イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

零崎軋識の人間ノック/零崎曲識の人間人間

西尾維新講談社。むしょーに西尾が読みたくなったので、人間試験以来触っていなかった零崎シリーズを、買って読んだよ。うん、面白かったね。ぶっちゃけ全体的に味付けが濃くなりすぎているというか、フォロアーから悪い影響浴びてるなぁとかも思いましたが、西尾の濃い味はやっぱり好きだと再認。戯言シリーズで抜けた所を丁寧に保管しているところが、とにもかくにもよろしい。
両方とも、戯言世界にあったであろう大きな出来事の端っこを描写して、その全体の大きさを見せたいお話なんだろうなぁ、とは解る。解るんだけど、賞味の話その大きな話、設定のお話には欠片すらも興味が無い。僕は戯言後半、設定の領域に突っ込んだお話は全然面白くなかったわけで。「大戦争」とかはまぁ、そういう設定の話で。歪んだ形のまま凝り固まった僕達の言語を、歪んだなりに素直に物語りに固めることにかけて、西尾はなかなか好きな作家で。そういう部分だけ見たい。
まぁその歪みが求められ真似されているからこそ、形骸化して中身が抜けたまま小説になっちゃって時として背骨がへし折れるほど面白くない瞬間がある作家なのですが。そもだに中身の無さが魅力である作家だとも思うし、中身を詰めようとして巧くいった試しも無いわけで。ガワの造りこみで流れていく外伝は、読んでて気持ちよかったです。
ただま、哀川さんのワッショイに一切共感できないのは同じだなぁ、と思った。凄いから凄い、とだけ言われても通らんのだが、まぁそれはそれ。好きに書いて、ラストの人識くん話まで終わらせてほしいものです。