アイドル事変を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
パンとサーカスを求める人民にアイドルを! 衆愚の極限のようなぶっ飛び加減で進んできたアイドル事変も折り返し、リアリティレベル高めのお話。
夏姫の地元事情と、鬼丸先輩の家庭事情が複雑に絡み、権益と理念の間で踊る議員の悩ましさ。雨模様のしっとりしたお話でした。
今回の軸は二本で、一つは議員・星菜夏月の政治活動。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
一つの善意をまっすぐ信じ、エンジン全開でぶっちぎる夏姫の強さはこれまで幾度も描写されてきたが、世界には百の正義があり、その間を取り持つことも政治家の仕事である。思いの真っ直ぐさだけでは解決できない状況が今回、夏月に立ちふさがる。
とは言うものの、さんっざんライブの圧力で問題を押し流してきた事変世界では精神のピュアさは最強であり、最終的には夏月が拾い上げた地元の声は鬼丸社長に届き、状況は変化する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
権益や根回しといった既存の支配構造を一跨ぎ、ロックンロールな直接行動主義が夏姫の行動理念であり、強みなのだ。
その途中に立ちふさがる障壁は、今までよりはハードルが高く、ちょっと歯ごたえがある。そういう地味な筆も、議員の物語であるこのアニメは描くわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
ここ二週ほど地道な話が続いたのは、今回に向けて世界律を調整し、『あまりにも急なシリアス』だと受け取らせないための調整かな、とも思った。
結局見直し案が通っているところを見ると、社長が取り憑かれていた『政府主導の大型プラン』は改変不能な鉄則ではなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
裏でどれだけ生臭い交渉があったかはさておき、社長の頭を支配していた固定観念を、夏姫のステージと彼女が拾い上げた地方の声が壊し、状況を変えたのは事実だろう。
変化が起きているのは夏姫も同じで、建築反対・白紙撤回という初期の方向性から、活動を続けるうちに、スケールダウンし地域が取り回せるサイズのスタジアム建設に変化している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
ここら辺は坊主くんが代表する現地の意見をすくい上げ、現実的な方向に折衷していったということだろう。
今回は『見直し』で地元の意見が一致していた、つまり夏姫が信じるべき正義は一本化されていたが、スタジアム『全面賛成』という意見が強くあった場合、『地元の声』という正義は真っ二つに割れることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
そうなった時、夏姫は相当足場の置き所、情熱のツッコミどころに悩むと思う。
今回権益と理念の二項対立の間で、理念の背中を押し続け現実を変化させるという道を、夏姫は頑張って走った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
理念と理念が対立した時、精神の尊さが無条件に己を支持してくれない時、夏姫は何を選ぶのか。リアリティ高めの話を見るとそういうことも気になるけども、多分そこまではやらねぇな。
一つの悪、一つの正義とスッパリ切り分け、明朗快活に状況が進んでいくわかり易さがこのアニメの強さ(の一つ)である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
『複数の正義とそこに付随する権益』というめんどくさいネタを、この強さを損なうことなく描くのは相当難しいと思うので、夏姫のセカンドステージはアニメでは語られない気がする
こうやって斜めの立場から見切りをつけていると、とんでもない角度からぶん殴ってくるのがアイドル事変ではあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
そこまで踏み込み、世界を壊すことなく説得力のある答えをもぎ取れてしまえば、まさに傑作になるだろうし。期待しつつ、しすぎないように今後を待ちたくなった。
そういう気持ちになるくらい、今回夏姫に適度に壁をぶち当て、キャラを壊すことなく一つの結論に導く運び方は良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
主人公の強さをしっかり打ち立てつつ、それが取りこぼすもので殴ることで、地金を強くしていく。大事なことだし、必要でもある。雨の中でも、夏姫が笑顔を忘れないのが良い。
もう一つの軸は鬼丸親子で、すれ違いつつ、似たもの通しの頑固者がどう響き合うのかが、今回の焦点となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
頑固者というマイナスポイントも共通なら、情に厚いチョロ蔵というプラスも共通しているので、ステージで洗脳はされないけどWithの思い、有権者の思いはしっかり受け取ってくれる。
夏姫の陳情を受取り意見を変えるということは、アイドル議員の政治力を認めるということで、非常に間接的ながら、アイドル議員としての娘を認めることでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
ツンデレまじめんどくせぇなって感じだが、頑固者の鎧を壊すことなく、親娘の気持ちが響き合う展開はなかなか良かった。
夏姫の大暴れで頭の鉢を壊されたのは社長だけではなく、静も同じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
アイドル議員としての自分を認めさせるまで、他人の迷惑になっても父には合わない。そういう頑固な固定観念を揺り動かすのが、ユニットに寄るステージングだというのは、このアニメらしいなと思う。
思いを届ける、議員とアイドル共通の仕事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
夏姫は今回、地元の声を代表していると同時に、素直になれない頑固者親娘の間に入り、二人の気持ちを繋げて変化させる仕事もしている。
党首が評価しているとおり、その熱意と行動力はやっぱ、良いもんだと思う。色々ぎこちなくもあるけどさ。
現実と理念、リアルとフィクション、政治とアイドルの間を繋ぐ形で、アイドル議員がいて、この世界観がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
そういうバランスの良い全体像を描くには、ちょっとだけツメが甘い回だとは思うが、持ち味を殺すことなく堅くて大事なネタに踏み込んでいた。ネタ力で押し切るのも好きだけど、これも良い。
今回山が動いたことで大物が焦り、老害党が本気でアイドル議員潰しに来たところでヒキ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年2月19日
後半への導線もしっかり引いて、来週は南野陽子90年の曲""KISSしてロンリネス"、さてどうなるか楽しみである。前半夏姫が走り回って、アイドル議員連合への土台作りができてるところが巧妙だ。