イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Go! プリンセスプリキュア:第34話『ピンチすぎる~! はるかのプリンセスコンテスト!』感想

今週のプリプリは久々のきらら回であり、はるはるチャレンジ回であるモデル回。
バレエやら裁縫やらプリキュアやら、色んなことに様々な人の助けを借りながら飛び込んできた凡人主人公、春野はるか。
これまでの成長を鑑みて、引いてもらった手を離し一人で歩き始めるお話になりました。

ノーブルでエレガントな存在への憧れがはるかの中心にある関係上、はるかの周囲の人々は人間的な完成度が高く、登場時からデキる連中ばかりでした。
学園全体の憧れであるみなみにしても、絶望の渦中で戦い続けるカナタにしても、ドンガメはるかを導いてくれる優秀な人ばかり。
学生とモデルとプリキュア、三足のわらじを完璧に履きこなすアクティブガール、天ノ川きららにしてもそれは同じです。

それはたとえはるかの天真爛漫さや一生懸命さに教えられることがあるとしても、基本的には教える側が先に立って手を引く、何かをはるかに与える関係だということを意味します。
空っぽなプリンセス候補として物語に登場したはるかは、優秀な先輩たちから素直に何かを吸収し、学習し、進歩していく。
オーソドックスな成長物語を成立させるためには、はるか<それ以外という構図はなかなか崩せなかったわけです。(無論、愚者故の強さというものは主人公の特権として常に存在しているし、そのことを忘れていない証左として、マネージャとの「アンタ変わったよ」という会話があるのですが)

しかし今回、露骨なフラグ建てでバラバラになったはるかはきららから学んだ通りアクシデントに対応し、笑顔という武器を駆使してステージをやり切る。
手を引いて導いてきたはるかと世界の関係は、今回初めて手を離し一人でやり切る方向へと前進しました。
何にもないドンガメとして始まったはるかの物語ですが、プリキュアとしての闘いの経験値だけではなく、プリンセスに必要な教養や知識、人生経験を積み上げていつまでも何にもできないままでは説得力がなくなる段階まで来ていました。
なので、今回見せた独歩の姿勢は、きららが感じていたように寂しさよりも嬉しさが先に立つ、確かな成長でした。

一人の足で立っているように見えて、今回もはるかはその場にいないきららの後押しを受けて試練に立ち向かったし、そのことに自覚的でもある。
自分の力で頑張ることと、誰かにその背中を支え、自分では見えないことを教えてもらうことは、けして矛盾しないわけです。
プリキュアが友情の物語でもある以上、はるかがとても素直にきららの尽力に感謝し、自分がやり遂げた成果をイノイチに報告してくれたのは、基本的ながら嬉しい気配りでした。
こういう素直さと優しさが鼻につかないキャラ造形が、はるかの一番強いところな気もします。


きららちゃんは今週も完璧で前向きで、はるかを導くに足る立派な先輩でした。
アクシデントに心を揺らしつつも笑顔は一切崩さない所とか、モデルウォークの具体的な指導っぷりとか、お前ほんとに中1かと。
久々のメイン回でも格好良いきららちゃんがたっぷり見れたので、僕は嬉しいです。
はるはる好き過ぎて動揺してる所とか、ティーンエイジャーっぽい溌剌としたしぐさとか、格好良い所以外もリキ入れてくれたのは嬉しかった。

残りのメンバーも脇に引っ込みつつ、必要な動きを必要なタイミングで出してて、なかなか良かった。
「おにいさま……」ではるはるを追い詰めるトワ様とか、色紙に文字書きすぎなみなみパイセンとか、一般人故に一番大事な仕事をしたゆいちゃんとか、みんな見せ場があったのがグッド。
あとシャムールカウンセリングで精神が快方に向かったシャットさんな……あの人ほんとうに可愛いな。

主人公が見せた小さな、しかし確かで重要な一歩を軸に、少女たちの気持ちの良い繋がりを見せてくれたエピソードでした。
プリプリは本当に、正統派青春成長物語のど真ん中を突っ走っていて、オッサンとしては眩しい限りです。
来週はカナタと合流……早くね!?
なんか記憶を喪失しているみたいですが、ここら辺はトワとの上手い対比が見たいところですね。