武神降臨は火力が超重要なゲームですが、なぜかといえばほぼすべてのバステがダメージに付随して発生するから(剛法のみ)です。
火力があるキャラは相手を気絶=敗北に追い込みやすいだけではなく、不利な状況を押し付け、自分にとって有利な状態で戦闘をしやすいキャラでもあるのです。
柔法はココらへんの関係を崩して、別の土俵でバステを押し付けることができるので強くもあり、弱くもあるのですが、今回は火力と不利な状況の相関関係を見て行きましょう。
まず凡例から
◎凡例
○大分類
●デバフの種別
デバフの効果
部位 デバフを与えるために必要なダメージの計算式
D=ダメージ
M=筋肉鎧によるダメージ軽減(最大体力の1/2)
V=生命力
A=防護点
※注意点
雑感
となっています。
バステごとに狙うべき部位、必要なダメージを算出する式、雑感をまとめて書いていこうと思います。
では、一度の負傷ごとに受ける効果を順繰りに見て行きましょう。
●朦朧
維持している効果全て終了、防御補助、移動、姿勢変更、AA不可、防御-4
どこでも D-A-M=V/2
脳 (D-A-2)*2-M=V/3
喉 (D-A)*1.5-M=V/3
四肢 損壊すると発生
※無痛症では発生しない
※根性によるリカバー可能
※我慢強さを所持している場合、リカバー可能
自動的にねじ込む手段が多い朦朧ですが、「我慢強さ」というCP効率の良い特徴でお手軽にリカバーされ、根性でも覆されるので、単純には通らないです。
自動気絶覆しでの朦朧か、<夢幻掌>による強制朦朧あたりで実現することが多いんじゃないかなぁ。
なお、バステとしての効果は非常に高く、相手の切り返しが極端に細くなるので大胆な攻めも可能になる状態ではあります。
●気絶
敗北
頭部 D-A-M=V
脳 (D-A-2)*2-M=V/2
喉 (D-A)*1.5-M=V
※無痛症では発生しない
※根性による覆し可能、覆した場合は朦朧
全てを無視して勝敗が決するので、最強のバステと言っても過言ではありません。
根性で覆すことも出来ますが、朦朧を受けるので、次の手筋で詰められたりします。
かといって覆さなければ負けるので、ここまで追い込んでしまうと価値が見えてくるバステです。
同時に、ダメージによって発生させるためには上段に打撃を通さないといけないので、生パなししても、基本的にカウンターの的です。
他のバステを併用して、正中線に打撃を集めることが、ストライカー共通の勝ち筋であるのは間違いないでしょう。
●跳ね飛ばし
空中姿勢になり敏捷-4
敏捷判定に失敗した場合、転倒して脳から落下
四肢以外に対しD=8~11(階級により変化)
ふっ飛ばしの場合はD=4~7(階級により変化)
※<軽業受身>成功度4で落下効果は無効化可能
相手の軽減に関係なく与えられるバステなので、ダメージを確保し、手ガードを抜いて当てる手段があるなら、火力抑え目キャラの優秀な崩し手段足りえます。
ふっ飛ばしで必要ダメージを下げているのなら尚更で、一時期達人=ふっ飛ばしだったのも頷ける。
無論、なかなかそうは行かないのですが。
軽業受け身の所持も当たり前になったし、即決ではなく単独判定なので、存外成功するんですよね。
●衝撃
敏捷・知力判定に効果分-
通常 =D-A-M-我慢強さがあればV
脳 =D*2-(A+2)-M-V
喉 =D*1.5-A-M-V
目 =通ったダメージに応じてダイスを振る。
※無痛症、バーサーク所持者は無効可能
※ガッツを所持している場合は半減
※貫通の仕様上、四肢を狙った場合は我慢強さがあれば発生しない
※掻き毟りの場合は×2
大抵の相手は我慢強さを持っているし、持っていない相手は触ったら勝ちなので、狙って与えるバステとしては扱いが難しいです。
相手の[衝撃緩和]を貫通して衝撃を入れるくらい火力があるなら、別のバステで勝負の大勢が決してることも多いし。
知力が下がるので、根性の数値を下げ相手のリカバリーを困難に出来るのは強み。
朦朧に比べるとリカバーまでの時間が短いので、与えた衝撃を活かすためには立ち回り方が重要になってきます。
そして、各部位を損壊させるバステです。
○部位破壊
●腕部損壊(手指省略)
全壊の場合、腕による行動不能
半壊の場合、腕による行動-3,ダメージ-1
腕部全壊 D-A-M =V
腕部半壊 D-A-M =V/2
肘損壊 D-(A+3)-M=V/3
鎖骨損壊 D-(A+1)-M=V/3
手損傷 D-A-M =V/3
肩半壊 D-A-M =V/2
※全壊は未使用CP1点によりリカバリー可能
腕部の場合は半壊に、肘・鎖骨・手の場合は無傷(部位HPは1)
腕狙いは扱いの難しいバステで、上段に位置するため腕に対する攻撃が通る時は、正中線への攻撃が通る時、つまり気絶なり朦朧なりでとっとと終わらせることの出来るタイミングなわけです。
腕一本奪っても武神の試合は終わらず、ガードを永続的に削ったり減らしたりするのは強いけど、残った足で蹴られて終わったりもします。
なので、あまり狙われる部位ではありません。
例外は手技へのカウンターであり、攻撃部位への修正とカウンター時の防護点無視が相まって、面白いくらいに割れます。
割っても未使用CPの搭載がデフォルトになった現状の武神だと、そんなに凶悪でもないですけどね。
●脚部破壊(足指省略)
全壊の場合、跳躍・突進不可、敏捷-3、基本移動力2/3、足による攻撃のダメージ-1、立姿勢になれない
半壊の場合、跳躍・突進不可、敏捷-3、基本移動力2/3、足による攻撃のダメージ-1
脚部半壊 D-A-下段狙いによる1-M =V/2
脚部全壊 D-A-下段狙いによる1-M =V
膝全壊 D-(A+3)-下段狙いによる1-M=V/3
足首全壊 D-A-最下段狙いによる1-M =V/3(C限定)
※全壊は未使用CP1点によりリカバリー可能
脚部の場合は半壊に、膝・足首の場合は無傷(部位HPは1)
いまいちぱっとしない腕に対して、ガードしにくい・相手の防御を大きく下げる・相手の移動能力を大きく下げると、リスク・リターン共に大きいのが脚部。
半壊でも全壊でもそんなに変わらないので、未使用CPの効果を下げる結果を狙って、大概膝下を蹴りこまれます。
無論、足一本奪っても相手は殴ってくる可能性が高いので、こっからの詰め方が大事ではあります。
●眼球損傷
片目の場合、すべての判定-2
両目の場合、全てのヘクスが視界外になる(攻撃全て大振り、防御ほぼ不能)
眼球損傷 D=3(貫手、指角以外は+2)
※未使用CPでリカバリー可能
※命中した場合、ダメージに対応した痛みが発生
効果だけ見ると強力だが、崩しとしては実践での活躍が少ない目潰し。
「殺害覚悟」で5CP持ってかれたり、命中数値を稼ぐためにCPを持って行かれたり、貫手の融通がきかなかったり、勝負を決めるくらいの不利を与えるためには二回(未使用CP使われるとそれ以上)殴らないといけなかったり、そもそも正中線なので相手の防御を抜きにくかったり、いろいろ面倒。
未使用CP搭載のデフォ化も逆風。
正中線を殴れる状況なら、気絶させて勝ちというルートが見えている状況でもあるので、たいていのキャラはCP効率を追求して目潰しをやめるという、寂しい結果に。
軽減不可な部位というのは強みだとは思いますが。
それでは、与えやすさ/与えにくさを火力から見るべく、ダメージ式を実際に計算してみましょう。
◎平均的なスペックを想定した、数値の代入
軽量級 体力 9、生命力 9
中量級 体力10、生命力 9、簡易筋肉鎧所持
超過級 体力14、生命力12、筋肉鎧所持
とし、筋肉鎧は常に最大限まで軽減、衣服による防護点は1としてそれぞれ計算。
●朦朧
・軽量
どこでも D-1 =5 必要ダメージ 6
脳 (D-3)*2 =3 必要ダメージ 5
喉 (D-1)*1.5=3 必要ダメージ 3
四肢 損壊すると発生
・中量
どこでも D-6 =5 必要ダメージ 11
脳 (D-3)*2-5 =3 必要ダメージ 7
喉 (D-1)*1.5-5=3 必要ダメージ 7
四肢 損壊すると発生
・超過
どこでも D-8 =6 必要ダメージ 14
脳 (D-3)*2-7 =4 必要ダメージ 9
喉 (D-1)*1.5-7=4 必要ダメージ 9
四肢 損壊すると発生
朦朧は比較的低いダメージでも発生させやすいバステです。
重要部位を殴っているので、追加で朦朧レジストが発生していることもあって、最初からリカバリーさせて疲労点を削る意味では、脳や喉をぽこぽこ殴るのは悪い手筋ではないと思います。
●気絶
・軽量
頭部 D-1=9 必要ダメージ 10
脳 (D-3)*2=5 必要ダメージ 6
喉 (D-1)*1.5=9 必要ダメージ 7
・中量
頭部 D-1-5 =9 必要ダメージ 15
脳 (D-3)*2-5 =5 必要ダメージ 8
喉 (D-1)*1.5 =9 必要ダメージ 7
・超過
頭部 D-8 =12 必要ダメージ 20
脳 (D-3)*2-7 =6 必要ダメージ 10
喉 (D-1)*1.5-7=12 必要ダメージ 14
これを発生させれば勝ち! というバステであり、その分必要なダメージもそれなりに上がります。
といいつつも(後に詳しく検証しますが)、割と無理なく視野に入るダメージ量ではあり、特に脳はダメージ倍率、生命力にかかる倍率共に優秀で、ストライカーの最終的な詰め筋はやはり脳殴りだと思います。
まぁ自爆があるんで、達人以外はなかなか殴りにくいですけど。
中量級と超過級の必要ダメージ差を見ると、やっぱ簡易筋肉鎧の隙間を抜くのは大事だなと思い知らされます。
軽量級と中量級を比べると、筋肉鎧による軽減がどれだけ生存に寄与するかもわかりますね。
●跳ね飛ばし
・軽量
四肢以外に対しD=8 必要ダメージ 8
ふっ飛ばしの場合はD=4 必要ダメージ 4
・中量
四肢以外に対しD=9 必要ダメージ 9
ふっ飛ばしの場合はD=5 必要ダメージ 5
・超過
四肢以外に対しD=11 必要ダメージ 11
ふっ飛ばしの場合はD=7 必要ダメージ 7
筋肉鎧で減らされても関係なく発生するバステなので、戦術レベルでの安心感があるバステ付与手段です。
これで浮かして空中の相手の正中線を殴るか、転倒させたところを攻めるか、という「ほぼ詰め」な状況にしやすい状態です。
まあ<軽業受け身>されるんですけどね。
筋肉鎧での軽減を見ず、無条件でバステを押し付けて有利を取りたい場合、実はダメージは期待値ではなく最低値でカウントするべきです。
そういう意味では、やはり火力は必要になってくるわけです。
●衝撃
・軽量
通常 =D-10 最低必要ダメージ 10
脳 =(D-3)*2-9 最低必要ダメージ 8
喉 =(D-1)*1.5-9 最低必要ダメージ 7
・中量
通常 =D-10-5 最低必要ダメージ 15
脳 =(D-3)*2-9-5 最低必要ダメージ 13
喉 =(D-1)*1.5-9 最低必要ダメージ 7
・超過
通常 =D-13-7 最低必要ダメージ 20
脳 =(D-3)*2-12-7 最低必要ダメージ 13
喉 =(D-1)*1.5-12-7 最低必要ダメージ 14
相当頑張らないと入らないバステですが、火力が跳ねると案外ポンポン貫通するバステでもあります。
攻撃が通りやすい四肢は貫通の仕様上、「我慢強さ」一枚で痛みを止められるので、与えたければやはり脳か喉。
ダメージも増えるのですが、衝撃が貫通するようなダメージはほぼ自動気絶を取れ、根性も成功しないので過剰といえば過剰。
ただし、最近の武神は耐久性をオーバーフローさせたキャラが実績を出しているので、過剰バステは悪い手筋ではないと思います。
●腕部損壊
・軽量
腕部全壊 D-1=9 必要ダメージ 10
腕部半壊 D-1=5 必要ダメージ 6
肘損壊 D-4=3 必要ダメージ 7
鎖骨損壊 D-2=3 必要ダメージ 5
手損傷 D-1=3 必要ダメージ 4
肩半壊 D-1=5 必要ダメージ 6
・中量
腕部全壊 D-6=9 必要ダメージ 15
腕部半壊 D-6=5 必要ダメージ 11
肘損壊 D-4=3 必要ダメージ 7
鎖骨損壊 D-2=3 必要ダメージ 5
手損傷 D-1=3 必要ダメージ 4
肩半壊 D-1=5 必要ダメージ 6
・超過
腕部全壊 D-8 =12 必要ダメージ 20
腕部半壊 D-8 =6 必要ダメージ 14
肘損壊 D-11=4 必要ダメージ 15
鎖骨損壊 D-9 =4 必要ダメージ 14
手損傷 D-8 =4 必要ダメージ 12
肩半壊 D-8 =6 必要ダメージ 14
割るのに正中線とあんま変わらないダメージが必要なのも、腕狙いが流行らない理由の一つかなぁ。
受け止めの結果として、腕が壊れる場合が一番多い気がする。
その場合は必要ダメージが4点増えるため、更にダメージが必要になります。
耐久性に自信があるキャラは、やっぱ<受け止め>積極的になっていいんじゃないかなぁ。
とか言っていると、跳ね飛ばしで浮かされるか。
●脚部破壊(足指省略)
・軽量
脚部全壊 D-2=9 必要ダメージ 11
脚部半壊 D-2=5 必要ダメージ 7
膝全壊 D-5=3 必要ダメージ 8
足首全壊 D-2=3 必要ダメージ 5
・中量
脚部全壊 D-8=9 必要ダメージ 16
脚部半壊 D-8=5 必要ダメージ 12
膝全壊 D-5=3 必要ダメージ 8
足首全壊 D-2=3 必要ダメージ 5
・超過
脚部全壊 D-9 =12 必要ダメージ 21
脚部半壊 D-9 =6 必要ダメージ 15
膝全壊 D-12=4 必要ダメージ 16
足首全壊 D-9 =4 必要ダメージ 13
ガードの上から割るのであれば、更に4点必要になります。
必ずしも貫通ダメージを出して全壊させなくて良いため、ラインとしては7/12/15点がひとつの目安。
リターンが大きく、ガードの数字も下がり気味であり、移動で振り回した後に行えば受け止めを強要できるため、一番火力と崩しが直結するバステだと思います。
きっちり仕上げた耐久型の足を折るのは、なんだかんだアホみたいな火力が必要になるため、「とりあえずロー」だけではいろいろ厳しい。
火力型の下段は基本的に距離を考えず打てるため、<掃腿>や<組付き>に比べると間合いの勝負を無視できるのが強みですね。
逆に言えば、距離1に詰める算段をしっかり立てれば、火力(と相手の耐久性能)にかかわらず、相手の行動を阻害できる、ということでもありますが。
●眼球損傷
・階級、ダメージ軽減に関係なく
必要ダメージ 3
火力の有無=バステ付与の難易度に逆行する、ほぼ唯一の部位。
正中線狙いからの気絶にせよ、ローによる足崩しにせよ、火力による崩しは相手に応じた適切なダメージが必要になるわけですが、壊すのに必要なダメージが生命力に関係なく固定で、軽減も不能な眼球だけは、最低ダメージ3を確保できれば割れます。
最低ダメージ3は1D+2であり、期待値換算すると5.5。
この火力で相手の喉を殴っても、軽量級すら自動気絶に突っ込めないわけで、わざわざ種々の費用を払って眼球狙いをするキャラは、超低火力という得意なビルドが最も効率よく仕上げられるのかもしれません。
もしくは、片目潰してから関節か、関節で固めてからの目潰しか。
どちらにせよ非常に特異な部位で、通常とは違うノウハウによってバステを付与していく部位だと言えます。
文章が長くなったので、一旦ここで切ります。
次回は「デバフを与えるために、キャラタイプごとに可能なダメージ量」を見ていきます。