イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

GUNSLINGER GIRL 12

相田裕アスキーメディアワークス。可愛い女の子が鉄砲をバンバン撃つ漫画、だったけどそろそろ可愛い女の子がバンバン可愛い女の子の死体になる漫画の十二巻目。今回はクローチェ兄弟のオリジン公開と、忍び寄る破滅の気配、そしてあの人復活。クズことクローチェ兄弟の過去が完全公開されたことで、まぁクズにもなるよな、という感想を抱きました。ジャコモはやりすぎだ色々と。
クリスティアーノが死人となって墓場から蘇り、なおも復讐を望んでいるラストを見ると、四巻二十話「トスカ」でベルナルドがイタリアオペラについて語っていたことを思い出します。購いは血でしか出来ない、というのはこの作品のテーマであり、ずっと描いて来た事ではあるのですが皆殺の刃がこう喉元に迫ると、何度目か解りませんが表情が歪むものがあります。
復讐に食われているのは公社サイドも同じで、六巻二十九話「Fantasma」でジャンがそうであったように、ジョゼも亡霊の詰問を受けます。でも死人は喋らない。この物語では特に、死人を喋らせるのは、生き残ってしまったものの後悔なわけで。それがまた死人を生んで、最後には多分墓しか残らないのでしょう。それはそれでいいのですが、鉄砲として使い潰されるエッタをどうしたものか、というのはどうにもならない問いであり、今回それが強調されたのは多分、この作品で最も重要な問いだからだと思います。そろそろ終わりが来る。楽しみではないが、期待して待とうと思います。
追記:思い返してみれば、墓場から帰ってきた男が復讐を望んだ、ということは死人は殺害者を許さないということかもしれず、なれば思っていたよりこの作品は絶望的だ。クリスティアーノが望んでいるのは自身の復讐ではなく、ピーノ他三名の復讐なのだが。