イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

第52回 機動戦対策(分析編)

番外地が終わり、闇門のデータも公開されたので、自分の考えをまとめる意味も含めて、日記に機動戦術について書く。 

まず、天神橋メソッドの再考から始めたい。 

 

 

・天神橋メソッドとは 

ここでいう天神橋メソッドとは、loose leafさんが開発・使用した「非達人がサブターン移動力4を活用し、背面・側面の位置的優位により勝利する」データ構築理論である。 

背面・側面の優位は以前分析したが、もう一度簡単にまとめておくと 

・ 能動防御に大きなペナルティを受ける 

・ 攻撃に大きな制限がつく 

・ これらを打ち消すためには、移動力を消費して適切な対応をしなければいけない 

となる。 

 

三番目が特に重要で、攻めに回るにしても、守りから切り返すにしても、AIの基本動作は移動戦術に対するベストムーブを自動選択してくれない。 

わざわざ記載しなければならないし、記載しても逆に悪手を撃つ可能性がある。 

AI記述をしなければならない、武神降臨型PBeM特有の穴を突いた、という言い方もできるだろう。 

背面に対応するためには、攻防何れにしても旋回しなければならない。 

旋回すれば「1サブターン内の移動は1回のみ」というMA+の基本的なルールに抵触し、次の側面取りに対応できない。 

60度以上の旋回、背面を取り返せる移動は基本的に全力移動(もしくは大振り強要)になるため、相手に脅威を与えるAAの権利を放棄し、イーブンな状況を確保することになる。 

この「相手に行動選択の優先権を与えている」という状況が、結果的に敗北につながるわけである。 

となれば、天神橋メソッド(とその延長線上にある現在の移動戦術)に勝つためには、天神橋メソッドが想定している盤面の外に出なければならない。 

どうすれば、想定の外側に抜けれるのだろうか。 

 

 

・ 闇門のスペック変化 

その前に、闇門と以前の天神橋メソッドの違いを考えてみよう。 

闇門は重く、技能レベルが高く、背面組み付きをそこまで狙わなくなった第三分室たんだと言える。 

その分、大量に積まれたフェールセーフを排除し、基本スペックの底上げにCPを回している。 

なぜ、闇門のスペックが変化したのか。 

それは、周りの連中が移動するようになったからである。 

 

旧天神橋メソッドは移動戦術が浸透していない状態で使われ、相手が対移動戦術を間違えることを期待して生産された。 

当時は今ほど重量高技能と超耐久型がメタの中心にいなかった(正確に言えばカウンターメタであるカウンター型達人が全盛だったため、結果的に抑圧されていた)ため、軽量級の火力でも状況に対応できた。 

火力不足による事故よりも、先手必勝型に先行逃げ切りされる事故のほうが怖かったわけである。 

 

移動戦術の浸透により、回りながらのローを捌き切れない軽量級の数が減り、重くてタフなキャラが増えた。 

このようなキャラはイニシアティブが高くないので、先手必勝をそこまで狙わない。 

その代わり、組んでの腎臓膝蹴り程度では落ちない可能性が増える。 

さらに言えば、移動戦術はCPをあまり入れずに使えるため、ただ背面を取る程度であれば気軽に導入できる。 

移動に対する対応には移動を消費する=相手の移動防御を消費させられるため、攻め型のキャラでも回ることは悪い戦術ではない。 

結果、1-1で全力移動背面取りは、現在の武神のスタンダードムーブとなっている。 

先手を取らずとも相手が移動戦術に乗ってくれるのであれば、フェールセイフで先手必勝を警戒する必要もないし、イニシアティブを奪って移動戦術の盤面を強引に用意する必要もないわけだ。 

 

が、そこから先、移動戦術を見据えた対移動戦術、もしくは対移動戦術を見据えた対対移動戦術の構築は、現在においては誰もやっていないと言わざるをえない。 

天神橋メソッドの「ステッピング→ステッピング→組み付き」というコンビは、「背面を取られたら背面を取り返して攻撃したい」という要求、「全力移動すると背面取り返しはできるが、AA権限を失う」「非達人は2歩以上の移動により攻撃が大振りになり、決定力が極端に落ちる」という問題を同時に解決するべく組まれている。 

二歩以上で大振りと言うことは「一歩なら大降りにならずAAを行える」ということであり、構えの変更は「対象を取らない肉体動作(精神動作ならタゲを取らない行動は何個かあるが、コンビに含められない)」なので背面を取られても大降りにならずに行え、行動なので一歩移動もできる。

これを二回繰り返すことで、「大降りにならず、非達人が三歩移動する」という行為が可能になり、距離2背面までならAA権限を失わずに行うことが出来るわけだ。 

このコンボを搭載しているキャラの背面を取ることは、自発的に相手の土俵に乗り、移動を放棄した状態で背面を晒すチャンスを相手に与えるということである。 

(つまり、天神橋メソッド所有者たちがガチ対戦すると、先手取った側が負ける) 

 

が、移動戦術のアドバンテージ足りえるこのコンボを搭載しているキャラは、現在の武神にはほぼいない。 

「他PLのメソッド丸写しは恥の極み」「コンビネーションはキャラの顔」「そもそもこの動き何やってるかイメージ出来ない」などの意見は、よく判る。 

僕もこのコンボを搭載するつもりはない。 

ただ、るーさんは相手が背面を取り返してくる盤面を想定してこのコンボを積んでいるのに対し、僕を筆頭に他PLは誰ひとり(あえて断言する)そこまで戦術想定を上げていない、ということだ。 

それを見越してか、闇門からは「相手がサブターン移動力4を残している場合の移動指定(=相手が背面取り返しコンボを撃ってくる場合)」や「飛びキックコンボ」が消えている。 

背面取り返しコンボの搭載や、飛びキックコンボが必要な局面=背面取られて前ジャンプで思い切り距離を離す対抗戦術の搭載は、「無い」と見切っての思い切った対処である。 

巨人相手に即背面1距離、0距離を取りに行くのも、同じ発想で生まれたのではないか。 

 

長くなったが、闇門のスペック変化は、移動戦術が取り入れられた現状をカモるべく行われた、ということだ。 

別の方向で移動戦術を突破したイーノック(とPLコウさん)が、何とか止めた形になった。 

では、移動戦術の盤面の外側に出るためには、どうしたら良いのかを考えてみよう。