イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ハンザスカイ 6

佐渡川準秋田書店佐渡川センセの熱血空手道漫画六巻目。今回は丸々VS結城戦だと言ってもいいでしょう。主人公半座が己の過去にけじめを付ける、と同時に結城くんも己の過去にけじめを付ける。そんな巻でした。普通のスポーツ漫画では触らない所を、一巻丸丸使ってやっていて、この漫画の独自性が出た巻だと思います。
不良がスポーツに出会って、つーのはスポーツ漫画ではパターン通り越して一つの基本なわけですが、その時代のことはうやむやにしたり、そのまま流したりするのが多いと思います。空手道という競技の中で、そーいう主人公をどう置くか。そこらへんに一巻丸丸使うあたり、佐渡川先生は真面目だなぁと思います。そして、被害者というか「暴力を躊躇わない存在」に含むものがある立場の結城くんが反則負けをする、という決着のつけ方は、空手道漫画としてのこの漫画の立ち位置を如実に表していて、広がるのある終わり方だったと思います。
あ、絵の表現としては今回もキレてて、牽制で攻撃を釣ってから外すやりとりとかすごくいい。特に50話ラストの横に外してからの上段蹴りは、雑誌で見て「あこの漫画を買おう」と思ったコマでした。空手道は数ある格闘技の中でも、コンタクトの瞬間が美しいスポーツだと思います。あのコマは、それをスパッと切り取っていました。そこらへんの絵力も含めて、やっぱいいスポーツ漫画。