イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス

深見真徳間書店。というわけで深見先生の新作。さて、驚いた。深見真のスタイルは「モッシュ」だ。沸きあがる才覚と激情に任せ、あふれ出すように書く。それはつまり過剰であり、アラはある。それをはるかに覆い隠すだけの利点−ガン・アクション描写の濃厚さ、キャラクター造形、荒唐無稽ながら故に馬鹿みたいな威力を放つ背景設定−があるわけだ。
しかしこの作品で、深見真は「クール」のスタイルを覚えた。「モッシュ」を殺さず、おしておしておしながら、アラを徹底的に殺し、構成を的確にし、主人公達の感情曲線に読者が共感できるような細かいシーンをセッティングしてきた。つまりは、小説が凄く上手くなったということだ。もはやカルト作家ではない。鋼鉄のような文章の背骨を、深見真は身につけつつある。