イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

陸軍・秘密情報機関の男

岩井忠熊、新日本出版社。戦時史専門の学者である筆者が、義兄・香川義雄の残した13冊の大学ノートから彼の人生を再構築した本。香川は「山機関」や「光機関」などの陸軍諜報部を歴任した人物であり、その人生を学者特有の理性的かつ簡潔な視線でまとめてある。荒唐無稽にも思える情報活動が生々しさを持って迫ってくるのは非常に面白かったし、リアリスティックな(ある意味)非戦思想をもった軍人が情報活動に従事していたという事実を60年過ぎた現在に蘇らせてくれる。面白く読んだ。