イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

はやて×ブレード 10

林家志弦集英社。林家センセの百合チャンバラ群像劇十巻目。ワリと最初のほうから大きな山として設定されてた、VS炎雪さんイベントついに決着。その衝撃覚めやらぬうちに、これまた初期から張ってあった、はやての姉ナギの伏線が本格始動。ごうごうと渦を巻いて、大きな話しが動いてきたようなそうでもないような、そんな十巻目ですね。
あっさりと勝って終わった炎雪さんイベント。負けて引っ張るかなぁ、とも思っていたのですが、正直今まで散々「朱炎雪に負けたコト」を軸にいろーいろ逡巡してきた漫画なので、ここで負けて同じこと繰り返してもしょうがないのでした。逆に言うと、綾那と炎雪の因縁は十巻かけて丁寧に消化したわけで、今回の勝利は非常に感慨深い。
その上で、綾那が相変わらず気味なのはこの漫画の非常にいいところでして。大きい勝ち星を取って少しははやてにデレるかな、と思ってたらナギ周りでツンツンツンツンしていて、口の周りがニヤニヤして止まりません。主役片割れのはやてが馬鹿すぎるので、メイン組が普段はあんま百合ン百合ンした空気が似合わないこの漫画。そこら辺は群像劇なので、他のメンバーが入れ替わり立ち代りキャッキャしていたわけですが。今回ははやてもマジ顔にならざるを得ないエピソードであり、アホ力が希釈された隙間にいい塩梅に百合力がねじ込まれてきて、非常に良い。
十巻かけてようやく主役のキャッキャウフフかよ、と足の遅さを嘆く声もありましょうが、その分丁寧にやってきたのだ、とポジティブに受け取りたいところです。なんか超唐突に一人しかいない三年剣待生とか出てきて、さらに続きそうな気配もあるこの漫画。着地できそうなところで上に上がるこの気流が、吉と出るか凶と出るか。楽しみに見守りたいところです。