平野耕太、少年画報社。愉快な異世界英雄国盗り譚の三巻目。だいたい世界観と漫画のルール説明が終わり、キャラ同士の交流が深まってきた感じがします。お豊×余市とか、アナスタシア×ジャンヌとか。やっぱキャラの掛け合いが深まってくると、漫画の魅力も強くなると思います。アイデアとハッタリで押すタイプの漫画(&作家)ではあるんですが、それだけではなく足回りがしっかりしてるから、楽しく読めるんだなぁ。
展開としてはドワーフ開放してサンジェルマンが裏切って、さらにドリフサイドが加速するよ、というのと、黒王さまの楽しい蛮族シヴィライゼーションの両面で進む。第一次接触戦はドリフ側の勝利、しばらくはお互いに内政したり国盗りしたりして、国力を蓄えるターンということでしょうか。紫とEASYのプレイヤー描写もあって、ゲームの内部っぽいなぁココら辺。
ドリフだけではなく、エンズ側の描写を濃くしてくれたのはなかなか嬉しい部分です。敵サイドを掘ることで、主人公サイドも魅力的になるってこともあるけど、プギプギ言ってるオークたちが黒王さま好き過ぎで、見てるだけでホッコリするというのが大きい。何もないところから色々積んでいく描写は、確かな手応えがあってすごく好きです。敵幹部も結構仲いいし。
あ、おひい様とユカイなオカマたちが強かったのはすげー良かった。ぜってぇあのお付きのオカマ、強キャラだよなぁと願いながら読んでいたらその通りで大満足。祭丘ヒデユキの漫画みたいな敗因もひっくるめてな。そんな感じで、キャラの魅力が深まった巻でした。同時に地盤固めもしているし、こっからどう話を回していくか、ワクワクが止まらんぜよ。まぁ次の単行本もしばらくかかるんだろうがなッ! 待つぜッ!!