・ World to Update
世界観周りはアストラル世界の紹介と、フェスラー公国・ヒルコ街の設定が中心。
ヒルコ街がしっかりと世界に組み込まれたことで、推奨:ヒルコが非常に動きやすくなったのはグッドな改変だと思います。
野良ヒルコ、微妙に枠拾いづらいつーか窮屈だったんだよね。
フェスラー公国の方はすぐ側にある異界として、なかなか取り回しやすい設定。
軌道とアストラルを組み合わせたのがなかなかの妙手で、胡散臭い繋がりで相性いいですね、この2つ。
ハイランダーとアヤカシという、組織に関係の薄い2つのスタイルをフォローすると考えると、やっぱりグッドな設定だと思います。
・ 追加ルール
基本ルールでバッサリ切り落とされた、面倒くさい系のルールがどんどん出てくる。
外付けマンチ装置ことトループ・腹心・エニグマは全部「使ってもいいが、お前が経験点払えよ」ルールに。
ARと実質経験点がモリモリ増えていた過去データがおかしいんで、良改変だと思います。
スタイル1つって、実際の話しそんなに大きなペナじゃないしねぇ。
残りはCSカレントの追加や、BSの整備といった「既存のフレームを利用しての整理」になります。
NOVA-Xの基礎構造は結構堅牢で整理されていると思っているので、基本ルールの枠を利用して、不透明な部分をアップデートしていくスタイルはデータ構造の破綻が少なく、いいと思う。
屋上屋を架すようなアップデートしてると、データ構造簡単に破綻してくからなぁ……(埃かぶってるルールブック見つつ)
・ 追加スタイル
今回の追加スタイルはマイナスナンバーの復活と、新スタイル「クロガネ」の追加。
クロガネは「協調行動使い」であり、各種器物系は全部此処に繰り込みです。
ヒトガタ……? 知らない子ですね。
●クロガネ
意志ある魔剣、ユニバーサルデバイスなネズミ、思考戦車、ローゼンなメイデン。
基本的に鋼のボディ持ってる存在は全部これで再現しろー! というスタイルです。
「フォルム」という特技を自動取得して、これにより神業の効果が変わります。
基本的にツブシの効く神業が揃っているので、どのフォルムでも最低限の活躍は保証されている感じ。
データ的な話をする前に、クロガネ追加で何より助かったのはRLだと思います。
いわゆる戦闘系ゲストの「画面に映るからには喋らなきゃならんが、人数増えれば増えるほど話の軸は散漫になる」というジレンマを、「こいつモノなんで喋りません。強いだけです」というデータ的な裏打ちで回避できるのは非常にグッド。
「ただの神業マシーンじゃんコイツ!」という萎えポイントも、「うんまぁね、クロガネだからね」というスタイル表現に一発変換。
うーん、想像するだけで楽だ。
データの話に戻ると、まずフォルム特技があり、フォルム専用特技、協調行動特技、その他という感じの構造になっています。
フォルムは専用特技まで考えると、生命力使い潰しの<フォルム:ヒューマン>+<超怪力>使いとか、単純に相手の戦線をズタズタにする<ギガセキュリティ>使いとかが面白そう。
まぁイメージ優先で取って全然問題無いと思いますけどね。
各種フォルムの問題点(腕がないとか足がないとか)も通常特技で補えるので、「このフォルムとったら存在価値無し。産廃」つーことはないです。
協調行動周りのルールが単純化・整備されたたため、「使ってもらう」系クロガネも実用レベルになりました。
……本体がスタイル限定の場合、クロガネと相棒両方がそのスタイル持ってねーと使えないのかなこれ。
解りやすく強いのは<フォルム:ウェポン><MMI><プラスワン>で常時多重支援つービルドで、アタッカーの攻め筋が一気に太くなります。
無論<技の真髄><心器一体>などで技能を補佐したり、今回超強化されたBS対策で<清浄なる器>(10経験点で取れる<獅子心>!)取ったりと、いろいろ面白い動きができます。
しかしクロガネの本道はかなりぶっ壊れたその他の特技にあり、アクト1回とはいえ幅広くディフェンダーのARを補佐できる<ドミネーター>、驚異的な経験点効率を誇るアタック特技<魔技><離れ業>あたりの優秀さはなかなか凄まじい。
ココらへんの優良特技は単品でも強いんですが、<技の真髄>を考慮するとクロガネ単騎でシナジーが完成している所が、特に強いです。
サポとしては<ユニゾン><ロックオン>あたりのAR消費系特技が強力で、どんなタイプのビルドでも活躍できる万能系のスタイルだと言えます。
● ヒルコ
神業の万能っぷりと優秀な特技が映える新世代のエース、ヒルコ。
特技は全体的にアタッカーとディフェンダー向きのものが多いです。
最近の傾向として、殴り屋も情報収集できるようになるというのがありますが、ヒルコの場合は<生体アンテナ>で気持よく数字を出せます。
<メトロダイバー>で専門分野以外もカバー可能な辺り、脳筋バカを排除する方向のデータ哲学は俺に好感。
<獣の感覚>で数字以上の情報も引き出せるしね。
とりあえずの注目株は<乱振>からの<牙の王><硬化>であり、攻めも守りも秘技一つで跳ね上がる優良データです。
カバーリングでARを温存し<硬化><再生>で生き残るビルドは、経験点消費を少なく攻防を兼任出来るいいビルドだと思います。
受けカブトとしても<守りの強酸>で毒殺したり、 ディフェンダーヒルコも色々出来そう。
あ、<カメレオン>は言うまでもなく超強いです。
攻め筋としては<怪力><咆哮>が強力で、「鉄躯」入れないなら<巨体>も強いです。
<粉砕剣>でバキバキ割りながら<瞬間適応>で武器補充&手札回しとかしたいところですが、生体武器の値段が全体的に上がっているので、ちっと考えて作るビルドかも。
秘技に強い特技が多いので、スタイル重ねしたくなるスタイルだと言えます。
神業も汎用性が高いので、アタッカーとディフェンダーを兼任して二枚重ねはかなり強いと思いますね。
● アラシ
「特技はつえーが、神業弱い」スタイルTOPをバサラと争うアラシですが、Xでもそこら辺は変わらず。
「神業使えオルァ!!」という圧力が弱くなったので、結果的に強くなってる気もしますね。
クロガネを強烈にメタれるので、<突破>の価値も微妙に上がっている気がしなくもないし。
その強い特技ですが、<チェック6><ジャックナイフ>による自衛能力を盾にして、<パワーファイト><ヘヴィファイト>で数字を稼ぐアタッカー用がまず光っています。
<ヘヴィファイト>3の経験点効率が凄いことになっていて、とりあえずこれで強い近接兵器ウォーカーに振り回させれば、殴り屋の仕事はできると思います。
……<ラピッドシューター>も書いてあることは強いけど、<操縦>と<射撃>が両方ベース技能だから、組み合わせがイリーガルになるな現状……。
ダメージのプラス・マイナスに「兵装数」という独特のリソースを使用できるのもなかなか面白い所で、クズ札だろうがきっちり削れるAR非消費支援<緊急回避ボム>に、奥義ながら高火力のダメージ支援<シンクロアタック>(回数制限ないのは、多分エラッタ当たる)と、サポーターの仕事も十分可能です。
<全弾集中>も優秀ですし、バカバカ弾打って<クイックリペア>で治すビルドは、なかなかオリジナリティあって面白いと思います。
なお、射撃系兵器は基本的に基本ルールのほうが性能がいいので、戦車砲やミサイルをバカにせずちゃんと積むのがグッドです。
● カゲムシャ
「スタイルがないことがスタイル」という独自性から、なかなかアクトに出にくいスタイルカゲムシャ。
ダメージ引き受けたあとの処理も面倒だしね……。
各種復活系を有効に使う感じで、殺しを引き受ける使い方がいいのかなぁ。
特技は各種サポートと変則コピーに特徴があり、スタイルそのままにかなり癖が強い。
まー迷ったら<バックアップ><バックアップⅡ>でいいと思いますが。
他のAR踏み倒し系がスタイルレベル回という限定がある中、カット一回だもんなぁ……壊れだよなぁコレ。
おんなじことは<内助の功>にも言えますね。
つえーわカゲムシャ。
コピー系は<ミミクリー>と<パントマイム>で取ってくる感じですが、<封印記憶>に比べると癖がある。
<灰色の脳細胞><ミミクリー>とかはAR消費せず動けますが、まだ技を見てないタイミングなのでやっぱ動きにくい。
<パントマイム>は奥義だけあって、AR消費もなく効果も強力ですね。
開く途中に必要なパーツを拾ってくることがデキる分、最強のコピー系かも。
他には宿主限定ながらレンジカバーが可能な<忠節の兵><とんぼ返り>とか、<一心同体>なくても回避で対象を守れるようになる(但し単体)<二人羽織>(+<能面>)とか、ディフェンダー寄りのビルドも面白そう。
でも一番使えるのは、達成値が伸びやすい<隠密>を情報系として使い潰せる<拾い聞き>だと思う。
<薄影>まで取れば、社会系要らないまであるからなぁ……つえーわカゲムシャ。
●アヤカシ
ついにサポートされた、中二病患者御用達クラスアヤカシ。
なのですが、全体的な特技価値是正の影響を受けてそこまで尖った感じではないです。
その代わりBS使いとしての特色が出て、データ的な彫りが深くなった印象もあります。
自分は単純に強いデータより、キャラクターを際だたせるデータのほうが「強い」派なので、この変化は大歓迎ですけども。
まずアヤカシのキャラ立ての基本になる各種<血族>ですが、旧版で尖ってた勢は軒並み手が入りました。
<悪魔><天使>はAR消費なしの達成値ブーストの地位を守りましたが、シーン1回の制限が付き、恐慌も乗るようになりました。
実質、ディフェンダーに使うのは不可能……<獅子心>で割るビルドなら強い、かな。
<伝説の一族>も支援から差分系特技に変化され、万能支援の地位から転落。
いや十分つえーけどな、任意差分値。
反面使いづらかった血脈にもテコが入り、<巨人>は常備化経験点二倍がなくなり、<死者>は自前でダメージ軽減→ダメージ回復というシナジーが組めます。
<巨人><怪力><離れ業>の生命三倍兵器パンチがまじつえー。
とは言うものの、血脈が秘技レイヤーに置かれたことで経験点もかかるし、スタイル制限にも引っかかるしで、いい意味で差別化できていると思います。
BS使いとしてはセットアップにBSをぶん投げる<瘴気の壁><夜の波動><妖魔の庭>から<腐敗の指先Ⅱ><奈落落ちⅡ>の流れが、解りやすく強い。
範囲を選択できず効果がやや薄い<瘴気の壁>が特技、単体効果の<夜の波動>が秘技、シーン全体に判定-5(アイテムでのリカバリー不可)を与える<妖魔の庭>が奥義と、綺麗に分類されているのが個人的には好きです。
<妖魔の庭>マジ強いんですが、アヤカシ推奨シナリオだと敵がアヤカシだったりすることで巧く抑圧効いてる……のかな?
フツーのシナリオに出て、サイバーアップしていい気になっている雑魚どもを<妖魔の庭>でベッコベコにする流れが見えますが、そういう時に限って<獅子心>やら<ベイルアウト>やらされたりすんだよね。
……<獅子心>つえーなマジ。
個人的には、<追い打ち>使いの手が早くなって、ちょっと面白いデータが組める予感。
通常特技はフレーバー重視あり、単純な達成値上昇ありの取り回しの良い感じ。
<霞の体><魔神の牙>は単純に強いねコレ。
任意リアクション不可<邪眼>(20点で取れる<陽炎>!)の強さが目立ちますが、レンジドカバーリングである<闇の殉教>(<死者>や<獣>、<異形化>とシナジー)、優秀なサポートである<幻想結界>など、いろんな仕事ができるようになっていると思います。
基本スタイルのレビューと、アイテムレビューはその2に続きますよ。