イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

へうげもの 12

山田芳裕講談社。安土桃山茶道サラリーマン絵巻も十二巻目。巨星秀吉墜つ、という巻でございます。老害というか孤高かつ狂気の為政者力を発揮しきった秀吉も、ついに死んでしまった今回。結局他人のためには死ねない織部殿は、正しく欲深でぶれねぇなぁ、と思います。「欲」をテーマにした話だからなぁ。
歴史のネタバレを鑑みると、そして本筋での伏線の張り方を見ると、家康殿が見る見る逞しい腹黒に育っています。信長、利休そして秀吉と、物語を牽引するビッグマンが死んでは交替するこの漫画。家康殿は最後の大物に相応しい貫禄をつけつつありますが、織部とはまこと相性悪い感じで、この後やや不安ですな。
秀吉最後の戯れは、一見綺麗でその実とても寂しいシーンだったと思います。あんだけ一緒に遊んでくれる仲間がいても、寂しさには勝てなかったオーラでてて。結局家康の草鞋を皆はいてるし。でもま、病床の宜しからぬ顔相から険が取れただけでも、織部は良い仕事したってことか。しかしま、太平の世が見えてきて、織部の「欲」がどう回るのか。まだまだ目が離せませんね。