ドリフェス! Rを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
すれ違う心、追いすがる思い。ぶつかりあう拳と涙が雨を呼ぶ。言葉足らずの硝子の少年達が、今ギザギザの心をぶつけ合い、見えた新しい世界ッ!
前回の下げ調子をジャンプボードに、KUROFUNEが新たなる開国を果たすエピソード。男の子のアツさ満開で最高でした。
つーわけで、先週のすれ違いを受けての衝突と理解、さらなる飛躍の回。露骨にタメてたんでどこまで飛ぶかなと思ってたが、やり過ぎ感あふれる河原で殴り合いとか、ベッドサイドでお互いの心を見せ合うシーンとか、繋がった心が最高のステージを連れてくるとか、ハードルを成層圏まで突き抜ける仕上がり
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
良いところの沢山ある回だが、KUROFUNE鎖国から圭吾がガン凹みして、二人がすれ違っている序盤からして非常にグッドだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
普段は圭吾が破天荒な勇人をケアしてんだけども、そのケア役がぶっ壊れたどーなんの、って状況。乱暴俺様を引っ込めて、仕事もプライベートもちゃんとやる勇人が新鮮
後半自白するように、勇人はKUROFUNE初ステージでアイドルに…風間圭吾に惚れ込んじまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
ぶっきらぼうでガサツな性格は変わらないけども、アイドルが大事なものだからちゃんと挨拶するし、相方のミスはカバーしようとするし、探し回ったりもする。アイカツでちゃんと変わっているのだ
女房役がいなくなって初めて、そういうソフトな部分を出すのはちょっと遅いかもしれない。でも、不得手な役割でも背負い込んで頑張る勇人の姿は、河原での大告白に繋がる大事な描写だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
激しいサビがしっかり刺さるのは、こういう前奏を静かに確かに奏でているからなのだ。メリハリ効いてるの大事ね。
後地味ーな仕事なんだが、ハゲボーズの不良くんが妙にいい味出してた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
アイドルを離れても圭吾をちゃんと見てる人がいるってのは安心するし、作り物である圭吾のアイドル活動が、プライベートの高校生を良い方向に変えてることも彼の言動から感じ取れる。
世界観の広がる、巧いクッションだ。
今回は河原での殴り合いが最高潮になるよう、先週からよく調整されたエピソードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
殴り合い、むき出しの心をぶつけ合う中で確認されるのは、すれ違いの中で視聴者もなんとなく感じていた、KUROFUNEの歪さ。圭吾にしわ寄せが行き過ぎてるアンバランスとか、お互い本音を隠してるとことか。
それはモヤッとした感覚として、演出とレイアウト、キャラの芝居で醸し出されている。圭吾の空回りしている感じとか、勇人のムッツリ加減とかは、あえて言語化されずに溜まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
そのフラストレーションは実際に言語化され、二人の間で共有される瞬間のための燃料だから、形にしてはダメなのだ。
学校でのスレ違いも、俺様な勇人が実は圭吾を思っていて、でも言葉にしないから伝わらなくて、あーもどかしいッ! って気持ちを加速させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
雨の殴り合いが破壊力を持っているのは、そういう皮膚感覚を巧く操り、爆発までの道筋を密かに、確かに作っているからでもある。
無論テクニカルなだけでは、心に突き刺さる名場面は生まれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
70年台の番長漫画みたいなベッタベタのシチュエーション(心が溢れた瞬間降り出した雨に、思わず爆笑してしまった)を、照れずにやりきる気概。
キャラが本音を絞り出す瞬間の、アツい感情の迸り。エモさ爆裂である。
ドリフェスは『深夜帯』で『男の子』であることを的確に活かしてるアニメだと思うのだが、それを最適に使っているのはKUROFUNEであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
優しいだけではなく、時には相手から血を搾り取るほど激しくぶつかり合う、オスの論理。暴力すらもコミュニケーションとして使える特権を活かしている。
風景カットでクッションしつつも、結構直接殴打シーンを描くのも、もう殴り合わないと心を伝えられないところまで高まってしまった二人のエモーションから逃げないためだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
そしてああいう繋がり方が許されるのが、ボーイの特権でもある。やっぱむき出しの感情×2なんだよなぁ…性別関係なく。
圭吾は自分だけがファンの方を見て、勇人の俺様エゴイズムを調整するアンバランスさに不満を感じていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
自分だけが勇人に惚れ込んで、KUROFUNEでビッグになりたいと思っていると思い込んでいた。ユニットの相棒に人生変えられちまった無様は、自分だけが背負っていると思っていた。
ワガママな破天荒王子を制御し、アイドルとして機能させるプレイング・マネージャー。そういう役割が固定化して、いつしか不満を口に出来なくなっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
出口が見つからない苦しさは、少年時代の勇人を苛んでいたはずなのに、気づけば相棒にそれを押し付けていた。
そういう一切合財を、圭吾は拳に乗せて訴える。溜め込んだ分だけ爆発は大きく、自分の心の鎧も、勇人のムッツリ顔も、バンバン引き剥がしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
溜め込む過程にじっくり時間を使った分、それが剥がれ落ち本音が対流するシーンはカタルシスがある。霧が晴れ、思いを歌に乗せられる瞬間の快楽。
圭吾の思いに当てられて、勇人はようやく本音を言葉にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
俺もまた、お前に惚れていたと。KUROFUNEが好きで、二人ででっかいことをやりたいんだと。
圭吾が言う/調整する役、勇人が黙る/好きにやる役という固定された役割は破壊され、二人はフラットな地平に立つ。
イマイチ感情が見えない、クールな俺様キャラの勇人がKUROFUNE愛、圭吾LOVEをど真ん中の強い言葉でまとめ上げるのは、やっぱ最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
キャラがキャラじゃないことする瞬間は、巧くやるとやっぱ爆発力がある。『型』を持ってるのは強いことだけど、必ず歪みも貯まるしね。
かくして男と男の肉体がぶつかりあい、感情がクライマックスを迎え、火照って傷ついた肉体をクールダウンする瞬間がやってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
激しく降りしきる雨といい、シャワーとベッドといい、露骨な暗喩がエモさを加速させていく。ココらへんも深夜帯を活かした描写か。良い挑発だと思う。
KUROFUNEの不公平は勇人の才能も原因になっていて、『曲作らないやつ』『キャラ作らないといけない凡人』たる圭吾は、後ろめたい思いをしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
勇人も不用意にそういうナイーブさに踏み込んでしまうから、不満は更に貯まる。そこを平らにする意味でも、二人で曲作るのは大事だ。
KUROFUNEというユニットが持ってる役割分担を一旦爆破し、溜め込んだ不満と本音をぶちまけ、自分を縛る不要な『らしさ』を取り外してようやく、勇人は過去を話せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
最初から素直に言っておけば問題も置きなかったわけだが、そういう器用さがないからこその勇人だし、必要な道だったのだ。
ロンドン時代の思い出を言語化していく中で、それが自分の中でどれだけ大きいもので、今のKUROFUNEに繋がっていることを、聞いている圭吾だけでなく、言っている勇人も再確認したのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
語り部の一番最初の聞き手は、語り部自身なのだ。一種のセルフ・カウンセリングというか。
勇人にとって音楽とは『抑圧からの開放』『より素晴らしい世界への窓』である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
音楽と並走して『写真』と出会っているのは、なかなかポエジーあって良い。四角いフォトグラフに切り取られた世界は、全く新しい色彩で輝いている。音楽もまた、同じ仕事をしている。
初期衝動を言語化していく中で、感謝や愛を言葉にしない自分のスタイルが、どれだけ圭吾を抑圧していたかを、勇人は再確認してく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
ただ自分だけで音楽をやっていたら、自分が好きになった音楽は出来ないのだ。ファンや相棒の窓を開けて、世界に向かって開けていくようなアイドルを、勇人は捕まえ直す
河原での二人きりの殴り合い、ベッドサイドでのピロートーク。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
KUROFUNEの対話は凄くプライベートなものなんだが、そこで手に入れた真実がステージを通し、ファンや世界に広がっていく構造になっているのは、ドリフェスの健全で公正なところだなぁと思う。
自分が手に入れた、あるいは幼いころに手に入れていたものを、たったひとりの相棒と、遠い場所にいる思い出の人と、客席を埋め尽くしたフアンと共有し、より広い場所を目指したい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
圭吾と勇人の迷い路は、二人の青春の物語なんだけども、より大きなアイドルと音楽の存在意義も浮き彫りにしていく。
なので、"Future Voyager"がいい曲だったこと、KUROFUNEフアンの仕上がりが尋常じゃなかったのは、とても良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
彼らが再発見したたものの良さが、ステージの仕上がりで担保されていた。あんなスゲェサイリウム芸やってくれる姐さん方のためにも、ビッグにならんとな。
かくしてKUROFUNEは一方通行だった思いを伝え合い、歪だった役割分担を再整理し、言いたいこと、伝えたい思いをぶつけ合って、見事に再出港した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
大きくなっていくステージに、しっかり食らいついていく理由付けとしては十分だし、それ以上に二人のアツい青春が躍動するエピソードだった。
こういうベタな上げ下げがしっかり刺さるのは、細かいムードの調整とキメどころをやりきる腕力、要所要所のセリフ力のおかげだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
『過去にサヨナラするのが巧いやつなんて、信用出来ないぜ』とか、マジすげぇよ。ネタや笑いだけでなく、感動の要点もコンパクトに推せるのは強みよな。
缶に入れて守ってきた、過去の大事な思い出を引っ張り出し、『続きのない歌』を今の『たった一人』と完成させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
昔の男を振り切った勇人の歌が、実は風に乗ってその当人に届いてるラスト・シーンも、今後の広がり、音楽と表現の持つ強さを感じさせて凄く良い。リョウ再登場はアツいでコレ。
KUROFUNEというユニットの強さと弱さをしっかり掘り下げ、新しい場所へと進むために必要なモヤモヤと爆発、そこから生まれた可能性をしっかり描ききる、素晴らしい前後編でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日
ドリフェスR、ど真ん中をやりきる強さに磨きをかけて、更に熱いアイドル活動を魅せてきてます。来週も楽しみ。