イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

GUNSLINGER GIRL 13

相田裕アスキーメディアワークス。真っ黒い炎みたいな憎悪と、誰に詰まれたかも解らない殺意に背中を押されながら、修羅の巷まで突っ走るしかない死神のトロッコも十三巻目。今までのカルマ全てが集積し、戦場として選ばれたのは原子炉。敵も味方も総動員で、がけの向こうまで突っ走るしかない最終決戦がはじまりました。二課の面々、マルコーさん、懐かしい顔触れもそろって総決算だ。
運命という残酷な顎に、子供と大人がごりごりと噛み砕かれるお話として十年位前にはじまったこの漫画も、ようやっと終わる。その集積としてあの発電所突入戦があるなら、無論、子供達は死ぬ。そういう漫画として始まって、そういう漫画として続いて、そういう漫画として終わる。ろくでもないカルマを詰め込んで、ろくでもないカルマを描ききる。この漫画は、その自己定義から逃げていない。新しい子供を担当し、ペトラにアドバイスを(もしかすると生存に繋がりさえする!)送るマルコーさんみたいに。
だからトリエラの腕一本足一本が吹っ飛ぶのも、エッタが壊れたのも、エッタがジョゼを撃ったのも、手を離したカップが床に落ちて崩れるような、論理が要求する必然だ。そうなるべくして、彼女達の手足はもげ、頭も狂う。正直な話しをすればやりきれない。とても辛い。だけど僕は、そういうお話として己自身を受け止め、そういうろくでもなさに自覚的なまま、捩れた誠実さを持って描き続けたこの漫画が好きだし、好きなまま終わりを見たいと思っている。その願いは、何とはなしに適いそうだ。活き活き生きてきた大人と子供が、次の巻では沢山死にそうだ。とても辛い。