くのだ。
”死”という最悪のハードランディングを超えて、魔術師達は日常と非日常に何を見るのか。何を望むのか。
来週も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

Dr.STONE：第7話『200万年の在処』感想ツイートまとめ

Dr.STONEを見る。
時を超えて、不屈の科学精神が脈を打つ。
司帝国の暴虐に反抗するべく、まずは仲間探しからッ！
妙に気の合う雌ライオンと、科学の衣鉢を継ぐサイエンス・ボーイ。堅物門番とビビリの弟も加えて、千空の新たな闘いが加速していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

そんな感じの第二部開始、まずはジャンプイズム”友情”行くぜッ！　とばかりに、ストーンワールドの科学野郎と熱い呼応が生まれるお話である。
原作の強みである表情の強さが、よくアニメに焼き付く仕上がりであり、妖術勝負の軽やかなおかしみもあり、アップテンポで楽しいエピソードとなった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

千空がクールガイ気取った人情熱血野郎なのは、アニメから入った視聴者もそろそろ判ってきた頃合いかと思う。
憎まれ口を叩きながら、姉を思う女の顔。それを聞きながら、軽口叩く男の顔。時代と性別を超えた”情”の呼応がよく見える。
©米スタジオ・Boichi／集英社・Dr.STONE製作委員会 pic.twitter.com/kJtIdr0GuD

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

50キロ超えの温泉はコハクの愛の重さであり、それを運び続けた時間の重さである。
千空はそういう地道な努力を、けしてバカにはしない。軽い調子で、しかし確かに手を差し伸べ、荷物を持とうとする。
貧弱ボディが支えられないなら、科学チートで荷車作ればいい！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

コハクとの信頼関係は結構なスピードで構築されるのだけども、ダイアログに濃いめの情が滲んでいることと、それを匂わせる表情の芝居が良いことで、結構飲み込めてしまう。
誰かを思う気持ちは、色恋にはならなくとも通じ合う。コハクのサッパリとした魅力もよく伝わる、いい出会いであった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

風通しの良い情感だけでなく、悪巧みや凶暴さでも二人は通じ合っていて。
この闇色濃い表情もしっかりアニメにしてくれて、とても楽しかった。悪辣なところは、徹底的に悪辣なのよね。そこが頼もしくもある。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

暑苦しい熱血漢とクールな科学野郎。炎と氷の正反対が、相棒感を高めていた大樹とはまた違う、共鳴する部分が多いコハクとの繋がり。
色んな相手、色んな繋がり方で力を合わせていく多様性は、このお話が大事にしているモノの1つだと思う。
だから”敵役”である司は、それを踏みつけにするわけね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

千空の心意気に惚れ込んだコハクの導きで、あっという間に村の仲間入り…とは流石にいかない。
村への入口を守る金銀兄弟、騒がしさに呼ばれた現代の科学少年と、新しい仲間がドシドシ集まってくる。
そこら辺は、段階踏んで攻略やね。人間関係にチートはなしッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

ストーンワールドでも、どっこい生きてる好奇心。そして誰かへの仁愛。
コハクもクロムも、ルリの病を治すために走り回っている。思えば千空も、石化解除剤とか滑車とか、救命医療用品ばっかり作ってるな…あ、石鹸もか。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

クロムとの妖術勝負は、何も知らねぇ原始人をチート知識でいてこますカタルシス…を形式上は満たしつつ、どっこい生きてた科学根性に敬意を払い、友情の手を差し伸べる展開となっている。
知識量は圧倒的に千空のほうが上だけども、クロムが積んだマテリアル、死なずの科学精神には敬意を払う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

ちゃんと相手を見て、必要なリスペクトを差し出せるのが千空の良い所で、そういう優しさはルリを思うコハクやクロムと共通だ。
時代が遠く離れても、心の根っこが通じ合える奴らがいる。同じ目標（ルリの人命救助）に向けて突っ走れる。
2章開幕で、こういう太い軸を立てれたのはとても良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

目的は司帝国の打破なのに、武器とか支配とかを迂回して”薬”作りに行くところがこのアニメっぽくて。
前回の滑車でも、回想シーンの悪戦苦闘でもそうだけども、千空はかなり助けれる人命は助けたい人なのよね…科学技術単品よりも、それが可能にするより善い生に興味が強い。科学哲学者よりのメンタル

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

クロムが妖術を学ぶのも、それがルリを助けれるかも知れないから。
同時にそういう個人的な事情を超えて、千空が語る科学文明とその崩壊に、熱い涙を流せる男でもある。オレサマ科学野郎と思いきや、存外視野が広い。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

時代が置き去りにし、千空だけが背負う旧文明への涙。
新しい友が自分のオリジンに流す涙を、千空はやっぱりしっかり見る。
相手が何を大事にしているか。表面的な態度で受け流すのではなく、どっしり構えて受け止める腰の強さがメインキャラ全部にあるのは、話の背骨が強い所。”仁義”なんだよなぁ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

『未だ終わっちゃあいない』と力強く宣言し、過去から蘇った科学者と、ストーンワールドの妖術師は手を携える。
ここで千空が『俺のアタマ』と『オマエの胸』、両方に科学が生きてると宣言するところが好きだ。根源的に”他人”が好きな主人公。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

マンパワーマンパワーと、他人を労働力の数字扱いしているように見えて、千空は一人ひとりが持つ能力や価値観、そこから滲む”情”をよく見ている。
そんな気質を感じるから、新しく出会った仲間も絆され、結束が深まっていく。金メッキで滑り込んだチョロ蔵門番も、すぐ仲良しよ。アイツ良い奴だから…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

というわけで、司帝国との対決を前にまずは地盤固め、ストーンワールド先住民との接触編でした。
科学知識で”原住民”を蹴っ飛ばすチートの気持ちよさと、人と人が時代を超えて繋がる熱さが同居スル展開で、作品の上手さと熱量を同時に感じることが出来ました。やっぱ主役がつえーわこのアニメ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

ルリの病を治すため、抗生物質という大目標をぶっ立てた科学ボーイズ。ロードマップは長く遠いが、友情と努力の二刀流で勝利までまっしぐらだッ！
と、順風満帆に行かないのがこのお話の面白さ。待ち構えるあれやこれやのアクシデントを、どう楽しく描いてくれるか。次回もワクワクしますね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月17日

荒ぶる季節の乙女どもよ。：第7話『揺れ、の、その先』感想ツイートまとめ

荒ぶる季節の乙女どもよ。を見る。
嵐のように、合宿の日々は過ぎる。惨めさと嘘と怒りと友情が、ないまぜになって空を舞う。
掴んだ光を雲が覆い隠し、届いた実感は思い込みで。思春期の複雑な色彩の中を、子供たちは激しく駆け抜けていく。
そんな風に時を刻みながら、獣らの祝祭が迫る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

そんな感じの荒乙合宿編終了！＆学園祭編開始ッ！ である。
モヤモヤをキラキラ青春パワーで押し流せたようで、根深い所に不和の種がまかれているようで、しかしバカどもの友情が全ての地盤になっているようで。
個人と集団、感情の明暗、色んなものが入り交じる作品の旨味は、じわじわ煮込まれていく

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

今回は群像劇というよりは集団劇として進んでいく感じで、状況が結構動く。同時に個別の感情と関係を彫り込む筆も、相変わらず強い。
個別の描写をしっかり繋げているのは、モティーフの受け渡しが的確だからだろう。おっぱいから心臓、届かなかったキャッチボール。要素の詩情を、全体性に活かす筆。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

物語はミロ先と本郷ちゃんの、隠微な交流から始まる。
同僚とのほのかな恋を思わせる、きのこ土産のお話は光に満ちた場所で行われ、本郷ちゃんとの接触はゴミ箱がトモダチの薄暗い場所だ。
教えごとのインモラルな触れ合い。表沙汰には出来ない交流。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社／荒乙製作委員会 pic.twitter.com/DQWWeRXkPe

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

そんな陰りを共有しつつ、本郷ちゃんのエロスとアガペは本物であるし、ミロ先が本郷ちゃんを受け止める姿勢には真摯さがある。たとえ、それが恋にはならなくても。
ミロ先は本郷ちゃんが”子供”であることを、教師として人間として大事に向き合っている
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社／荒乙製作委員会 pic.twitter.com/Jx7YByuxjF

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

細黒まわしがっぷり夜の本場所で挑発してきても、乗っかったふりで慌てさせて、自分が”子供”であることを思い出させる。
本郷ちゃんが（悲しいほどに）守備範囲ではないミロ先は、恋の遊戯を演じる余裕がある。本郷ちゃんはない。
そしてミロ先もまた、光と闇の淡いで足を止める程度には、発情している

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

ミロ先が完全に本郷ちゃんを翻弄しているわけではなくて、真摯に生徒（というか眼の前の一個人、一児童、一作家）を思えばこそ恋に歯止めをかけて、それでもふっくらと疼くエロティシズムに惹かれるものも感じていて、でもブレーキを頑張ってかけていて…という悪戦苦闘が、チャーミングでいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

後に悪魔のように菅原氏を翻弄する三枝が『悪い大人』の代表であるなら、ミロ先は『いい大人』の代表…というには、ちと優柔不断だけど。
でもその生煮えな感じが、逆に嘘っぽさを消してる感じもある。彼なりに本郷ちゃんに、真面目に向き合ってんだなー、と思える。好きだ、ミロ先…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

本郷ちゃんは高ぶる情欲を黒土の上で冷ましながら、みじめさを感じる。
報われないこと、欲求不満であることが存外、不幸であることと直結しない不可思議を、定形スケベ文しか書けなかった頭でっかちは実感していく。
どのような結末に終わるにせよ、本郷ちゃんの恋は彼女の糧になりそうだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

もーちんと曽根崎パイセンは対比で描かれつつ、接触（すれ違い）を深めていく。
”アタリかと思ったらフツーにハズレ”な男子に、個人的領域にズカズカ踏みこまれている人の顔と、”アタリ”な男子と一足先に恋仲になってる人の顔。あと美しい女を思う顔。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

もーちんが女体に敬意と情欲を、男体に不快感を持ってる描写がチラホラ見えるわけだが、それが彼女のセクシャリティへの目配せなのか、場繋ぎのネタなのか。
触るなら他のキャラクターの人格と同じように、優しさと本気を込めて掘って欲しいところだが、さてはて。キャラ記号で蕩尽はして欲しくないね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

もーちんは『男の子あんまピンとこない勢』としてり香を見てるけど、パイセンは一足先に『リア充恋愛勢』なわけで。
薄暗い場所で弄ぶ恋のメッセージを、『文芸部長』曽根崎り香は必死に覆い隠す。シケズラでリア充睨んでたくせによぉ…
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

変わってしまった自分。変わっていく自分を、仲間は受け入れてくれるのか。パイセンの自意識は、恋というクローゼットから真実を引き出さない。
キラキラ青春なhetero恋愛っつー、光の象徴みたいなネタが影の奥に押し込まれているのは、良い転倒だと思う。この世界の果てでは、非モテこそ光ッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

『そういう敗者の勝ち名乗りどーなの？　恨み目線で下から見上げて、色んなもの見落としてね？』つーのも、この作品を貫く視線である。
リア充（影の中の光）と非リア（今は光である影）に引裂咲かれたパイセンは、分断された領域に橋をかけれるか。的確に、恋に恋する喜びを言語化、文学化出来るか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

なかなか難しい闘いだが、リア充領域からかっぱらってきた化粧水はもーちんのお肌をもちもち饅頭にするし、ポッキー食べると同じ感想が出てくる。
なんだかんだ、彼女たちは先輩と後輩で、親友なのだ。あともーちんのまんじゅう顔は良い…最高。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社／荒乙製作委員会 pic.twitter.com/CZ7e6j7YoD

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

一方、青春の熱い泥沼に腰まで浸かった和紗と菅原氏は、脱衣所の直線的なレイアウトの中に、綺麗に配置される。
後ろの棚の縦線と、菅原氏の高いポジション。ベンチの水平線と、和紗の弱々しい自己認識。心理と物理が交錯する、良い配置。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社／荒乙製作委員会 pic.twitter.com/3nHbvACKnL

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

自分が下で、菅原氏が上。和紗の自己卑下をグイッと引っ張り上げて、菅原氏は友情ガチ勢として真っ向勝負を挑む。
恋に揺れているのも、ようやく掴んだ友情を大事にしたいのも、菅原氏の”本当”なんだろうなぁ…ミロ先のように、良い距離感でなだめすかしたりは出来ないところが”らしく”て良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

和紗が憧れ（ると同時に、等身大のトモダチと向き合う壁になって）る菅原氏の顔面の良さ。
それは嫉妬と隔意を生んで、彼女に友達を作らせなかった。文芸部でようやくフラットな関係を掴めたと思ったら、勝手に下に入って顔面カースト生んできて、そらイライラもする。大事だからこそ、イライラもする

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

和紗は感情を真正面から受け止めるのも、理性で判りきっている結論に踏み出すのも、思いを言語化して届けるのも苦手な、弱い主人公だ。
菅原氏のクレバー真っ向勝負、青春ぶつかり稽古にはなかなか応じられない。応じたら勝てない、という弱者の計算もあるのだろう。生っぽい…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

このまま正面衝突かと思った時、曾根崎部長の大岡裁きが下り、ど真ん中青春ぶつかり稽古－枕投げ部屋－が開催される。
言葉で傷つける哀しさ、言葉で思いを伝える大切さ。アホ極まる断り書きが、言葉の力を体現しているのが面白い。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

すんごい勢いでHoney Worksなキラキラ枕投げは、和紗の心からモヤモヤを飛ばし、なんか問題は解決した風味になる。
しかし、本当にそうか。ミロ先と本郷ちゃんのアモラルも、曽根崎パイセンのリア充化も、秘密のままだ。菅原氏の激情にも、和紗は言葉で確かなものを返せたわけではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

でもまぁ、先輩としての威厳ある姿を最後に持ってきて、パイセンがただの脳髄ピンク浮かれモード女ではないことを思い出させてくれたのは、フェアでいいと思う。
この堂々とした文学の先達っぷりも、曽根崎り香の真実なのだ。でもそれを、恋と出会った自分と共存させる方法が、未だ見えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

脳髄空っぽになるまで暴れまわって、掴んだ光（ロゴス）
伝説は結局、リア充サイドが最初に提案してきたものをちょっと文芸部アレンジした所に落ち着く。
心臓とおっぱい。和紗はおっぱい比較病から抜けれるのか。もーちんの熱視線の奥には何があるのか。場所を変えつつ、繋がるモノの描写がうまい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

部長は伝説を無事捏造することで、自分の恋を白日に晒す”森”を手に入れる。その光はしかし、雲に隠れて不穏でもある。
合宿から文化祭、キラキライベントを青春パワーで駆動させつつ、秘密と臆病が友情にヒビを入れていく様子を、カメラは見逃していない
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

嵐が吹くか、光が照らすか。文芸部という人生の箱に乗っかった仲間が、何処に行き着くかは、まだまだ見えない。
嵐と光は実は同じもので、お互い打ち消す合うような性質なんざぁ持ってないと知るのが、もしかしたら荒ぶる季節、いちばん大事な問いなのかもしれないけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

朗読劇の脚本もアガり、結構順風満帆な和紗の青春。
ぶつかり合い、判り合う喜びを枕投げからゲットして、和紗はあの時届かなかったボールを投げる。あの時思い知らされた性差へ、勇気を込めて踏み込んでいく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

”投げる”というモチーフが過去と現在、男と女の間でしっかりキャッチボールされる、詩情に溢れたシーケンスだった。
ラブコメ名物ベランダ越し会話を、このアングル、この捻れた斜めの位置で描くのがこのアニメなんだな、って感じ。
下からで、捻くれている。フツーじゃない。
だから、面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

繋がるものがあれば、すれ違うものもある。意を決し朗読劇で恋を演じることにした和紗と、菅原氏は鏡越しに語り合う。
枕投げで何かが伝わった風味の和紗と、言語ぶつかり稽古を中断させられた菅原氏。そこには断絶がある
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

指先を濡らす水。和紗が見ている無邪気な世界は、その実感情の湿り気に曇らされていて、見えないものが沢山ある。
瑞々しい思いと、乾いた秘密。恋と友情を間に挟んで、二人の少女の世界は分断されている。そして、友情で繋がってもいる
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

和紗の見ている世界と、菅原氏の見ている世界は、枕投げ程度では繋がっていない。それを繋がったと思い込んでいる和紗の愚かさが、断絶をさらに深めていく。
しかし同時に、楽観的に『菅原氏は友達だから！』と手を伸ばす行為が、新菜にとって強い救済であり、繋がりであるのも本当のことだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

泉との間で、なんか上手く行った風味に交流できたキャッチボールを、和紗は達成できるのか。そもそも女と女の間にも断絶があって、それは全然埋まっていない事実に気付けるか。
恋の成就とは少し違うクエストを、主人公が背負っていることが鮮明になってくるエピソードでもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

菅原氏は親友には言えない恋のモヤモヤを、自分を誘惑する悪魔に預ける。
鏡に反射した嘘っぱちの明るさから、薄暗い闇の中の光へ。キスをしても心臓が燃えない相手、恋の大賞にならない相手の欲望が、ズルズルと少女を引き込む。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

妙に観念的な菅原のロリタリズムは、身一つで本郷ちゃんと人間四つ相撲してるミロ先のチャーミングを際立たせもするが、それにしたってイヤーな顔だ。
三枝は”素直ないい子”をつまらない、と評する。凡庸から距離をとって、親友から彼氏を寝とれ！　ドス黒いインモラルに腰まで浸かれ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

でもそれは三枝の見ている世界でしかなく、持って生まれた顔面特権で、生まれたときから普通から切り離されてきた菅原氏が見てる（見たい）世界とは、やっぱりズレている。
”素直ないい子で”いることは、菅原氏にとっては特別なことなのだ。だから、文芸部が居場所なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

フツーでない連中が、フツーでないまま（自分なりの）フツーをさらけ出せる場所。変人たちのアジール。
半地下の文芸部室に、菅原氏が求めるものはもともとあって。しかし異性と出会うことで、そこで安定していた友情が揺らぐ。結構インモラルな自分自身にも出会う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

それに溺れるのでも否定するのでもなく、多彩な自分の一側面として、どう受け止めていくか。同じく多彩な他人との触れ合いを、痛み引っ括めてどう飲み込んでいくか。
この話、多分そういう話なんだと思う。各々現れ方は違うし、向き合う相手も違うけども、変化と不変をめぐる思春期の闘いは共通だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

いかにも悪そうな演出でハッタリかましてくる、文化人気取りのクソロリコンに惑わされるのも、そんな闘いの一つだろう。
だけど、フツーに友だちと仲のいい、『応援する』とか自然に出てくる菅原新菜を、もっと信じていい。それは君と世界を繋ぐから。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

『世間一般の規範に背中を向けて、インモラルな決断したらそれが”本当”なの？　それは逆に、逸脱っていう規範を無条件に受け入れて、自分の仲の文学をちゃんと見ようとしない怠惰なんじゃないの？』っつーのも、作品全体を貫通する問いかなぁ…。
『素直ないい子、上等じゃん。友情最高！』って感じ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

同時に泉に心臓高鳴る菅原氏も嘘じゃねぇし、顔面カースト持ち込んできた和紗にイラッとくるのも本当。
本当はいつでも、百万の顔を持っている。その多彩さと踊る余裕を作るのも、思春期バトルの大事な仕事なのかも知れない。
クールに見える菅原氏も、当然青春ファイターだったのだなぁ…ブレブレだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

そんなみんなのブレブレを乗せて、青春という箱は揺れる。
白いうなじに、もーちん一体何を見るか。
天城くんの純情と聖性は、一体いつになったら報われるのか。
パイセン、自意識バトルも結構ですけど、勇気と誠実そろそろ棚卸しする時期ですよッ！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

もーちんが男の毛穴開いたゴツゴツボディにはどーしても拒否感出る人で、その肌感覚に乗っ取った性選択をしていくつうなら、そこはやっぱりガッツリやってほしい。
一緒に笑いつつも茶化さない。ハタから見りゃバカな悩みの必死さを、隣り合って嘲笑わない。
それがこのアニメのいいところだと僕は思う

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

そこら辺は本郷ちゃんの叶わぬ恋とか、曽根崎パイセンの自意識バトルとか、菅原氏の内なる獣対策とか、和紗の愚かしさとの闘争とかで、しっかり見えている。
もーちんが戦うべき主敵は誰なのか。菅原氏の伏せ札が鮮明になった今回、伏線は張られている…気はする。どーかなぁ、難しい題材だしなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

とまれ、それぞれの秘密と感情がじっくり煮込まれつつ、ぶつかりすれ違いしながら状況が進んでいくエピソードでした。
なんか青春っぽい勢いで一見まとまった風味で、その実ドロドロネトネトした未完成が渦を巻いている。その不穏さを丁寧に拾い上げていて、とても良かったと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

伝説も無事に捏造し、朗読劇の準備も万端。しかし帆が風を受けているときこそ、嵐は迫ってくる。
運命の文化祭にどんな爆弾が叩き落されるのか、今から楽しみです。
ごろごろ状況が転がって、伽羅之新しい側面が見えて、停滞が少ないのはこのアニメのいい所だなぁ…力任せではない勢いがあるね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

まちカドまぞく：第6話『あすへの決意!! 重いコンダラ止まらない』感想ツイートまとめ

まちカドまぞく を見る。
ご先祖の悪巧みから始まったドリームダイブが、運命を突き動かしていく。泥土に閉じ込められた思い出、崩れる体調と孤独、お互いの領域への侵入。
知らず盗まれた血と、奪われた力。まぞく見習い、今防人の使命を背負うか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

というわけでけっこう大きな関係変化、シャミ子の桃ちゃん看病回である。
ここ迄スパルタンな最強キャラだった桃が、あっという間に弱々になり、強さの一端をシャミ子に譲る。不当に弱い存在と、不当に強すぎる存在との関係が均衡化されていくエピソードであり、お互いの”家”に踏み込むお話でもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

シャミ子の家には結界があるので、最初に踏み込むのは桃の方になる。物理領域よりも先に、ヘドロまみれの夢、幼い桃の思い出に踏み込む辺り、相当なズブズブ感が見て取れる。
何しろ皆善良なので、弱いところを見せられては攻撃できない。色々理由を付けて、涙を止めて泥を払おうとする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

桃の夢は殺風景で、実際に暮らす”家”と奇妙に呼応している。流した涙は泥となり、幼いままの桃（普段と逆転した身長差がグッド）は後悔にくれている。
シャミ子が踏み込んで綺麗にしたのは、桃のトラウマなのか。それを生み出す魔法少女戦争とは何か。
©伊藤いづも・芳文社／まちカドまぞく製作委員会 pic.twitter.com/4nOLX702P5

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

心のなかに踏み込んだはずなのに、むしろ謎が増える。夢解きとしてはなかなか正しい展開である。
ここまでゆるりと展開してきた魔法的日常が、存外シリアスな力を宿していた、と位相を変えるのが今回のエピソードかもしれん。
一発ネタと思っていた危機感リフォームは泥を飛ばし、コーラを実体化させる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

ゆるいきらら系日常で流されていた変化は、確かに蓄積されて何かを変えつつある。
体が弱く休んでばかりいたシャミ子の立場は、今回桃の体調不良で反転する。街を守る魔法少女の宿命は、何故か宿敵であるはずのまぞくに預けられ、ライバルは一緒に街を守ることになる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

『まぞくと魔法少女』という形に拘らず、お互いの人格をしっかり見て交流すること。恩と借りを忘れずに、人として為すべきことを果たしていくこと。
特別なパワーを持ちつつ、善良な人間であり続けようとする二人の関係は、奇妙な形だが真心の中で落ち着いてもいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

今回桃の私室が暴かれたことで、彼女の衣食住が結構荒廃していて、夢で見た過去の荒廃と連動しているのが見て取れる。
だだっ広いが何処か寂しい家を、シャミ子は掃除し、食事を作る。ベッドではなくソファに寝る生活を変えさせる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

これまで奢られるばかりだったシャミ子は身銭を切って水を買い、桃の大失敗ハンバーグを喜んで食べ、うどんを食わせる。
圧倒的に桃優位だった関係性が反転し、バランスを取る。それは魔法の領域だけでなく、生活の中でも起こる変化だ。
©伊藤いづも・芳文社／まちカドまぞく製作委員会 pic.twitter.com/rUU0QCtCna

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

必死にツンツンな態度を保とうとしても、シャミ子がすっかり桃にズブズブなのは丸わかりだし、弱みに付け込む邪悪さを到底持ち得ない（まぞくっぽくない）善人なのもよく知っている。
そういう不均衡も、超常的パワーが血を介して平均化された今回以降、変化していくのか。シャミデレは”ある”のか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

そこら辺は先の話としても、シャミ子の献身介護で桃は調子を取り戻し、シャミ子の良心につけ込んで魔法少女の責務を果たす（そしてシャミ子と親密になる）小ずるさを取り戻す。
ちょっとおバカなシャミ子を、クールな桃が冷静に操縦する。鬼の霍乱を二人で切り抜けて、いつもどおりが戻ってくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

しかし傷口から溢れたものは戻ってこず、桃はちょっと弱くなったようだ。
夢の中のヘドロを見るだに、その過剰な強さは彼女を不幸にしてるし、そんな泥もざりざりハンバーグもシャミ子は喜んで食べてくれる。
むしろ弱くなれる幸福を甘受できるところまで、二人の信頼が強まったと言えるか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

もともと生活感の出し方、当たり前の生活の中の優しさを描くのが上手い作品だけども、桃がよわよわになることで、ケア能力に長けたシャミ子の”当たり前の強さ”がよく見えた感じもある。
それは孤独な戦士として、ソファで寝ながら街を守ってきた桃には、ない強さだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

シャミ子が結界を破り、桃の強さを吸い取った（引き受けた）ように。
桃もまた、シャミ子が背負う”当たり前の強さ”を、今後獲得していくのかも知れない。
ハンバーグリベンジの誓いは、その道標足りうるか。細かいネタを丁寧に拾うので、今後の発展も楽しみである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

ドタバタで流された街の微妙なバランスも、今後魔法少女代行する中で掘り下げられるだろうし。
いい加減六話も付き合うと、使い捨てのネタのように思えるものが実は巧妙なパズルを作っていて、シリアスとゆるさの合間を絶妙に走っている作品だということ見えてくるな…。信頼感あるなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

次回はOPで暴れまわっていたみかん魔法少女も登場するようで、変化し続ける世界はさらなる加速を見せそうです。
運命が何かを変えても、人はご飯を食べるし、傷に手を添える。当たり前を共有しながら、まぞく見習いと魔法少女の日々は続いていく。優しさは揺るがないまま強くなる。
来週も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月16日

ギヴン：第6話『Creep』感想ツイートまとめ

ギヴンを見る。
迷いと思いが絡み合って、僕らをどこかに引っ張っていく。
空を見上げても、雪は降らない。それを知りつつ見上げてしまう。届かない光を求めてしまう。
死者の引力を引きちぎる恋が腐敗して、嫉妬の香気を醸し出す。
蓋をした秘密を、解き放つか、隠すか。
僕たちは境目に立ち続ける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

そんな感じの、亡霊と嫉妬、かたちのないものが忍び寄る（Creep）ギヴン第6話である。
真冬の過去に踏み込もうとして、恐ろしくてできない。クソアマのアウティング爆弾を投げつけられた真夏の足踏みと、無言で静かに歩む真冬の歩み。
それを見守る年上達の、一見優しく、しかし強く軋む視線。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

爽やか音楽群像劇に、微かな腐敗臭が心地よく漂ってきて、それぞれが胸に秘めた獣が唸りだした。良いよ…こういうのを待ってたよ…。
今回はセリフで言わないシーンが相当に多くて、色々考えさせられた。モノローグの詩情と同じくらい、無言の情景がよく喋ってて好きなアニメだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

詩情は名前にもかかっていて、真冬の昔の恋人が”由紀”というのがいい。由紀はユキであり雪でもあって、冬につきものの美しい存在だ。
静かに降り積もり、しかし恋の季節は終わってしまった。もう雪は降らないと知っていても、冬は自分を埋めてくれたものを恋しく思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

それは死の冷たさを宿した愛おしさであり、触れ続ければ凍って死んでしまうものでもある。
真冬は生き延びてしまった者として、雪を溶かす立夏の熱量と隣り合って生きていく業がある。
降らない雪を町続けるよりも、新しい夏に溶けていくことこそが、死人の供養となる…のか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

真冬、立夏、由紀。生者と死者の三角関係を舌の上で転がして、勝手に思ったことだから確証はない。
しかしまぁ、甘やかで少し痛い、アイスクリームのような恋が二人（と、不在なもう一人）の間で転がっていくのは間違いなかろう。とんでもなく凶暴なものが暴かれる恋路に、物語は静かに進む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

世界は立夏と真冬二人で回っているわけではなく、色んな人がそこに絡んでいく。それぞれの質感と質量を込めて衝突する、心の音がハーモニーを生む。
真冬の幼馴染たちが、切実の中に優しさを宿した男たちで好感だった。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

口下手な真冬は音楽以外の言語を持ち得ず、それを与えてくれた立夏は特別な地位にいる。どれだけ相手を思っても、幼馴染たちは由紀の死を超越して、真冬の特別な存在にはなれない。
少年はギブソンを背負って、光の方へと歩いていく。希望、あるいは死者が待つ天国の方へ。生者は地上に置き去りだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

その届かなさを秘めて、鹿島くんは薄暗い視線を下に向ける。それを受け止めるように、八木くんは頭を撫でる。
幼馴染の死に傷つきつつ、そのふらつきを支えようと不器用に手を伸ばしてくれる少年ばかりで、ジジイはちょっとうっとりしてしまった。みんな優しいねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

鹿島くんは”柊”、八木くんは”玄”純と、これまた冬に関わりのある名前なのも面白い。（玄冬は五行での冬の言い回し）
雪が溶けて終わってしまった冬に、彼らは閉じ込められている。立夏くんはそこに関わりがないからこそ、疎外もされるし突破も出来るのだなぁ…”冬”の一族ではないわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

想い人が過去と触れ合うのを尻目に、立夏は秋彦の訪問を受けて、グジャグジャの心境を吐露していく。
愛憎ないまぜになったラベルのつかない感情を、己の過去と照らしながら見つめていく秋彦。それは多分、恋という名前の呪いだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

『誰なのよそのモジャモジャヴァイオリンッ！！！』って感じだが、秋彦にもまた、運命のように出会ってしまった人と思いがいるのだろう。
それが綺麗なばっかりじゃないのも、なんとなく察せられる。こういうドロッとした部分を、春樹は知らねぇからなぁ…確実に地獄っすわ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

ここで真夏の感情を、察しつつ見守って大事にしているところはとても良い。
それがどういう思いなのか、似通っていても別のものだから。秋彦は真夏のプライドを尊重する。
お前の歌には、お前が言葉を見つけるしか無い。その手助けはするけど、傷も喜びもお前が受け止めるんだ。
良い兄貴分であるな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

この作品では感情の産婆役になるのが”音楽”で、グジャグジャの感情も『曲を作る』という共同作業を通じて、なんらか形になっていく。
顔を合わせにくい相手の目をしっかり見て、コミュニケーションの助けにもなる。
高校組と大学組、きっちり分割されたライン
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

自分を被検体に、恋と欲のドス黒さにたっぷり浸ってる（浸ってそう）な秋彦は、のんきな春樹の地雷原ダッシュを諌める。
そこは、事情を知らないオッサンが踏み込んで良いところじゃない。”線”をよく見ろ。
嵐の真ん中でぶつかり合う当事者を、秋彦はよく見て尊重しているように思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

春樹は最年長なのに、もしかすると一番ピュアで。
勝てない死人に思いを焦がす立夏とも、死人と向き合いすぎて言葉を失くしちゃった真冬とも、なんか濃いめの泥に腰まで浸かってる秋彦とも、違う身軽さがある。
その清さ、軽さが救いともなるのだが、同時に踏み込む覚悟のなさにも繋がっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

隔離された自販機スペースの奥に、真冬は一人で入っている。境目の手前に春樹はいて、恋の難しさを安全圏から問いただす。そこに踏み込み窒息するのは（まだ）彼の領分ではない。
年下の真冬は感情の水底から這い出して、初心な春樹と肩を並べる
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

困惑し、捩れる立ち位置。恋をする重さ、それが奪われる苦しさを、春樹は未だ知らない。
『良い兄ちゃん』顔していても、傷一つなく守られた幸福が幼く顔を出す。このイノセンスの強調は、秋彦絡みで地獄を見る前フリだと思う。
ネンネの甘ちゃんに、赤黒い炎を見せてやるぜー！！（BL悪鬼乱舞）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

同時にこの優しさが稀有なもので、とても強いものだということもしっかり見据えているのは、バランスが良いところ。
真冬の抱えた闇から離れて、秋彦と向き合う時、彼は無邪気に後輩を思い、優しさを言葉にする。それを見上げる、秋彦の憧憬
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

汚れざる無垢を、上向きの目線で見上げるのはもうそれが自分にはないからか。
喪失したものへの上向きの視線は、今回真冬の日常を追うカメラが幾度も捕まえていく。
失ってしまったもの、儚く消えるものだからこそ、あまりにも愛おしい。視線を引き寄せる重力は、過去と無垢に向いていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

真冬と立夏は死と秘密が（その内実は不明にせよ）暴露されているので、それに伴う感情の明暗、起伏とも向き合えるけど。
秋彦と春樹の間には、薄くて固い大人の壁みたいのがあって、真実も感情も（まだ）遠い。だから、春樹のイノセントは保護されて、真実に（まだ）辿り着けない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

秋彦が伏せ札にしているもの、春樹のイノセンスを遠ざけて守ろうとしているものに飛び込まなきゃ、二人の関係は始まらない。
だが始まれば、もう安全圏ではいられない。秋彦が大事に見上げるものが、地上に落ちて泥に塗れる。
それでも運命は、轟音を立てて転がっていくのだろう。恐ろしくも楽しみだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

お話は後半、アンビエントなBGMとともに真冬の日常を追う。ミステリアスだからこそ踏み込みたい、美しい少年として物語に登場した彼は、過去が少しずつ顕になり、体温を持つ人間になってきた。
今回の長回しは、そんな彼の息吹を視聴者に見せるシーンだ。緑色のライティングが、清潔で良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

彼の世界は奇妙な静寂に満ちている。人混みに居ても交わることはなく、孤独で静謐な歩みを重ねていく。
その浮き世離れした感じが、しかし当たり前の風景と同居していること。真冬くんが生きている当然が、じわじわと染み込んでくる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

彼は日常を歩きながら、遠くを見上げ続ける。ここではないどこか、水の向こうの死者の国、あるいは思い出。
巨大な喪失が、生者である彼をそこにとどめている。それは少し悲しくて、とても愛おしくて、簡単には出られない檻。
ラベルのつかない感情に困っているのは、立夏だけではないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

静かに空や海、光を見つめ続け、それでも何処かに歩いていく真冬くんの歩みが、なんだかリハビリテーションみたいで綺麗だった。
彼はこうやって、無言の中そぞろ歩くことで、己を癒やしているのだろう。その一歩ずつの先に、立夏と音楽との出会いがあって、思いが歌になりつつある。頑張れ少年ッ…！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

真冬が目を奪われるものは『ここではない何処か』以外にもう一つあって、子供をよく見ている。
それは過ぎ去ってしまったもの。幼馴染と無邪気に笑え会えた時代は、巨大な喪失によって壊れてしまった。
雪の降る季節には戻れないけども、それでも残滓を追う
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

彼が完全に孤独な、人っ子一人いない世界（そんなものは冥府以外無いわけだが）を歩くわけではなく、触れ合わないけどすれ違う他者に満ちた現世にいることも。
柊くんから強く伸びた感情を、上手く言葉で返せないけど共有し、反射していると”幼年期”に向ける視線からわかるのも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

だんだん見えてきた真冬の”情”と個人史をしっかり補強する、良いそぞろ歩きだと思った。
”青春ブタ野郎”に引き続き藤沢・鎌倉周辺が舞台になって、地元民としてはなかなかに楽しい。アニメのカメラは見慣れた風景を美麗な仮想に異化してくれて、不思議な驚きがあるね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

真冬が現世に死者の気配を、サウダージに今を生きる鼓動を見つける歩みは、緑色で何処か浮き世離れしている。
出会ってしまった音楽と友人は、活力に満ちた透明な色彩をして、踊り場の聖域で待ち構えている。
色味の違いが、領域の違いを切り分けて面白い。
© キヅナツキ・新書館／ギヴン製作委員会 pic.twitter.com/UlaX5UBos7

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

ここで真冬が窓から遠い側に身を置いているのは面白い。一人でそぞろ歩きしている時は、彼は常に窓から天を見上げていた。手の届かない場所に、視線を投げていた。
しかし立夏と一緒にいる時は、影に身を置いて視線を下にやっている。自分の中にある死者の名残を、静かに見つめて言葉を探している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

それがある意味祈りで、死者に引き寄せられつつ引きちぎって生きようとする咆哮なのだということが、今回書かれた透明な独歩から判る。
そんな静かな決意に背中を向けて、立夏は己の中の嫉妬と向き合う。
正面から挑めば、けして勝てない戦争。何しろ死人は、永遠に変わらない恋人だから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

真冬が言葉にならない思いを歌に乗せ、形を与えることで死人を乗り越えようと宣言できたのは、立夏と出会い、ギブソンを修理してもらったからだ。
その出会いの特別さを真冬はしっかり噛み締めていて、だから静かな言葉で、特別な相手に特別な言葉を預けている。
でも立夏は、（まだ）向き合えない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

まぁオジサンは立夏ボーイがいっとう優しい子で、自分の中の強い思いを力に変えて、大事な人、大事な気持ちに逃げず戦えるってことを知っておるわけだが。
そういうドス黒さと向き合うのも、セイシュンにおいてはとても大事で。春樹が踏み込めない領域に、立夏は一足先に飛び込んだ、とも言えるか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

忍び寄る陰りは、愛ゆえのもの。ただ暗く腐臭を放つだけでなく、何か切実な痛みを抱えた感情を何処に運んでいくか。青春は残酷なる美麗の中で、未だ踊りを続ける。
そんな感じの、静かできれいなエピソードでした。情景を的確に繋げることで、真冬の心境がよく見えたのが良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

心が見えれば話も進むわけで、進みつ戻りつながら二人の青春は確かに光の方へと転がっている。
真冬が抱えた死びとの恋わずらいが、完全に彼を支配してないと判ったのは良い。
もう一つの恋は無自覚なまま、ドス黒い臭気を隠して牙を研いでいる。地獄にさかしまに落ちていくのは、来週辺りからかなぁ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日

すごい静かな語り口だけど、真冬が何を抱え込んで、何に縛られ何を目指しているのは判った。語らないからこそ、真冬の静謐なキャラクターがしっかり伝わった。
良いエピソードでした。この歩みを受けて、物語はどう進んでいくのか。恋と歌は至る所で待ち構える。忍び寄る。
来週も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月15日