イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

おおきく振りかぶって 11

ひぐちアサ講談社。久方ぶりに出た、高校野球漫画の11巻目。じわじわ撒いていた伏線が、ぎゅっとすぼまってきた感じのする巻です。何の複線化というと負けの伏線なんですが。一年半近く、雑誌連載とは周回差が付いているので、アフタではとっくに決着が付いているんでしょうが。まぁ主役が負ける流れで。
この漫画は、少年漫画ではなくスポーツ漫画で。ここまで「三橋-阿部バッテリーがなんで負けるか」が描かれていると、主人公だから、でひっくり返す流れにはまぁならんだろうな、と。逆に言えばよく十巻も、歪なバッテリーで勝ち星を稼げた、という話なんですが。今までは大物を奇策で食ったり、書く下を討ち取ったりというカタチでしたが、油断のない実力者相手に手札が透けている勝負となると、まぁこの漫画では勝てない。
まぁ少年漫画ではない以上、勝つことだけが勝ちではないし、負けることが無価値でもない。負けるにしてもどう負けるか、という辺りが重要になるわけですが、その辺りをまとめるためのフラグも、この間含めて撒かれているので、あまり心配ではないです。なんだかんだでこの漫画は三橋と花井の人格不安定な十代の話であり、その話はずっとやってきたわけですから。結果より過程が気になる漫画は、いい漫画だと思います。