イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

戦術の書き方について:原則編

スペック作成についてを書き終えたので、戦術の書き方の具体的な部分に筆を進めたいと思います。

 

・良い戦術とは

武神降臨がGMにスペックを貸与し、戦術に定められた判断基準で行動を行うゲームである以上、戦術は「読まれるもの」です。

そのため、「読み易く」「意図が明確で」「誤作動の少ない」戦術が良い戦術だと言えます。

そのような戦術を書くためには、どうしたらよいでしょうか。

 

◎ 戦術は短く

一つには、文章を短く、必要な分だけ書くことです。

文章が長くなればなるほど、処理を担当するGMが誤読をし、PLの意図と異なる行動をする確率は上がります。

この「必要な分だけ」という見切りがなかなか難しいですが、基本戦術は短いほうが優秀だと思います。

誤作動を避けるべく、「戦術が少なくても機能するスペック」にキャラを仕上げるのは立派なビルド方針です。

極端な先手必勝型や、汎用性のある崩し筋を持っているキャラは、この点において強いと言えます。

やることが少ない分明確で、ブレることが少ないからです。

 

具体的に文章を短くする手段として、文章を分割することがあげられます。

「もし相手の知力が13で、忍び16レベルを持っているのであれば、空蝉を持っていると仮定して不用意に手を出しません」という文章を

相手の知力が13

 -忍びが16

  -攻撃の優先度を下げる

というディジタルな記述に変更してしまうのです。

無論、ディジタルで無味乾燥な記述だけでは読みにくいので、通常の記述形式と巧く併用し、結果として意図が通じるように文章を考えていくとよいでしょう。

 

他に戦術を短くまとめる方策としては、見出しと三角形構造を活用することがあります。

 

見出しは

・ 原則

・ 具体的な行動

のように、以降記述される戦術の内容・狙いを一言にまとめておく記述です。

これによりPLの記述意図が伝わりやすくなり、誤読の可能性が減ります。

GMが処理を行う場合の戦術読解は、変化する状況に応じて前後を繰り返すため、わかりやすい見出しをつけて「ここにコレが書いてありますよ!」というサインをGMに出すことで、読解の複雑さを下げ意図した形で戦術が運用されるようにします

 

三角形構造とは、同じレイヤーの文章は最初を短く、後半を長くするというこうです。

インデント(字下げ)や記号(文頭に・や◎、-を使う)を活用し、この構造を見やすくするのも大事です。

具体例を上げると

 

◎勝ち方

関節を極めて勝つ

 これを行うために、身長差、カウンター、姿勢によるペナルティを活用する

  ・相手の抵抗数値が高く関節が通じにくい相手には、即決の外側に出る

   -具体的には窒息、飛び関節、巴投げなどを使う

    -どうしても柔法で勝てない場合は、打撃を使う

 

のような書き方になります。

 

◎ 書くべきことと、書くべきでないこと

武神降臨におけるキャラの目的は基本勝つことになるので、書くべきなのは「勝利に関係すること」であり、書くべきではないのは「勝利に関係ないこと」になります。

「勝利に関係すること」はスペックを決める際に決定した「勝ち方」から導き出されるため多岐にわたりますが、「勝利に関係ない」ことは何個か限定できます。

 

一つは「そのスペックを選択した意図と、その説明」です。

例えば受けが18あったとして、処理の上で重要なのはその事実だけであり、どういうメタ読みで受けを18にしたのかとか、それを獲得するためにどういう手段をとったかとかは、一切合切処理(とその先にある勝ち)には関係無いです。

ノイズが増えれば増えるほど、戦術誤読の可能性は高まり敗北の危険性も高まるので、無関係な文章は極力書くべきではありません。

逆に、コンセプトや行動原則の部分には意図を書くべきです。

但しこれは極力短い文言にまとめ、ブレないようにするべきです。

コンセプトや原則は処理に迷った時に立ち返る部分でもあるので、「何で勝つのか」というPLのビジョンを伝えることは重要です。

此処もダラダラ書いておくと、処理に迷いが出て意図と違った結果が出力されるので、よく推敲し、極力無駄のない記述を行うべきでしょう。

 

もう一つは「同じことを二回書く」ことです。

文章量の肥大は意図の誤読に繋がるため、同じことを二回書くのは負けへの第一歩です。

検索ショートカットを活用し、同一記述が行われていないかのチェックは行うべきでしょう。

「同じことを二度書く」より良くないのは「同じ状況の対処が、別々に書かれている」ことです。

例えば組んだ後の行動が、攻撃戦術と組み合い両方に書いてあり、それが矛盾した場合GMは独自の判断でどちらかを優先させなければなりません。

もしくは、PL戦術より上にある「PL戦術を機能させるための処理原則」に従って独自に行動を選択されます。

コレはPLの意図と大きく離れた結果を導くので、極力避けたほうが良いです。

これらを避けるためには、最低一度は戦術を書き上げた後読み返し、構造的におかしい部分がないかのチェックをするとよいでしょう。

 

 

原則論としてはこのくらいでしょうか。

次回以降は、具体的な戦術の構造を、南戸かなヱとズルトの戦術を参照しながらチェックしていきます。