イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

白洲次郎 占領を背負った男

北康利、講談社。大掃除で本棚をひっくり返したら出てきたので読んだ。
白洲正子さんの旦那さん、としてのほうが有名かもしれない白洲次郎氏の半分伝記、半分小説。吉田茂の腹心として影に日向に戦後政治を導いてきた白洲次郎の生涯を書いている。なかなかに面白いが、少々右により過ぎた立場からの書き方は、あまり真っ直ぐな伝記とはいえない。その分非常にポジティブに白洲次郎という人物を受け入れることが出来るのは利点である。
いろいろと裏と穴のありそうな書き口だが、小説と割り切れば非常にわくわくする書き物に仕上がっている。戦後史を吉田の腹心という立ち位置から読むにはいい材料だと思った。良著。