鬼頭莫宏、小学館。アニメのほうは色々と(本当に色々と)燃え上がってるろくでもないロボット漫画の七巻目。アニメになって色々考えたんですが、結局この漫画は『13歳が死ぬ話』で、『13歳が死んでいく話』なんだな、と。それは凄く趣味が悪いんですが、それに強い自覚がある(まあ自重はしてないんですが、人が死なない漫画を探すことのほうが難しい昨今、自覚も自重もない悪趣味な漫画よりは)この漫画はなんと言うか、核を捉えている強さがあるように思います。
今回はコモ編終了、アンコ編途中まで。最初は子供達が世界を人知れず救うぜビバ自己犠牲、みたいな所から入ってまぁ不健康さとか風通しの悪さとか、色々と常識人健全人の方々にはうっとおしい限りだったわけですが。今回ハジアース情報の公開、それに対する世間のリアクション、報道と「世界を救う」ことのリンクと、外に広がって行く話がカメラの真ん中にありました。
まぁいまさらっちゃあいまさらなんですが。どっちにしろ13歳の子供がバッタバタいろんな死に方で死んでいくこの漫画はろくでもないし、趣味が悪い。でもそれを書くことがいけないことというわけでもないし、必要ないわけでもない。「なるたる」の季節の閉じたままの終わり方よりも、やっぱ鬼頭先生は漫画が巧くなっていると思うし、演説をするにしても仕方を考えるようになっていると思う。それは、なかなかいいことなんじゃないか、などと僕は感じるわけです。
アニメの切り口が漫画とはまた違う角度だったので逆に見えてきたというか。僕は結構性根がねじくれているので、この空気のよどみ具合と漂う悪趣味の中に、色々と見てしまうのです綺麗なものとかを。それはまぁ幻惑で危険な幻想なのですが、そういう毒のない漫画ばかり口にねじ込まれてもまたふかいだとのは性分でしょうね。
ま、このマンガが僕にあっていることは間違いがないようです。続きはとても楽しみです。