エガオノダイカを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
銃が人を殺すのか。人が人を殺すのか。飢餓に背中を焼かれつつ、奪うことでしか満たされない乾いた世界。
その果てにある決着の萼で、少女たちが対峙する。
世界を贄に世界を生み直す決断に、ステラを踏み出させるものは何か。幸福な退化を強要するユウキの正気は何処か。
そんな感じ…まで煮込まずに、なんか全体的に上手く行った最終話である。クラルス実験施設つー、全ての矛盾も因縁もうまくいくデウスエキスマキナがあるのならば、事前にやっといて~~。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
正直、どういうバランスで感想いうか悩ましい。まぁ書きながら整えていきましょう。
作品を貫くシビアで容赦がない感じは、綺麗なオーロラといい感じの歌がが世界を薙ぎ払った後、凄いスピードで蒸発する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
餓死か戦死か。究極の選択だったはずのクラルス停止は、市民の笑顔を破壊しない。姫様は文明の破壊者として石もて追われるわけでもなく、幸福は世界に生まれる。
そう描かれちゃったんだから、あの世界ではそれが事実で真実なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
だが見ている側には常識と想像力なるものがあって、作中で描かれたものを勝手に膨らませる。それが作中の描写と重なった時、納得が生まれる。
ここまでの書き方で判るように、僕は全てに納得してない。
作中唯一マトモで、だからこそシビアな現実に放り出されたように見えた姫様は、全ての火を消す決断をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
ここで作品に体重を乗せる足場がついになくなったんだと思うが、彼女のその決断は誰も殺さない。殺す風味に演出されていたが、殺さない。
後味悪い世界を後味悪く描いた結果、後味悪く人が死ぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
そういう一貫性は要所要所で崩れていたわけだが、最後のハッピーな描写で完全に壊れてしまった感じがある。
お伽噺じゃない戦争の、不都合な事実。それをキャラクターに食わせるための世界設定であるならば、最後まで完遂して欲しかった。
後味悪いなら悪いで、そのシビアさを煮込み、見据えて描ききれば独自の輝きも生まれただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
だが僕の目にはこのお話、形だけあって体温がない。構造だけあって描写がない。キャラが背負う因縁や感情が、どうしようもなく彼らを作中の決断に追い込んでいく切迫感がない。
ステラが世界をひっくり返し、敵の手を取る理由。流浪と作り笑顔の果てにたどり着いた、軍属という自分の居場所を捨てる訳。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
W主人公を最終話で出会わせるアヴァンギャルドな構図に拘りすぎた結果、そこに至るキャラクターの感情が足らず、切実さが薄いと感じた。
結果として人の死なぬ救済となったが、スイッチを押す前には全世界的な餓死を見てはいたはずだ。銃を握ったステラが、そっちに鞍替えする足場としては、これまでされた描写も、これまでされなかった描写も弱いと感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
分隊長の生き様死に様に、作中のステラの様にもっと感じ入ってれば違うのかな?
どっちにしても、作中で行われる描写は(今までどおり)モニタの向こう側の僕を揺るがさず、むしろ引き剥がしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
体温が乗ってれば納得できるだろう展開や決断は、形式ばかりが上滑りし、寒々しく離れてしまった僕の心を際立たせる。こういう状態でアニメ、見るもんじゃないな…(今更な感想)
何かと揶揄されがちな『銃が人を殺すのではなく、人が人を殺す』という言葉。そこには一面の真実があって、生み出された殺意はロボットがなければ鉈や石で人を殺すだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
姫様の選択はロボットへのアプローチは殺したが、殺意への接続をスイッチひとつで断てるわけじゃない。
だが、オーロラの後の世界を見ていると、許容範囲内で収まっているようで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
まぁそういうことも世界にはあるのだろうけども、そういう幸福な結末にたどり着くだけの代価を作品とキャラクターが支払ったと、僕は思えなかった。
あなたはどうだろうか?
一事が万事そんな感じで、結論にたどり着くための過程、支払うべき物語的代価が形に釣り合っていない作品だと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
W主人公、二話でのスクリュー、世界を上と下から見据えて立体で描く。
構図自体は面白そうだし、”普通に”作っていればちゃんと心に届く題材であったと(素人考えで)思う。
だがそこにたどり着くために、視聴者を作品世界に引きずり込み、キャラクターを隣人だと思わせ好きにするために、必要な手続きが軒並みグリップしなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
したと思っては外され、『え?』と思っている間にスカされ、思い描いていたところとは別のところに突き進んでいった。
それはいち視聴者たる僕が勝手に期待し、パンパンに膨らませた妄想だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
しかしそんな妄想(期待感、という別名を持つだろう)に答えることで、作品と読者は対話をする。他人が勝手に作った物語を、勝手に自分の話だと思いこむ。
そのコール&レスポンスは、難しくて大事な奇跡だと思う。
それを成り立たせるために、色んなセオリーがあり、様々な作品が苦闘している。この作品もまた、それを目指したのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
だが、そうして差し出された描写、キャラクター、作品世界は、少なくとも僕には届かなかった。響かなかった。彼らの異星の暮らしを、自分に敷衍できなかった。
何度もいうが、それはこっちの勝手な妄想だ。そして、そこに的確に寄り添い、描写が人間の心に突き刺さるよう研ぎ澄まして放つ…作品が受け入れられる代価を支払うのは、作者側の仕事だとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
僕には十分だとは、残念ながら思えなかった。
あなたはどうだろうか?
僕はいつも、アニメを好きに為りたいからアニメを見る。その願いは叶う時もあれば、叶わないときもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
僕はこのアニメを好きになれなかった。もう少し体温があって、僕が見ているロジックに近く進んで、忠義だの平和だのが空言に聞こえないお話を、せっかく作ったシビアな世界で転がして欲しかった
でもそれは叶わなかった。最終話で展開されるお話は全てが空々しく感じ、見ていてキツかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月25日
作品により添えなかった僕が悪い。描写の奥にある真意を見抜けなかった僕が悪い。
それを認めつつ、もう少し鋭利で、よく刺さる形状にお話を整形してくれたら良かったな、と思った。残念である。