イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/11/27

・ Fate/UBW:第7話『死闘の報酬』
柳洞寺大決戦! というわけで、チャンバラしたりビーム打ったりチャンバラしたり、アクション多めな回でした。
凛ちゃんさんが寝ている間に、まったセイバーがヒロインポイント稼いでいて、誰ルートだっけと首を捻らざるを得ない。
そして二箇所の決戦両方で見逃しが発生しており、第五次は思いの外ゆったり進むな、と。

今回もセバ子はアサシンとスーパーチャンバラしたり、傷だらけの士郎を助けたり、士郎と師弟の契を結んだり、凄い勢いで色々やってた。
UBWの高速剣術は、一瞬の判断が生死を分けてる感じがくっきり伝わってきて、やっぱ興奮しますなぁ。
今回でいうとファーストタッチで刀掴んでからの攻防と、燕返し出されて「剣隠してる場合じゃねぇ!!」とばかりに黄金の刀身が顕になる所ね。

アクションといい主人公との絆の強さといい、やっぱ現状、セバ子がメインヒロインっぽい扱いだな。
このままでは聖杯を飲み干した士郎が「こ、これが伝説の酒かー! よっしゃやったる、日本ではじめて聖杯酒を作る男に、ワシはなったる!!」と一念発起し、セイバーを嫁はんにして大阪で西川きよしと仕事したり、株主と争ったり、鳥居社長と喧嘩したり、OPに中島みゆきを流したりしてしまう……。(朝ドラ脳)
凛ちゃーん、アチャ男の夢見つつ寝てる場合じゃねぇよ?


アクションも良かったですが、今回大事なのは士郎くんとアチャ男の、拗れて面倒くさい関係性。
弓の「士郎ぶっ殺す……とは言うものの、少し眩しい。だが殺す!!」という拗らせ方はまんま少女漫画で、デレるまで長いのも引っ括めてああ面倒くさい。
背中かち割られておいて「まぁサーヴァントってそういうもんだし、恨んではいない」と名言出来る士郎も、大概キチガイだけどな……。

第一次柳洞寺大戦はお互い負傷者を出しつつ、キャラ間のコネが繋がった結果となりました。
来週は落ち着いた展開になりそうで、凛ちゃんさん逆転の打席に期待が高まりますネ!
……そろそろ逆転ホームランあるよね?

 

アイカツ:第110話『情熱のサングリアロッサ』
濃い目のキャラ付けと重たい内面を両立させてる四人目、紅林珠璃ちゃんのプレミアムドレス回でした。
一年目序盤のかっ飛ばし方を思い出す、キチガイ濃度の濃い展開……でありつつ、珠璃ちゃんの長所を見せ、三人組との距離を縮めるという仕事はしっかりさせている、非常にアイカツらしいお話。
畳み掛けるテンポの良さと、珠璃ちゃんの素直な表情が生き生きとしたテイストを足していました。

前回「母親へのコンプレックスから、かなりキャラを作っているんじゃないか」と書いた珠璃さんですが、今回のぶっ飛んだ行動力と直感力を見るだに、たとえ仮面だとしてもかなり完成度の高い仮面なんだなと実感しました。
なんだよ風が匂わないって……。
よく解らないけど湿ったオジサンに情熱が通じ、やる気を再燃させたのは事実であり、そういうことが出来るなら『頑張って作った天才キャラ』というのは、もはや天賦の才能と見分けがつかない、とても良いものなんじゃないかなぁと思います。

今回脇に引いてた三人組ですが、意味分かんない珠璃ちゃんの言動にも協力的で、『40代の人生に疲れたオジサンを元気にしよう大作戦』でも積極的に手伝う優しさを見せてました。
ブレイク寸前のアイドル候補生女子中学生が集団でやって来て、故郷の料理を作り、闘牛寸劇を目の前で演じてくれて、自分のためにバラを探して持ってきてくれるというサービスは多分、銭では買えないスーパープレミアムコースだと思うのですがあのインポ野郎……。
とは言うものの、『理屈を超越し、踊りという身体表現で伝わる熱意』つーのは好みのモチーフで、インド映画っぽい流れでもあり面白かったです。
苦労を共にすることで距離が縮まるのは、やっぱり長期シリーズの醍醐味だなぁ。


じっくりした部分だけではなく、瞬間火力だけで勝負するボケ倒しの部分も今回いい塩梅でした。
公共交通機関を利用して行けるアンダルシア(おそらくおそらく横浜→逗子葉山→鎌倉)とか、汎用性の高すぎるグラシアスとか、何言ってんのか判んない珠璃語とか。
こういう要素もアイカツ!の強みだと思うので、珠璃ちゃんを出口にしてテンポの良いコメディ色を付けていけるなら、今後の楽しみも増えますね。

今回のステージは珠璃ちゃんとサングリアロッソ、両方のお披露目を兼ねていることもあってか、凄まじく気合が入っていました。
出だしと最後のライティング、フラメンコの命とも言えるブラッソを取り入れた振り付け、ふわっとしたドレスの表現、柔らかな肌の描画、ラストのガラス越しのブラー表現と、面倒臭そうな要素てんこ盛り。
その甲斐あってかゴージャスな舞台に仕上がっていて、なかなか良い出だしだったと思います。
スミレちゃんの『タルト・タタン』といい、80Sリバイバルっぽい曲調が三年目の基本なのかなぁ。
好みです。

二話連続した紅林珠璃エピソード、硬軟の違いはあれど両方しっかりと仕上がったお話で、とても楽しく見れました。
こういう風ににキャラの彫りをしっかり立て、シリーズ全体での立場を少なめの尺でクッキリ見せてくれるのは、本当にアイカツ!の良いところだなぁと感じます。
四人揃って、さて来週は握手会。
らいちだのノエルちゃんだの、懐かしい面々も出てくるようで、どうなることやら期待が膨らみますね。

 

・神撃のバハムート:第7話「Anatae, Part 2: The Storm Rages」
折り返しに総集編をはさみつつ王都決戦でございます。
相変わらず中身のみっしりした話で、悪魔軍の猛攻だとか、組織だった行動で善戦する聖騎士団だとか、人間やめてるジャンヌだとか、アクションの見どころてんこ盛り。
その上で主人公たちの小汚い意地もどっぷりと描写してくれて、ハイな部分とローな部分、両極しっかりやれてる素晴らしいアニメであります。

兎にも角にも、NPCとしてのアザゼルさんが仕上がりまくっていて、セッションで出てきたら口半開きにして拍手するレベルの憎たらしい敵だった。
主人公のメンツは保ちつつ本音は伝えてくれるわ、モチベーションの根っこにある二人の父親謀殺は煽りまくるわ、進行をスムーズにさせる細かい仕事が非常にグッド。
俺もアレぐらい有能なゲームマスターになりたいもんですね、ホント。

そしてGMからのトスを受けて、格好いいシーンをキメまくる主人公達。
あくまで自分のためと言いはりつつ、親友のために体を張るファバロ。
その思いを受けて帰還し、最後の一発を導くカイザル。
『そう、そこにこういう一発が欲しかったの!!』としか言い様がない、愛憎の果てに友情に辿り着いた男達の物語でございました。

彼ら凡人が凡人のまま、圧倒的な力を持ったアザゼルを倒す説得力を作るつーのは、本当に大変なことでありまして、安易な覚醒だとかゴッド武器だとかに頼らず盛り上げた今回のアクション構成、ほんま素晴らしい。
尻尾の強靭さであるとか、世知辛い旅の末に「後ろに気をつける」事ができるようになったカイザルだとか、物語的な伏線をアクションの中で活かす殺陣が最高でした。
小狡い連中は小狡いまま、ド派手な軍隊はド派手な部分でそれぞれ魅力を出してる切り分け方は、このアニメのたくさんあるいいところの一つやね、やっぱ。

ジャンヌさんが強すぎて人間とは思えませんが、一騎当千の勇将を最大限活かすべく、しっかり仕事する騎士団の描写も素晴らしかった。
えてして主人公達の特異性を際立たせるため弱く描かれがちなのが、ファンタジーにおける"聖騎士団"というものですが、神バハのホーリーオーダーはマジ強兵。
集団としての強さが徹底して描写されているのが、心底痺れるポイントですね。

序盤散々無双してたアーミラさんですが、最近は食べたり飲んだり駄々こねたり、すっかりヒロイン……つうか小動物としての地位を確立。
今回はそんなアーミラ嬢が姿を消して次回に続く! という流れでした。
毎回ギッシリした視聴感なので、まだまだ先があるのが嬉しいやら意外(というか「え、まだ食べていいの?」という感覚に近い)やらですが、とまれ楽しみですね。

 

・天体のメソッド:第8話『彼女の信じること』
汐音編大団円ッ!! アーンド最終章・ノエル編開始ッ!! ていう感じのメソッド
ノエルが相変わらず獅子奮迅の活躍をして、素直になりたかった女の子達を仲直りさせて大団円……と言うとでも思っていたか。
視聴者は早めに気づいてた『皆が仲直りするのはいいが、このままでは可愛い可愛いノエルが湖に沈められてしまう』という事実に、汐音が辿り着いて一悶着というところで終わりました。
良いぞ汐音……犠牲者の笑顔の上に建築される未来なんぞ、ワシは認めん……。(妄執をこじらせた爺ッ面)

汐音は最初っから愛が重すぎて反転してた子なので、素直になりさえすれば問題は解決するわけです。
回想シーンで毎年毎年約束の公園に通いつめてる汐音の重さは、札幌近辺をシュバルツシルト半径に巻き込んでもおかしくないレベル。
それが反転するんだから、返事待たないレベルで即ハグも納得ですよ。
早かったねーアレ。

"心ひとつの置所"というのは柚季も同じ構図を持っていて、そこら辺は中学3年生という年代故の問題設定かなと思ったりもします。
とまれ、素直になりたいけど素直になれない、子供でありながら大人でもあるクッソ面倒くさいお年頃には幼女が効く!! マジで!!!
乃々香との約束を信じて六年待っていたのはノエルも汐音も同じなのですが、概念たるノエルは成長も劣化も出来ず、人間たる汐音は望むと望まざると変化してしまった結果と考えると、むしろノエルの痛ましさのほうが際立つ。
ノエルを媒介に汐音と乃々香は近づき、離れ、いろいろ面倒くさい道のりを経た上で再び近づくことが出来たわけですが、んじゃあ媒介たるノエルは全員を結び合わせたらどうなるのってことですよ。


ノエルが消えるべき存在だというのはかなり露骨に、かつ序盤から仄めかされていた事態でありまして、EDという枠外での明示は別件とするも、例えば二話で「協力してくれる?」という言葉に「暫くしたらね」と答えているところなど、なかなか判りやすい。
それが判りやすいからこそ、ノエルが子供たちの間をとりもち、人を素直にさせ、過去を取り戻させる奇跡的な存在として活写されていく中で、視聴者はこう思うはずです。
『この子がただ消えるのは、無くね?』と。
少なくとも、僕はそう思った。

五人の蟠りが解消され、上手く別れを伝えられなかった結果拗れた過去を取り戻し、物語の秩序は再獲得されてしまった。
なら物語を前進させる潤滑装置として、物語内部に定義されているノエルには最早、やることがない。
そうなるとずっと仄めかされていたように、そうして消えていくにはしかし、ノエルは魅力的に描かれすぎているし、とすればこのお話の最後の蟠りは『ノエルの消失』になるしかないわけです。
汐音の超絶めんどくせぇ行動はその実、視聴者の最後のわだかまりを作中で拾い上げ、エピソードとして個別化するために必要なものでもある、というわけですね。

円盤という超自然的存在が関係する以上、今までの問題のように"心ひとつの置所"でノエルの消失に何らかの方が付くのか否か、それは判りません。
通常のルールを超えた、それこそ『天体のメソッド』を設定できる円盤の消失に関して、何が重要になるのかは、これから見えてくることでしょう。
もしかしたら子どもの力や、自分に素直になるという今までの解決法では、どうにもならない事態が発生するかもしれません。

ただ、こんがらがった過去を持った少女と少年たちが全て、ノエルという存在によって再接続され、新しい立ち位置を獲得できたということ。
そのことに子どもたちは強い真心と感謝を憶えているということが、何かの意味を持ってほしいと、僕は考えています。
そのために、四枚のチケットがノエルのもとに届くシーンを、相当強調して見せているのでしょうから。

天使がくれた真心を、子どもたちはどんな形であれ、返すことが出来るのか。
出来るのであれば本当にいいことだなぁと思いつつ、次回を待ちたいと思います。

 

追記
ノエルが消失するか否かというのは、実は僕の中ではそこまで重要な問題ではない。
消えるにしろ消えないにしろ、僕の中で重視したいのは今まで彼女が示してきた真心に、五人が答えることが出来るのか、答えるとしたらどのように、どの程度答えるのかという、過程の部分になる。
それは完全に描写の勝負になるので、実際の映像を見ない限りけして判断できないし、してはいけない部分だと思う。

ノエルが消えてしまう、もしくは消えずに残るというのは結果であって、そりゃ消えずにオムライスを頬張ったり顔看板で遊んだりし続けてくれれば素晴らしいことだが、それを導くためにノエルの真心を蔑ろにするような過程を描いたら、その喜ばしい結果を受け入れることは出来ないだろう。
かと言って、ノエルの消失を『物語的必然』だからとか、『そのほうがお話として綺麗だから』とか、『そのほうが久弥っぽいから』という理由で希望したくもない。
想定されるノエルの消失可能性に、あまり動揺せずこのお話を見守りたいし、見守らなければならないと感じている。
そういう気持ちにさせてくれるアニメというのは、なかなかに善いアニメなのだと思う。