イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

世界の中心、針山さん 2

成田良悟電撃文庫。成田先生の短編集、その二。正直最近筆がなんか安定していないなぁ、と思っていた成田先生ですが、この作品はなかなか安定している。現代世界と相性がいいのか、それともワンアイデアを短編にまで膨らますのが得意な筆との相性なのか、どうあれ短編集らしい引き込みと丁寧な作りで楽しく読めた。
前回がお子様ランチと言うかプリン・アラモードと言うか、ジャンル大横断なんでもありを綺麗にまとめたのに対し、今回はダーク&ホラーに成田節の人情を降りかけて、結構すんなりまとまっている印象。読み幅が横に振れないので、読んでいて安心だし、全体的になんとなく統一感があるように感じた。たまに見せるシニカルな斜めの視点が今回は表に出てきていて、それもまた良いスパイスになっている。全体的に良著。面白かった。