イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

シグルイ 8

南条範夫&山口貴之秋田書店。「アキタの核実験場」でも最大のヤク種、掛川残酷絵巻の八巻目です。今回は延々清玄と藤木が真剣で切ったり切られたり、正確に言うと切られたら死ぬ世界観なので切られる寸前で切ろうとしてそれを相手が外しにかかって、という話です。とにかく剣のやり取りの説得力が分厚くて、じりじりと迫ってくる圧力があります。
結果はもう一巻冒頭で知っているのに、過程でここまで見せることが出来るのは山口先生の漫画力と、何より本気のおかげだなぁ、と思います。先生は絵が巧いので、刀を持った構え一つ一つがすっと決まっているってのも大きい。この「若先生は絵が巧い」てのは存外に語られてないような気がするので、なんとなく強調。
まぁ相も変わらず頭のおかしい理屈は健在で、そこも、それを強引に押し切る漫画力もまた魅力です。ようは面白い漫画ということなのですが。その空気の中で「本気(マジ)で」「つうか」などの現代語を使い、驚き役として新たな境地を見せた雪千代くんは逸材だと思います。