ヤマノススメ サードシーズンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
山に分け入らずとも楽あり。
身内に強くて世間に弱い、内弁慶美少女あおい。ひなたの周りに広がる楽しそうな空気に、入りたいけど入れない。そんな彼女の壁を、優しく乗り越える人たちの手を取って、行くぜカラオケ・マウンテン!
街の青春登山スケッチ回。
というわけで、松本憲生一人原画回である。憲生袋※がパンパンになる仕上がりで、大満足である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
※憲生袋
松本憲生のアニメを見て、『ああ、憲生作画だぁ…』としみじみ感じ入る気持ちが貯まる臓器。大概のオタクの体内にある。スーパーアニメーターごとに”磯袋””金田袋””りょーちも袋”などがある。
アクション系のドッガンドッガン派手な塩梅ではないのだが、地面にしっかり足を付け、少女たちの震える感情が距離で見えてくるような、じわっとした芝居が良かった。感情がアニメートしてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
主線を柔らかく取った描画、心理的接近の重量感。エモい作画も、やっぱ巧いなぁ凄いなぁ…。
そんな作画力に支えられ、今回はあおい君の友達チャレンジ。前回山の中で確認した『ソロもいいけど仲間もね』という気持ちを、街の中で再投影するようなエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
こういう緩やかな、しかし堅牢な繋がりがあると、一少女の青春が短い尺の中、グッと薫ってくる気がする。
とはいうものの、あおいは山から降りると積極性が落ちる。自分だけなら編み物して終わってたところだが、みおちゃんがグイグイ来てくれたおかげで扉が開けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
第1話で受け止めそこねた優しさを、あおいは今回ちゃんと捕まえる。山が感情筋を鍛えてくれたおかげか。
みおちゃんの聞き上手、あおいのオタクっぷりがよく出た会話が、なかなか面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
他人が受け取りやすい話題を、受け取りやすいフォームで投げ込む。相手を見て、リアルタイムのリアクションを自分の発話に反映させていく。
人付き合いの基本スキルが、あおいにはとても難しい。俺も難しい。
とんでもない方向に、とんでもない勢いでぶっ飛んでいく話題を、みおちゃんは変幻自在に受け止め会話を成立させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
その静かな人間力に導かれ、放課後の約束まで取り付ける。が、相変わらずの内弁慶。あおいはひなたを向いてばかりである。お前ホント…ホント…。
いつもうなだれているあおいは、急には咲けない。俯いて、まばゆい青春を遠目に睨んで、ずーっと考え込んでばかりだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
しかしその視界の外では、優しい人達がいろいろ準備をしてくれている。ひなたが曲を先取りしたのは、”ヤマなら元気になれるあおい”を仲間が受け入れてくれると、身を持って示したか
はたまた、何も考えずウケを取りに行ったか。あおいの自我にクローズアップする今回、そこら辺は不明である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
が、ひなた相当なあおいキチで、マジ一生あおいの事ばっか考えてるので、”岳人の歌”先取りはひなたなりのエールだった…と思いたい。
進路も退路も断たれた中で、あおいは飯能国家”夏色プレゼント”をチョイスする。ボソボソ声でも歌ったのは、山での経験があったからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
何かに飛び込むこと。みんなと一緒にいること。相手も場所も違うけど、それは結構楽しいことだった。だから、勇気を持って。不格好でも、自分の足で。
塵界を離れた山での経験は、少しずつ少しずつあおいを大きくしている。青春の傷みをなんとか引き受けて、人生の丁半博打に自分を乗っける度胸が、だんだん育ってきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
相変わらず臆病者で調子乗り、内弁慶のビビリガールだけど、そんな自分も認めた上で、ちょっとずつ。
そのジワジワとした歩み、隠しきれない震えを、友達はさり気なく受け止め、高く飛ばせてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
即座にデュエットにしてくれるゆりちゃんの人間力、人間オリンピック金メダルだった…人間強者はナチュラルにやるんだろうけども、そういう機能が弱い人間には、あまりに眩しい自然さ…。
大げさな感動イベントに仕上げず、あくまで小さな一歩、コミュ障オタクの不格好な変化として描いたのが、生っぽくて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
それは小さな一歩だが、最初の一歩だから。今後放課後の楽しい時間はもっと増えて、あおいもちょっとずつ強くなるだろう。このアニメはそれを追うだろう。
いつものメンバー、いつもの山。そこから離れた場所にも喜びがあって、優しい人の補助を受けつつ、あおいは当たり前の青春に飛び込んでいける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
それをじわっと味わい深い芝居でしっかり煮込んだ、良いエピソードでした。ホント人に恵まれてるなぁあおいは…ありがたいこっちゃやで。
街で新しい光に飛び込んで、喜びをもぎ取って帰ってくると、山が充実する。街と山との青春往復運動が、サードシーズンの軸なのかな、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月23日
そうやって広がった視座が、山の新しい魅力を見つけてもくれるだろう。次回もとても楽しみだ。