イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/12/08

Fate/UBW:第9話『二人の距離』
『今週はもう伝奇お休み! 看板!! 店じまい!!! 徹底的にラブコメ街道血反吐吐くまで!!!!』という感じの、学園でラブでコメディな回。
セイバーに三馬身半ヒロインレースを離されてる(※個人の感想です)凛ちゃんさんが、あざといムーブをラッシュして、グイッと詰めてきた回でもあり。
桜周りのネタを拾ってる余裕はないと思うのだが、映画版に向けての布石ってことかなぁ。

学園で男を脱がしたりガングロ男とツンツンデーレデーレしたり、なんかあざといシーンが乱舞した今回ですが、キッチリ偽物人間・衛宮士郎の描写を入れる辺り、UBWは主人公を理解させるのに重点してんなと感じます。
まぁ原作最大のウィークポイントだしねぇ、ノレない主人公。
セイバーちゃんのイノセントな質問がズブッと胸に刺さる辺りは、将来の破滅を予感させてグッドでした。

此処最近はキャスター班を嗅ぎまわって進んでいましたが、神父が悪さして金ピカが出てくる展開。
こうやってイベント目白押しに、行き着く暇なく進めるパワーがFateの力なんだろうなぁ。
息継ぎタイムは今回で終わりという感じで、次回また伝奇バトルの香りがしてますが、何処らへんで折り返すのかな?

 

・Gのレコンギスタ:第11話『突入!宇宙戦争
進みだした事態は誰も留めることなく、封印された技術と大国の威信を賭けて、人類史久方の宇宙戦争の火蓋が切って落とされる回。
形としては『マスク部隊VSメガファウナ』、キャピタルにとってもアメリアにとっても端っこの方にいる部隊どうしの小競り合いといった感じなのか。
こういう構図を切り取られると、ベルも姫様も、国家意思決定から離れた場所にいることを再確認しますね。

一方大統領の息子として、アメリア主戦派のど真ん中に居座る天才。
士気高揚の演説をバッチリ決めたり、世界制覇の野望をむき出しにしたり、メガファウナにいた頃とは別人のようにギラギラしておる。
というか、メガファウナ時代の可愛げある姿が、虎の牙を絹で包んでいた状態だったのかなぁ。
どう考えてもミック・ジャックと肉体関係ありますオーラがムンムン出てて、少しさみしい。

ミック・ジャックも大統領も、「ここまで来て引けない」という理由で戦争をガンガン前進させていて、なんともやるせない気持ちになる。
お互いがお互いを『相手にもならない』と、ひどく甘く見ている所もね。
こういうぼんやりとした決意で始まってしまった戦争が、沢山の不幸を撒き散らし人名を吸っていくかと思うと、本当に愚かしいし、愚かしいものを愚かしいものとして書けているのはとても強いとも感じる。

スルガン軍総監もせっかく法皇との直通ライン繋げたのに、軍人の勤めとして艦隊は宇宙に上げてしまうわけで、『どうせ殺し合いするなら、少しでも理性的にコントロール可能な戦争を維持する』という発想なのかなぁ。
ここら辺の違和感は、未だ視聴者に見えない『宇宙からの脅威』をどれだけ見据えているかという、そのギャップが埋まっていないことも原因なんだろうな。
事前に宇宙艦隊計画を大々的に動かしてた総監にとっては、『宇宙からの脅威』というのは身に迫った恐怖であり、その過程で古臭いタブーを振り回すキャピタルとの衝突やむなし、ということか。


そこら辺の事情とはあまり関係なく、独立愚連隊メガファウナは因縁の相手、マスク部隊との前哨戦を戦うのであった。
ガードが積極的にアメリアと協力関係にある現状を鑑みれば、デレンセン教官殿が生きていれば、ベルと肩を並べる戦闘なのかなぁなどと思いながら見ていた。
しかし姫様はポンコツで完全に定着しちゃったなぁ……ケルベスにもそういう扱いだし。

それに対するように、クンパ大佐の後援を受けて魁を務めるマスク部隊。
仮面を被ってからずーっとGセルフ関係の作戦に従事し、全て邪魔されてきたマスクにとっては、ベルは複雑な感情の対象なんだろうと、今回の彼を見ていて思った。
クリムもそうなんですが、わりかし長閑な牽制合戦から始まり、だんだんと武力衝突の規模が大きくなり、いよいよ国同士正面衝突という局面になった今回、色んな人の人格的地金が見えてきた感じがあります。
僕は第一話で描かれていた養成学校の空気がとても好きだったので、先輩が感情をむき出しにベルに迫るシーンは、『遠い場所に来てしまったなぁ』という感慨を受ける描写でした。

前哨戦はいつもの様にメガファウナが取りましたが、本命が衝突するのは次回。
タイトルで大体の流れは見えるのですが、それが政治に、そして『宇宙からの脅威』にどう影響するのかは全然分かりません。
急流のように展開する歴史の流れの中で、ベルやマスク、姫様に天才といった個人達はどうしていくのか。
自分的にはそこら辺を楽しみのコアとして、このアニメ見ております。

 

・selector spread WIXOSS:第10話『このぬくもりは限界』
蒼井晶が暴走したら、ルリグドミノが倒れて能登麻美子に肉体が戻ったという回。
ドミノの波及はウリスのルリグであるタマに及び、タマの変化はGMである繭さんを苛立たせ、そのイラつきが香月と花代さんへの設定変更で刺さると、群像劇の醍醐味を一気に味わえる展開だったと思います。
二期では蚊帳の外だった紅林姉弟(偽)にこのタイミングでカメラが移るのは、隙を突かれた感じがして、非常に面白い。

ルリグドミノの起点になった晶の暴走ですが、ウリスを筆頭とした本物の根性ドブゲロ勢に比べ、自分で喜びだと言っているキチった考えに心底乗れてない痛ましさが目立ちました。
満たされない環境、満たされない欲求に凡人として反発し、セレクターシステムという稀代の詐欺装置に組み込まれた存在の、凡人らしい当然の敗北。
それを嘲笑えるくらい気楽なアニメなら、僕はここまで見ていないわけで、彼女はやはり痛ましい。
彼女に使った尺全てがこの感想を導いているわけで、やっぱ良い群像劇だよなぁ、今回の晶のシーン一つ見ても。

そんな晶が恨み憧れたイオナ(雪)もお話の中で変化し、『私がるぅ子を守る!!』とかすっげー綺麗なセリフをいうところまで来ました。
一期ラストの根性ドブゲロ人間っぷりから、『まぁ雪さんが言うなら……』というところまで引っ張ってきたのは、お話の蓄積の強み。
バトル蟲から変わってしまう恐怖に怯える所まで来たタマも、同じように変化を実感できる展開であり、今回のコアはそこかなぁなどと感じます。


同時にメインヒロインを檻に閉じ込めラスボス力を一気に貯めた繭さんは、あくまで変化しない存在を貫く。
後出し設定でガンガン他人を巻き込む身勝手さは、子供がそのまま神様になってしまった虚しさというか危うさというか、彼女のブレないキャラクターを感じさせます。
身勝手なエゴを全開にした詐欺システム運用罪でゴミみたいな末路を迎えるのか、るぅ子の綺麗パワーで浄化されるのか、まだまだ予断を許さないラスボスであります。

冒頭でエルドラの真心どおり順当にドロップしたちよりと、最初のセレクターとして様々な歴編を経てドロップしたイオナ(能)両者が出てくると、終りが近いんだなぁと感じさせます。
『クソみたいなシステムに勝つ手筋は、盤面そのものをひっくり返すか、ゲームをしない』という結論が、具体的な描写で示されてるわけで。
ルリグシステムによる肉体交換と、その結果としての願いという名前の呪い押し付けシステムはこのお話のキモであり、同時にかなりややこしく分かり難いポイントだと思うので、イオナさんを使ってまとめにかかったのは非常に良いと思いました。
能登イオナ、瀬戸イオナ、釘イオナと、肉体交換システムの試験台みたいな扱いですね、伊緒奈さん。

タマが囚われの存在になったことで、話を終わらせるシチュエーションは一気に固まりました。
とは言え急にねじ込まれた✝BLACK★PRINCE✝の対処とか、根性ドブゲロ人間どもの末路とか、やるべき事はまだまだある。
少女たちの群像劇は、一体何処に向かうのか。
見守りたいと思います。

 

・プリパラ:第23話『プリパラ最後の日でっすわ!』
校長攻略戦真ん中、今回はドレパの面々(主にドロシー)が頑張る回。
ギャグ多めなのだが、話の展開的には着実に校長を詰めている最中。
その本筋に関係ないギャグの切れ味が尖すぎるのが、ある意味問題ですらあるという……。
贅沢なアニメだ。

今回はとにかくブレーキのかからない回で、校長の独裁体制はテルールの域まで達し、妖怪プリパラ滅ぼしは眼力で人間をふっ飛ばし、何の脈絡もなく中学生の姉弟は一緒に風呂に入り、リアルでニンジャコーデして不法侵入をかまし、掃除機は鳴いたり病気になったりし、ドロシーがデレたりした。
列挙するとほんとにアクセルべた踏みですね今回……。
勢いで押し切るパワーがあるので、迷わずパなし続けるのは正しいと思います。
面白いし、唐突な尾崎ネタとか。

ハイテンションなネタ要素に流されそうになりますが、今回はドロシーが主役。
積極的に動いて状況を回すだけではなく、弟と風呂に入ったり、仲間に庇われたり、プリパラへの思いを叩き付けたり、第2クールの総決算みたいな流れになっていました。
最初はトゲトゲぶつかり合っていたドレパも、すっかり仲良しになっていて微笑ましかったですね。
……やっぱあの姉弟、インモラルな方向に仲良すぎじゃないですかね?

校長の方はやっぱ訳ありオーラムンムン出して苦しんでいて、織姫学園長バリに面倒くさい因縁がらぁらママと有りそうな気配。
妖怪見たくプリパラ関連で苦しんでいたのも、愛が反転した結果という演出だったんだなぁと、半年たった今になって今更理解。
結構綺麗に反転してくれそうなので、来週どう回すか楽しみであります。