メイドインアビスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
朝焼け! 草! 謎の遺物と子供の世界! ボーイがガールにミーツするこの瞬間!! 褐色少年の乳首!!!
画面の隅々からフェティシズムがほとばしりつつ、骨太な美術で異世界を支え、完璧な出会いの第一話を展開。素晴らしい仕上がりに脳髄がぶっ飛ぶ異世界ファンタジー
実はオレは原作未読、漏れ伝わる情報だけがちらっと入っているだけの半チク野郎でござんすが、むしろ未見でよかったんじゃないか? と思うほどのアニメーション体験でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
とにかく世界と人物、それらが絡み合うドラマを見せる24分間の後に、ポッとアビスの設定を置く奥ゆかしさ。グッドナイス。
アニメーションを構築する各要素、全てがスーパー・ハイ・クオリティであり、かつしっかり連動して殴ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
美しい美術は説明無しで世界を飲み込ませ、少年と少女が出会う物語に集中させる。
細やかな表情と仕草の芝居は、子どもたちの活力と健気さ、そこにかかる影を強調する。
美麗でありつつ出しどころをわきまえた音楽は世界と冒険に視聴者を引き込み、アクションシーンの切れ味と不思議なギミックは日常シーンの穏やかな幸せと対比を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
要素が噛み合ってるんですよね。一個一個の質を高めて、どう使って何を見せるかというイメージが、製作者の中にあるんだと思う。
この個別の質の高さとまとまりの良さが、『なんだかよく分かんねぇが、スゲェモノを見た。来週も見てぇ』というシンプルな感想を引き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
子どもたちはアビスにどう潜るのか、ロボ少年はどんな過去をもっているのか、あの世界は何を隠しているのか。
そう思えるのが、やっぱ一番すごい。
個別に見ていきますと、やはり一番インパクトがあるのは圧倒的な美術。画面の端から端まで手抜かりがない、圧倒的な異世界情緒。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
風の匂い、草の香りまで漂ってきそうなリアリティの中を、動き回り発掘していく姿を見るだけで、ドンドコワクワク感が高まっていきます。
ファンタジーの一番強いとこだ
お話的に一種のミステリというか、アビスに潜り世界の真相を探っていく構図が見えているので、『この世界はどんなものなのかな?』と視聴者も潜りたくなるかどうかが、スゲー大事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
美術の圧倒的な質で期待感を高め、前のめりに作品に飛び込みたくなる熱を上げていくのは、凄く良いですね。
序盤、ラドがビーム撃つまでの一切説明無しの長回しが保つのも、『よくわかんねぇ…けど文句いうより、このキレイな世界をもっと見せてくれ!』って気持ちになるからだしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
自然物の温もりと、遺物の冷たくてキレイな感じが対比になってるのも、凄く良いです。世界設定の中に色彩がある。
子どもたちの小ささ(将来的にヒドい展開になるなら、それは無力さの暗喩でもある)を強調するかのように、巨大なゴンドラや街自体、アビスの巨大さがはっきり判るのも素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
アングルとレイアウトがビシっと決まって、緊張感と楽しさが途切れないのも凄いよなー。カメラ良い位置においてある。
巨大で美しい世界の中で、子供らはチョコチョコと動く。その作画の細やかさが、彼らが個別に意思を持ち、尊くて可愛い存在であることを強調してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
宝物を探し出し、大人に認められる小さな冒険感もモリモリ出ていて、児童アニメのようなコンパクトな達成感が、動きの端々に宿っていた。
緩やかで優しい世界ならば、彼らの可愛げは玩弄物でしかない。しかし一見シンプルで優しい物語展開の中に、細かく影がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
笛による等級制度、親のいない子どもたち、それを利用して金を儲ける孤児院。巨大で不気味なアカクチナワ。お菓子の隣に、ダイナマイトが見え隠れだ。
この不穏さがいつ爆発するかという不安もありつつ、しかし目の前で展開される子どもたちの世界はなんだか懐かしく、麗しく、生き生きしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
背景がそうであるように、ずっと見ていたくなる多幸感と美しさが、素朴な掛け合いの中にミッシリと詰まっている。お話とキャラを好きになっていく。
小さな体に大きな荷物を背負い、採掘作業を頑張る子どもたちの大変さがアニメーションの中でしっかり切り取られていればこそ、仲間と屈託なく笑い合う日常はキラキラしていて、緊張の中の弛緩、不穏さの中の救いともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
…ぜってぇメチャクチャにしてくるな、こんだけ綺麗に構図を作ってくるなら。
孤児院というシェルター/檻のなかで、大人のルールと搾取を押し付けられつつ、子どもたちは子どもたちなりに幸福だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
知恵を絞り、協力しあって必死に生きる。その限られた幸せの描き方が慈愛に満ちていて、かつそれに酔っ払ってはいない。いつでも残酷な世界が蹴っ飛ばせる姿勢を維持している。
世界全体を俯瞰で看取る冷静な姿勢と、そこにうごめく小さな命に寄り添い、慈しむ姿勢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
遠近両方のスタンスが非常に明瞭だからこそ、子どもたちの健気さと残酷な世界の対比がクリアに刺さる。残酷さは未だ牙を秘めているが、間違いない、この変態どもとんでもない角度で刺してくる(耐ショック姿勢)
過剰防衛気味になっているのは、孤児院の子どもたちが早くも好きになっているからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
楽しいことばっかりじゃないけど、むしろだからこそ、みんなで肩寄せあって生きる。あえて説明を省いた第1話で、彼らの生き方はグッと血肉を獲得し、実感を持って僕に迫ってきた。好きになっちまう。
まぁどーでもいい奴が酷い目にあってもマジどーでもいいわけで、感情の軸足をキャラと世界に預けさせるのは、極悪足払いをきれいに決めるためには必須条件なわけだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
でもしょーがないじゃーんみんな可愛いし、優しいし、いい子なんだモーん。冒険楽しそうだしな、死にかけたけど。
主役であるリコがタフでいい性格しているのも、なかなか面白いところだ。あのデザインだともっとこー、手弱女って感じになるかと思ってたら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
ガンガン前に出て、自分の手で遺物を発掘し、生き残るために走り回る。ロボに拷問はするし、大人のいうことは聞かない。ちびっこギャングめ。好きだ。
発掘人間たるレグとの出会いも、世界設定とリコの立場と綺麗に噛み合って、定番のボーイミーツガールを陳腐さから救い出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
クオリティの高さが王道を『こいつぁ…運命の出会いだぜ!』と納得させるブースターになっとるのよな。そうなると、速いストレートはとにかく強い。分かりやすいから。
美しく影を伴った世界。その中で必死に生きる子どもたち。謎めいた発掘生活。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
とにかく『実』を描いて描いて積み上げまくった後に、輪郭だけが見えていたアビスという作品の中心をズドンと見せて、ナレーションでまとめる構成も素晴らしかった。疑問と期待が最大に膨らんだ所で、パチン。鮮やかだ。
かくして、このお話が子供と地獄の話であることが確定した。説明されなくても、語り口でなんとなくは感じ取れるし警戒もするわけだが、明言されると覚悟が違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
さ~来いクソ変態野郎ども…今週出てきた可愛いボーイ達がすぐさま肉ミンチになってもオレは大丈夫! 嘘ぜってぇ無理っ!
しかし、少年少女の小さな身体をあそこまで気合い入れて描写しにかかる連中が変態でないわけがないので、思う存分世界の残酷さに噛み砕かれるんだろうな、とは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
設定的にも、死と隣り合わせのシビアな世界だし。両親死んでるのは、そこら辺の説得力出て良いですね。主役のモチベにもなるし。
リコとレグの出会いが今後どう転がっていくのか。アビスはどんな残虐を腹に秘めているのか。残酷が荒れ狂った後も、世界は今回の美しさを保ってくれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
色々気になるポイントが山盛りで、来週が非常に楽しみです。んーむ、見事に脳髄の裏っ側を製作者に握り込まれちまった気分だが、悪くない。
原作の強度、自分たちの力量と情熱をしっかり信じて、まずは世界と物語を説明抜きで叩きつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
かなりの賭けでしたが、見事に大勝利したと思います。これだけ分厚い中身があるなら、形を説明するより原液で飲ませたほうが刺さるよな、そら。飲み込ませるための細工も、徹底的にやってくれたし。
事前情報で期待し、予想していたものをパワーでもテクニックでも見事に上回られ、『お前が本当に見たかったのは脳みその中の幻影じゃなくて、目の前のコレ!!』ってぶん殴られる第1話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月7日
いやー凄い、素晴らしい。来週も絶対見ます。でも見たくねぇなぁぜってぇひでーことになる…でも見なきゃ