石黒正数、少年画報社。石黒先生の少女青春日記九巻目。いつもどおりの通常進行、という表現がしっくり来る、いつものそれ街。なんですが、今回は第72話「歩く鳥」が特によく出来ていてます。歩鳥と紺先輩のデート会なんですが、キャラの距離感というか、感情の間合いがとても巧く漫画になってる感じです。
この漫画は時系列のシャッフルをしていて、短髪バージョンの三年歩鳥がいる以上、紺先輩とは必ず別れる瞬間があるちうことです。それはまだエピソード化されていませんが、短髪歩鳥の成長を見るだに、そして今回のデートを見るだに、歩鳥という存在にとって紺先輩は、そして紺先輩にとって歩鳥は、互いに大きな位置を占めているのかなー、などと思いました。
他のエピソードは、藤子SFっぽい「大人買い計画」とか、すれ違いコメディとしてよくまとまっている「森秋 夜空に散る」が良かったかな。いろんな要素を混ぜつつ、緩やかな温かさで一まとめにしてるこの漫画、やっぱ対応レンジが広くて深い。好きだなぁ。
