イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/06/12

 ・ ジョジョ

さらばアブドゥル! 男の涙は一度だけ!! つーわけで、インドに渡ってVSホルガイル。
ビシッとメリハリの効いた動きの演技と、敵役のヘイトアーツの巧さ、そしてラストシーン渾身の男泣き。
かなりガッツリと盛り上がりのある、彫りの深い回だったと思います。

荒木先生の頭がいいからか、ジョジョの登場人物はだいたい性格が悪く、今回のツンツンした態度もまぁしゃーなし。
しかしながらポルの暴走の背景には妹さんへの思いの強さがあり、悪態の奥には涙を隠していると、最終的には人間的な強さ、清らかさに繋がるように描写されております。
そこら辺の人間賛歌を、今回はうまくアニメにできていたという印象を受けました。

無論人間のポジティブな側面を担当する主役たちは、ドブゲロ色の敵役がいてこそ輝くもの。
煽るだけ煽って、ぶっ殺したアブさんを悪しざまにいうホル&Jガイルへのヘイトは急速にヒートアップであり、それ故ラストの涙が胸に刺さるという、効果的な押し引きになっております。
次回"復讐のポルナレフ編"ですが、今回の出来を見ると期待がうなぎライズしますね。

 

・ 棺姫のチャイカ
ファーストシーズン最終エピソードということで、グイグイ進んで中盤山場イベントっぽさ大盛りな回。
サイコなクソガキ領主、コスト度外視の魔導空中要塞、飛龍による偵察と侵入、分断される味方PT。
あー……いいです凄いイイ……こうも直球でストライク取られると、ほんと気持ちいいっす。

フレドリカが獅子奮迅の働きをしていて、しっかり見せ場にチームを引っ張って自分は即退場する所とか、よく出来たPC4過ぎて涙出てきた。
かなりスムーズに進んだ回ですけど、ユカイな仲間が飛ぶの飛ばないのででワキャワキャしてるシーンとか、フレドリカの雑な投げ込み方とか、女狩りされてる街の陰惨な気配とか、本筋以外への目配せが相変わらずしっかりしていた。
こういう所怠けないと、ファンタジーロードムービー的な空気が巧く醸しだされ、空中要塞バーン! とかのキメシーンがズッポリ刺さるわけよ。
いやー謎の配線と発光マシマシのフライング・フォートレス……やっぱいいです凄くイイ……(二度目のうっとり)

チャンスはまずピンチから! という創作の鉄則に則って、きっちりチームをバラバラにしてるのもグッドな展開。
とは言うものの、フレドリカは実質不死身だし、アカリはアカリだし、ドキドキしつつも絶望はしないバランスはホンマ、エンタテインメントとしてよく出来とる。
妹にウォーハンマーで襲われる展開、四話くらい前にギャグ描写で見たよ!
ジレット班はどう動くのかとか、三人目のチャイカは一体何を狙っているのかとか、クソサイコ領主をどう追い詰めるのかとか、気になるポイント満載でヒキまして、いやー、オモシレぇなぁチャイカ。

 


・ ソウルイーターノット!
NOT世界のほんわかしたオーラが、今まで積んできたシリアスな伏線と無印の殺伐とした空気に乗っ取られる回。
これ、無印知ってるか否かで受け取り方がぜんぜん違うんだろうなぁ……。
ソウルイーター世界は相当に殺伐としていて、バンバン人が死ぬ前提でノット! も見ていた自分としては、まぁそういうこともあるよね、位の印象でした。

とは言うものの、NOT世界で積み上げてきたオンナノコ三人の仲良しスクールライフっぷりはよく出来ていた分、「過酷な現実が急に横殴りして三人はバラバラになり、シド先生は死ぬ」というハードコアな展開は衝撃が大きい。
ポチの死亡からメメの記憶障害、不穏な情報収集と確保、独断専行と敵の横殴りと、雪だるま式に事態が悪くなっていく展開が、なかなかスムーズなのも効いたね。
あ、メメとゴーゴンのふわっとしたアクションは、魔女という異形の存在らしさが出ていてなかなか良かったと思います。

まぁエターナルフェザー先輩辺りから、シリアス濃度は増していたとは思うが……遊星よりの物体Xで復活しちゃったからなぁ。
シリアスな空気をポップなギャグが横殴りするのも、ソウルイーター世界の特長なので、この温度変化に対応しにくいつーのはあるかもしれん。
シド先生、ゾンビになって完全復活するしね(ネタバレ)。

しかし個人的には、いかにもギャルゲー的なメメのメメントにしっかりと意味があり、どす黒いオリジンにふさわしくどす黒い展開になったのはいいことだと思う。
そこに目をつぶって、ずーっとほんわかふんわかした展開続けた方が、あんま良くねぇなぁという感想を抱いたと思う。
まー、クライマックス前に一二回、メメのメメントで都合の悪いことが起きるイベントがあった方が、よりスマートな受け入れ方が出来ていたかもなぁ。
無論、今回下がったテンションをジャンプボードに、友情と努力で勝利するという前提の上での評価ではあるけど、そこら辺はソウルイーターだしなんとでもなるべぇ。

 

・ アイカツ
アイカツ8回、と見せかけてあおい姐さん回、と見せかけてらいち回であり、いちごお姉ちゃん回。
らいちはセカンドシーズンから如実に露出が増え、コメディリリーフからメディア担当・成長担当としてガッツリ本筋に絡んできたキャラ。
そこをクローズアップしつつ、久しぶりに星宮家の絆を全面に出した家族回であり、「とりあえず体張っておけ」というアイカツの掟を前面に出した展開でもありました。
……アイドルマラソンはいいとして、ショタ神輿はやっぱキチってるわ……。

らいちはあの世界におけるファン代表であり、丁寧に異物を取り除いたアイカツ世界らしく、「アイドルを好きになること」のマイナスポイントはらいちにとっては存在しません。
つーか、メインキャラのあおい姐さんからしてドルヲタやからな。
アイカツ世界においてアイドルに熱を上げることは、「パワーを貰って、明日に頑張る活力に変える」という非常に健全な等価交換を意味するわけです。
まぁその負の側面を描くってことは、相当な覚悟と丁寧な筆致を要求されるネタであり、アイカツの立場と制作哲学を鑑みれば、回避は当然か。

その分らいちの爽やかな好青年への成長と、圧倒的な人間力はキッチリ描写されており、やっぱ良いキャラに育ったなぁ、という印象。
それに加えて、らいちの成長を奥行きにして、「気付かぬうちに弟が青年に……」という家族の遠近法を使ってワンシーン入れてくるのは、アイカツらしい良い展開だと思いました。
父は全世界を股にかけるグルメハンター、母は元世界NO1アイドルにして女手ひとつで弁当屋経営、姉は現役トップアイドルと、血筋からして超人の系譜ですからね、開花するべくしてリア充といいますか。
個人的には、ショタ神輿をノータイムで組み上げるサッカー少年たちも、流石アイカツ世界の住人だと思いましたが。

ステージはユリカ様のCGモデルが完成し、大体九ヶ月ぶりにファーストシーズンのユカイな五人が集結。
ステージセットに変化のない「ファッションチェック」でしたが、その分モデリングや表情付け、ライティングなどの進化を感じることの出来る、いいステージでした。
渋谷系に音楽体験を結構焼かれている身としては、あのスウィディッシュな音自体がビンビン来る、つーのもあるけどね。

ゲームの方のアイカツ8との連動は結果出てからでしょうが、仮に反映するとなるとスンゴイことになるな……。
そのトップを張っているWMは、相変わらずのプロレス文法で「ソレイユを潰す……」って言い始めた。
暴虐の覇王とその弟子を誰が、いつ止めるのかつーのも気になるところですな。
あとあかりちゃんの方の話しもチマチマでいいから進めて……販促との連動で色々厳しいのもわかりますがネ。