スタミュを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
合宿三部作中編ッ! というわけで、閉鎖空間でグツグツ煮込む集中合宿の効果が色んな所に出てくる回。
プロレベルのハードな練習に振り回されたり、神様との付き合い方を考えたり、指導者層にも悩みがあったり。色んな立場、色んなキャラの表情が巧く切り取られる、横幅の広い回。
今回も色んなことが起きているが、中軸は星谷と揚羽だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
『ポジティブ病』と煽られるほどに前向きな星谷は、個別練習から外されても大事なものを学び、ついに関係性を自覚してしまった鳳との間合いも巧く転がす。
ピンチも自己洞察のための材料にしてしまうのは、雑草ゆえの逞しさだろう。
一方純粋培養の揚羽は、月斗に真正面から憧れを否定され(たと思い込み)、シーツおばけになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
月斗が『残念』と言っているのは憧れの発露が『過去の月斗を丸々コピーする』形でしかないこと、揚羽個人が出ていないことなのだが、憧れだけを頼りに走ってきた揚羽には自己否定と受け止められてしまう
鳳に憧れつつ、自分にしかないカリスマと未熟さで思いっきり走り、色んな人を高い場所へと連れてきた星谷。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
彼の練習が『お前らしい』と褒められるのは、自分を『月斗のクローン』に押し込めている揚羽と対照的だ。(そういう意味で、兄の影を必死に振り払ってきた海斗と揚羽は面白い関係)
無論星谷も道には迷っているのだが、柊のサポートが非常に性格だったため、『今、やらなければならないこと』『自分らしさ』に関しては最短距離で答えを出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
兄へのコンプレックスを解消した柊は最高に頼りになる先輩で、見たかったものがココにある! という感じだった。素晴らしい。
柊が星谷の初期衝動を的確に問い直し、自分の道を見つける産婆役を務められたのは、『鳳へのあこがれ』という感情が共通しているかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
『愛しているがゆえに、こじれてしまう気持ち』を巧く解消した先輩でもあるわけで、ここで星谷を柊に付けたアンシェントはいい目をしている。
とは言うものの、『憧れの高校生』への嬉し恥ずかしな気持ちは着地点を見つけられていない。これは物語の始動因でもあるので、ためて引っ張って、最後にドカンと解決させる問題なのだろう
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
チームメイトの手助けもしっかり受け取って、道自体は見えている。この毛並みのいい順調さは、この作品の色だな
揚羽も神様から否定されることでアイデンティティを揺るがされ、扉を開けて他人を見る姿勢を作っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
物理的に星谷の姿を覗き見る不審者力には正直笑ってしまったが、歪んだ形で完成されているより、ぶっ壊してグラグラになって、他人を自分の中に取り込みながら再構築したほうが絶対に良いだろう
『俺とお前は似てる』という星谷の言葉を、一度は否定した揚羽。信条を否定された彼は、すがるような目線を星谷に向けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
それは『憧れに導かれたもの』という共通点を確認し、揺らいだ自己を肯定したい気持ちの発露だろう。他人を通して自分を見る。星谷と柊の関係性の変奏曲だ。
それはあくまで端緒に過ぎず、くっそ面倒くさい揚羽の心の旅路は、まだ起伏があるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
そこに切り込んでいくのが超高校級の人誑し・星谷の仕事と言えるし、そこでぶつかり合う心の熱量を、ずっとこのアニメは書いてきた。いい事前準備だと思う。
ファンサービス的なモエモエムーブも交えつつ、合宿自体はハードでシビアでシリアスなものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
甘えのない演劇人の強度で叩き直されることで、生徒たちは揺らぎ、あるいはより強くなる。空閑を中心としたギラギラボーイズの描写が、安定感とアツさを両立させていて良い。あと卯川のフラフラ描写。
星谷を練習から外し、チーム戦制度を廃止する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
北風がヴァイキングを育てるように、アンシェントはシステムを安定・停滞させず常時回し続ける。
それは生徒が演劇人として、児童としてより良く成長できるよう、指導者層がとにかくよく見て、考えて、行動に移しているということだ。
生徒レイヤーの青春の悩みだけではなく、指導者たちの思いやりや厳しさ、理解力が丁寧に描かれているのは、立体感があっていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
アルコールの助けも借りつつ、まるで青春真っ只中のような熱さで議論を交わすアンシェント。完璧に見える彼らも悩み、ぶつかりあって答えを出している。大人だって青春だ
そういう動揺をあくまで身内で抑え、生徒相手には『完璧な大人』を演じている彼らは、とても誠実だと思う。誰かのために強い自分になる大人たちに時間を使って、ちゃんと描いてるこのアニメも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
二期は群像劇として、風通しのいい描写分配が出来てる感じするなぁ。多様性に好意的で、描写が具体的。
生徒の可能性を信じ、より厳しい試練を課していくアンシェントと華桜会。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
その裏側にある弱さ/人間味には気づけないとしても、子供たちは必死に食らいつき、変化に対応する。その中で新しい自分に気づき、他人の顔をしっかり見るようになる。
人を前に進める教育の力が、結構巧く描かれていると思う
それはやっぱ、若くて元気な主役層だけではなく、分別のある大人たちの悩みや決意、苦労をちゃんと切り取る構成の賜物だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
アンシェントの描写が分厚いことが、生徒たちの成長に説得力を与えている。『こういう先生についてるなら、そりゃ成長もするだろう』という納得。
まぁ、主役サイドにベタ足でカメラを向けていても、物語的燃料を一期でかなり使っているのでそこまでやることがない、というのはあるだろうが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
その燃料不足を、ハングリーさやモラトリアムという触ってないネタを発掘し、新キャラをいい位置に入れて補ったのはやっぱり凄い。キッチリ機能してるしね
OPで歌っているとおり、傷ついて磨かれる石のように、才能が開花するためには試練が必要だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月16日
合宿という特別な場所と時間を用意し、圧力をかけて変化を促すアンシェントたちの狙いは、そこかしこで沸騰を始めている。それが蒸気を吹き上げるのは、来週以降となるだろう。とても楽しみです。