からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
激戦の研究所に積み重なるガラクタ、流れる血。
ジョージの血を受けた阿紫花は、生き方を変えつつあるパンタローネに楔を打ち込む。ジョージは鏡に写った過去の自分を、命を賭けて打ち破っていく。
退屈にも退屈しきったその先に、聞こえる音は、鈴のような笑い声。
つーわけでさらばジョージ！ 男の涙は一度だけ！ な研究所の激戦である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
ジョージ－阿紫花－パンタローネを巡る血と暴力、退屈と興味のドラマは、やはり面白い。アクションシーンの切れ味も鋭く、人と機械の間を揺れ動いた戦士、その退場に報いるエピソードとなった。
お話は各戦場をザッピングしながら進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
復活なった”悪魔（ディーマン）”の無双。裏をかき合い、問いを投げ合う阿紫花とパンタローネ。”こうなっていたかもしれない自分”とぶつかり合うジョージ。
それぞれが魂の在り方を試され、赤い血を流す。機械ではありえない、温もりの証明。
鳴海のディーマン無双は作画も良く、雑魚人形のモヒカンヒャッハーっぷりも印象的であった。一切ためらいのない超暴力行使が、鳴海にーちゃんの覚悟を見せて良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
TRPGやるとき、あのくらい頭弱い悪役暴れさせるのほんと楽しいんだよな…ゴミみたいにPCにぶっ飛ばされるの前提で。
己を人間ではなく悪魔と任じる鳴海だが、かつての奮戦は博士に勇気を与えていた。自分をメトロノームと嘲っていたジョージが、子供の笑顔を引き出したように、人間以外にも人間の温もりは宿る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
そのシンプルな答えに満足した時、大概死ぬのがからくりの厳しいところだが。
ブロム・ブロム・ローが引用するヤスパースの”限界状況”は、人間にとって不可避な死や闘争…乗り越えられない巨大な壁だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
人は必然的にそこに突き当たり、挫折する。しかしそれこそが、人間を新たな局面に進ませるとヤスパースは解く。藤田イズムだなぁ…。
暴力が持つ相補性、血塗られた対話性。生き死にが問われる厳しい戦いだからこそ、顕になるものが確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
そういう作品の根幹を考えると、ここでのヤスパース引用は衒学ではなく、むしろテーマへの適切な補助線と言えるだろう。今回のエピソード、そういうのばっかりや…話全部そうだけど。
自分が奪う側、理不尽を押し付ける側だと思い上がっている人形たちは、限界状況から学ぶことはない。挫折から立ち上がり、新しい自分を見つけることもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
しかし体を機械化したしろがね-Oも、血の流れる自動人形も、人のあり方を学ぶことは出来る。笑顔、あるいは血を通じて。
ジョージの分け与えた血液が、阿紫花の意地を通す最後の土台になる。阿紫花から学び取った煙草を、不合理の象徴として味わうジョージ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
二人の戦士の、ゴツゴツとした魂の交流は鈍色に光り、美しく眩しい。お互いの戦いに、直接的な助力をしないところがまたいいんだよなぁ…すっごいロマンス。
阿紫花は人間最後の意地をぶつけ、パンタローネと知略の限りを尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
相手を知りたいと思う。否定したいと願う。阿紫花がパンタローネの手筋を探るように、パンタローネもまた阿紫花（を通じて人間）に興味を持ちつつある。
その”ブレ”が、パンタローネを窮地に追い込み、また変化させていく。
単機能のぶっ殺し人形のように、オウム返しのキチワードばっか垂れ流しにしていれば、パンタローネは阿紫花の罠にかかることはなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
しかし一度死に、フェイスレスに存在を嘲笑れ、エレオノールに新しい導きを見つけた彼は、”人”や”笑い”への興味を捨てることができなくなっている。
笑い、優しさ、交流。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
不合理で余計な機能を学習して、ジョージは空っぽの魂に充足を得る。
そんなジョージの”ブレ”が、諦めていた阿紫花の魂に再度、火をつける。そんな阿紫花のレクチャーを受けて、パンタローネは人間と笑いを、血みどろの意地を学んでいく。
おっさんばっかの血みどろ交流戦なんだが、そこで行き交う熱い血があまりに本物で、とても美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
ぶっちゃけからくりの物語の中で、一番キレイに収まってるラインなんじゃないなかぁココ…影響のドミノ倒しが、凄くクレバー。脇役だからこそのスマートさか。
『女ひとりも笑わせられねぇ』という挑発は、パンタローネには無視できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
フェイスレスのもとで存在意義を失い、”古い自動人形”の生き残りとして様々なものに縛られる。そんなガラクタが、唯一見つけた可能性。
ジョージにとっての音楽と同じものが、”人”の中にあるとしたら。
サハラではドットーレの命を奪った”ブレ”が、パンタローネを変えていく。その気まぐれが、阿紫花の命を救いもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
生き延びた者たちは様々な遺産を背負い、新たな道を行く。戦い終え、一足先に楽になった兄弟に祈りを捧げながら。
ジョージの戦闘は過去の自分との決別であり、綺麗なゴールだ。物語的な燃料を燃やし尽くした彼は、退場しなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
合理と傲慢の化身だった彼は、サハラで敗北し、フェイスレスが敵に回り、存在意義を失った。阿紫花だけでなく、パンタローネとも鏡合わせなのよね…。
人の命を合理で考える、神気取りのロボット。それはジョージのあり得る未来であり、歪んだ鏡としての”敵”だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
味方サイドのシャドウを敵に配置する終盤戦、一番最初に活かしたのはジョージであったね。この対比をしっかり燃やすと、やっぱキャラは強い輝きを見せる。
阿紫花との別れ、長く伸びる血。それは痛みと敗北にまみれた、人間の存在証明だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
手袋を外し、喜びに満ちた鍵盤を幻視するジョージ。阿紫花は彼から煙草を受け取って、血を垂れ流しながらまだ歩かねばならない。
前金、受け取っちまったもんでね。
そんな感じに、男たちの血と生き様が混ざり合う大激戦でした。いやー、良かったなぁ…やっぱサブキャラ決死の生き様、散り際がからくりの大きな魅力だよなぁ…それをたたみ切る風呂敷用意すんのが大変なんだけども！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
でもジョージの退場、すっごく良かったです。マジで。
ジョージのいない世界で、血を流して歩いていく阿紫花とパンタローネの先行き。ハリーを巡る激戦の結末。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年3月30日
研究所決戦もついに大詰め、来週も楽しみですね。
…勝は高空でほっとかれて寒そうだねぇ…複数ラインが同時進行するので、カメラの割り振りも大変だ。
